仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

【’17.10.6_1717-冊子価格など追記:お知らせ】’17年の秋と来年の年明けの同人イベントに出展します!

先日、【Top】 - 仲見満月の研究室のほうにまとめていましたが、改めて、本記事で告知致します。

 

<生物学の特集コラム雑誌を出します!>

1.同人イベント出展について

 

<’17年の秋>

COMIC☆PARTY29 in 恋都祭:`17.11.5(日)、奈良女子大学のキャンパス内

 奈良女子大学漫画研究会が主催される、学園祭「恋都祭」内の同人イベントです。

 フォロワーさんが申し込みをなさっていて、私はスペースは居候する形で、売り子としてお手伝いをしながら、自分の本を頒布する形になると思います。スペース配置については、またサークルリストの発表を待って、追ってご報告致します。

 

<’18年の年明け冬>

第二回文学フリマ 京都:`18.1.21(日)、京都勧業会館みやこめっせ

 先日の敬老の日に開かれた、文学フリマの大阪に続き、来年の冬は京都で開催されることになりました。主に、文芸作品を書かれる文字書きの方々が中心の同人イベントです。

 文学フリマのほうは、サークル名「仲見研」(なかみけん)で出展申し込みをし、今のところ、出展できる見込みです。

 

 

2.頒布する同人誌

①の新刊として、note.mu内の『仲見満月(なかみ・みづき)の「分室」』で、やってるweb雑誌『なかみ博士の気になる科学ニュース No.1』から、今年度前半の生物学ニュースを寄り抜き4本+αで収録した同人誌版、秋の増刊号を準備しています。

 

表紙と裏表紙は、こんな感じです。頒布予定数は①の秋の新刊は、

本文フルカラー48ページ(カバー含む)、1冊500円で13部の予定です↓13部です

 

 

 

表紙画像は、こちらです↓

f:id:nakami_midsuki:20171002145047j:plain

 

 

本文の一部をpixivで公開しています。ちらっと、試し読みができますが、印刷完成版には挿絵や写真を入れる予定で、雰囲気がぐっと変わるかもしれません↓

 

 

同人誌版のほとんどは、note.mu内の「分室」、それから弊ブログで読めます。「読み出し無料」の記事でも、300円をお支払い頂くと、続きを読むことができます。が、今回、自分で紙媒体を久しぶりに出すに至りまして、色んな経緯や思い出がありました。同人誌版の「まえがき」と「あとがき」に、「分室」にも本ブログにも書きにくい、そのあたりの事情を長々と書いております。その事情が気になる方は、会場まで直接、来て頂いてご購入して頂けたら、読むことができるので、ぜひ、お越しくださいませ。

 

 

 3.無料配布や年明けの新刊について

なお、①のイベントでは、新刊が生物学の本ということで、アニマルイラストのポストカードの無料配布を考えています。何の動物かは、当日のお楽しみ!

 

それから、年明け②の文フリの新刊については、余裕があれば、『なかみ博士の気になる科学ニュース』2018.冬の増刊号を出そうかな、と。特集についても、考え中です。

 

まずは、約一か月後、①のイベント会場で、皆さまのお越しをお待ちしております。

 

 

4.余談:将来、イベントで情報・評論系の同人誌本を出したい方へ

私の場合、あちこちで書いていますが、院生時代から創作系ジャンルのサークルに入って、同人活動していたことがあり、ある程度、仲間に聞いたり、印刷所サイトをネットで検索したりして、本を作り始めました。

 

今回は久しぶりに本を出す、しかもジャンルが創作系の漫画ではなく、コミティアコミケでは「情報・評論」ジャンルに入るものだと思われます。文フリやコミティアで買った情報・評論系のサークルさんの作品を拝読してみて、基本的には、漫画や小説の同人誌と制作プロセスは変わらないようだということが分かりました。

 

そうは言っても、字書きのほうの同人誌を出すのは初めてであり、久しぶりにイベント出展をするにあたり、次の本を買って準備しております↓

 

小説同人誌をつくろう!

:文芸書でなくとも、文章の多い同人誌を作る人にとっては、字組みレイアウトの考え方、表紙の重要性やおすすめの印刷所、文字書き屋に合ったジャンルのイベント、出展当日までの宣伝の仕方、イベント会に持ち込んで一般参加者を惹きつける方法、書店委託まで丁寧に順を追って解説されています。

 

目指せ☆壁サー! 素人でもわかる!同人サークルのはじめかた (メディアファクトリーのコミックエッセイ ピクシブエッセイ)

: フォロワーさんの何人かにすすめられました。

3人の女性が人気同人サークルが配置されることの多い、壁際のサークル、通称「壁サー」を目指して、同人誌を準備。イベント当日、その後の流れを紹介しながら、同人サークルの始め方を初心者向けに解説したコミックです。主に、二次創作の同人誌を出したい人向けのストーリーになっております。が、漫画原稿用紙の使い方やSNSを使った宣伝術の描き方は、評論・情報系の私にも非常に参考になると思いました。

