【資料庫】更新:映画『この世界の片隅に』見てきました~主に登場する地名について~ - なかみ・みづきの灰だらけ資料庫(書庫)
本日、サブのブログを更新しました↓
映画『この世界の片隅に』見てきました~主に登場する地名について~ - なかみ・みづきの灰だらけ資料庫(書庫)
映画のレビューです。A4用紙1枚程度の文字数で、さらっと読めると思います。
これからは、作品の内容や書くことによって、このメインブログと、サブのブログに分けていく予定です。
よろしくお願いいたします。
忍者文化による地域おこしと大学+中国と韓国の忍者に近い役職について~「三重大が忍者研究センターを開設 伊賀サテライトに新年度 /三重県 」(朝日新聞)ほか~
<今回は伊賀忍者の話>
- 1.はじめに
- 2.三重大学の国際忍者研究センターのこと
- 2-1.「三重大「国際忍者研究センター」開設!?教員公募にネットで驚きの声」(スポーツ報知)
- 2-2.「国際忍者研究センター」の開設と三重大学の関わる地域おこし
- 3. 最後に
- 4.余談1:『日本人の知らない日本語 2』の「忍者大好き」な外国人学生たち
- 5.余談2:中国と韓国の忍者に近い役職について
1.はじめに
今週頭の5月8日に更新した次の拙記事:
「忍者もの」のフィクション作品と人文科学~「「トカゲ丸焼き」で毒薬配合…甲賀の「秘伝」忍術書見つかる」(ITmediaニュース/産経新聞)~ - 仲見満月の研究室
こちらは、滋賀県の甲賀忍者の末裔の渡辺さんの家で発見された「渡辺家文書」の読解によって、忍者の実態が分かってきたという話を紹介しました。
前回が甲賀忍者のことで、今回は説明しなくてもいいくらい、日本では有名な三重県の伊賀忍者のことです。2017年の春先に話題となっていた、三重大学の「国際忍者研究センター」の設置の報道内容を紹介し、忍者文化による地域おこしと大学について、考えたいと思います。
2.三重大学の国際忍者研究センターのこと
2-1.「三重大「国際忍者研究センター」開設!?教員公募にネットで驚きの声」(スポーツ報知)
実は、昨年度末の3月ごろ、私と一部のフォロワーさんの間で、Twitterに流れてきた次の三重大の求人内容が、ちょっとした注目の的になっていたのです:
(リンク切れ、確認済み)
求人自体は、研究者向け公募求人サイトJREC-IN Portalで発見した人が流していたもので、求人ページ自体は〆切が来たらしく、無くなっておりました。ここでは、スポーツ報知のオンラインニュースを通じて、求人内容を見てみましょう。
続きを読む【2017.5.13_0210追記】高等教育に対する利益の見方についての一考察~財政制度等審議会と『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』から~
<今回の内容>
- 1.はじめに
- 2.『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の社会主義国家に見える高等教育とそれに対する利益の見方の違い(2017.5.11_2336追記)
- 3.まとめ
- 4.参考記事:「アフリカから学ぶべき日本の教育無償化のダメな議論」(note.mu、2017.5.13_0210追記)
1.はじめに
いつもお読みいただき、ありがとうございます。今日は、こんなニュースを見つけました:
Business | 2017年 05月 10日 18:26 JST
高等教育は「個人利益」 財務省、公費での無償化に慎重姿勢
[東京 10日 ロイター] - 財務省は10日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、高等教育の無償化案に関する論点を示した。高等教育が生涯賃金の上昇という「個人の私的利益」につながることから、公費負担拡大による無償化には懐疑的だ。
分科会は今月中に意見書を取りまとめ、政府が6月に策定する経済財政運営の基本指針に反映させたい考え。
高等教育の完全無償化には約3.1兆円が必要とされる。同日の分科会では、自民党の一部で浮上した「教育国債」について否定的な意見が多く出た。若手議員らが提案する「こども保険」についての議論はなかったという。
高卒者と大学・大学院卒者では「生涯所得が6000─7000万円異なる」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)ことから、財務省の提案では、高等教育が「生涯賃金の増加につながるという私的便益が大きい」と位置づけた。
その上で、「国民的合意が得られる私費・公費負担の組み合わせ」がどうあるべきか、さらなる議論が必要とした。
委員からは、高等教育を個人的利益とする考えに賛同する声が出た一方、「高等教育の結果、優良な納税者が生まれ、結果的に社会の利益になる」との指摘もあった。
(梅川崇)
今月10日に開かれた上記ニュースの財政制度等審議会では、「高等教育の無償化案に関する論点」について、「高等教育が生涯賃金の上昇という「個人の私的利益」につながることから、公費負担拡大による無償化には懐疑的だ」として、「委員からは、高等教育を個人的利益とする考えに賛同する声が出た一方」、「高等教育の結果、優良な納税者が生まれ、結果的に社会の利益になる」との指摘もあったとのことです。
この財政制度審議会のポイントは、日本における高等教育を「個人の私的利益」と見るか、「社会の利益になる」と考えるか、というところでしょうか。高等教育を利益を生む手段と考えたとき、そこにはやはり、国内の貧富の差の拡大が懸念されている。私はそのように考えました。
2.『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の社会主義国家に見える高等教育とそれに対する利益の見方の違い(2017.5.11_2336追記)
資本主義をとる日本に暮らしている私は、今回のロイター通信のニュースを読んだとき、以前、手にとった次の本を思い出しました:
本書は、このブログで著書や関係者を取り上げたことのある米原万里が、日本共産党の党員であった父親の仕事の都合で、東西冷戦下でソ連の実質上の衛生国家となっていたチェコのプラハにあるソビエト学校に通っていた時の体験が元になっています。
ストーリーを説明します。1960年代初頭のチェコはプラハ。ソビエト学校へやってきた日本人のマリ(後のロシア語通訳者・米原万里)は、リッツァ、アーニャ、ヤースナの三人三様、かけがえのない友人たちと中学時代を過ごす。宿題のない夏休み、林間学校で溢れんばかりのロシア語でしゃべり、世界文学全集の恋愛ロマンスばかり読みあさり、どこの国でも思春期は同じ。
30年後、マリは3人に会いに行く旅の途中、思いもよらない中央ヨーロッパ、東ヨーロッパの「哀しみ」に触れてしまう。それは、マリが思春期には知る由もなかったものの、中高の社会科歴史分野、世界史の現代パートで出てくる、「プラハの春」やハンガリー暴動等に対するソ連の介入によって、各国のコミュニストであったリッツァたちクラスメイトの各家庭が影響を受け、亡命や他国への脱出の形で、友人たちの人生に多大な影響を与える結果となっていたのです。