この記事を書いてる時点で、「同人活動のスケジュール」のところで、本のサンプルや画像はイベントの1~2習慣前となっていて、自分は早すぎたな~と反省しました。2冊目を出すことになったら、気を付けたいと思います。

 

とりあえず、この2冊を読みながら、無理をしない程度に、準備したいと考えました。

 

おしまい。

【ニュース】「<東北大雇い止め>対象者「研究現場に混乱」」(河北新報)

<指定国立大学の東北大に「雇い止め」反対!>

  • 1.はじめに
  • 2.「<東北大雇い止め>対象者「研究現場に混乱」」(河北新報)から分かる非正規職員の雇い止め状況
  • 3.最後に
  • 4.余談:研究室の秘書の方と結婚の話

1.はじめに

明日から、今年度の下半期が始まります。その前、上半期最後の月末に、私がTwitterで見かけ、どうしても取り上げざるを得なくなったニュースがありました。お届け致します:

www.kahoku.co.jp

 

このニュース記事で雇い止め対象とされるのは、東北大学で非正規ながら、実験や学会等で多忙な大学教員の予定管理や事務仕事を引き受ける、秘書職の方です。人文社会系の研究室では珍しいですが、特に、旧帝大系の理系部局の研究室では、大学側が公式サイト内やハローワークなどに求人票を出して、アルバイトとパートの職員形態の中間程度の形態で雇用することがあります。

 

秘書職の方々の任期は、3年前後。雇用期間が満期を迎えれば、また新しく契約更新を行うか、あるいは大学や研究室の財政や経営方針次第で契約更新がされなければ、秘書の方は失業。今回の東北大学のように、有期雇用で雇い止めのケースは、秘書職以外で雑務や実験指導の技術職員も含めて、解雇されることが問題となった大学は、東京大学京都大学も含まれています。 

 

東京大学については、以下のオンライン記事をご参照ください。

gendai.ismedia.jp

 

京都大学については、次の新書: 


アカデミア・サバイバル―「高学歴ワーキングプア」から抜け出す (中公新書ラクレ) 

 の「京大正門前にある日、”島”が作られた」(p.42~)に書かれた、2009年春ごろ、京都大学図書館に勤務していた男性二人の雇い止めに対するストライキ活動、「くびきりアイランド」の取材に経緯が詳しく書かれています。

 

いずれも、先日報道があった指定国立大学の話であり、今回はそのなかの一つ、東北大学の状況について、河北新報のニュースを読みながら、状況を把握していきます。

 

f:id:nakami_midsuki:20170930212236j:plain

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【再読】物理系男子学部生が恋人に突然起こった事情に悩むも、決めた進路~島本理生『クローバー』~

<今回のレビュー内容>

  • 1.はじめに
  • 2.島本理生『クローバー』
    •  2-1.私が買った経緯とストーリーについて
      •   その1.登場人物について
      •   その2.中盤以降のストーリー
    •  2-2.仲見流『クローバー』の読み方
  • 3.最後に

1.はじめに

昨年1月に筆者のlovekoさんにご許可を頂き、紹介をさせて頂いたブログの記事がありました:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

上記の記事は、公開から約9カ月が経過した現在、ほぼ注目記事のなかで首位、少なくとも第3位までをキープしているという、人気のランカ―記事といっていいと思います。また、弊ブログを開設してから、理系の男子院生との交際の仕方、結婚での実生活にに悩んでいらっしゃる方が多いのか、 ポツポツと、次の目次に入っている記事が注目ランキングの10位以内に入ってくることがありました:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

それほどにまで、理系の男子院生や職業研究者との恋や実生活について、お知りになりたい方が多いということが分かりました。そのあたりの需要は、ひしと受け取っています。

 

それでは、フィクションではありますが、こんな物語の筋書き、読者の方の中には読みたいと思われる方々は、いらっしゃるでしょうか。

 

21歳前後の男女の理系学部生カップルがいて、少なくとも修士課程までは、別々か同じ大学院に通い、軽い気持ちではないけれど、お互い、結婚するかは分からない。それでも、男子学生が真剣にこの先の将来を彼女と共に歩みたいと、自分の進学先を探していた矢先、料理の腕で娘を育てていた彼女の父親が倒れ、入院。最悪、父親に半身不随に近い後遺症が残り、不自由な生活に介助が必要になる可能性があり、彼女は大学院の研究室での業務や研究に追われながら、後遺症と闘う父親の生活を支えなければならなくなったとしたら…。

 

この筋書きは、ある島本理生さんのとある小説の後半部分です。フィクションではありますが、私が学部生3年次のゼミの先輩に、この小説の彼女とご実家のお父上が同じ状況になった先輩がいらっしゃいました。その赤井先輩(仮名)は、卒業が決まっていたものの、卒業式の直前まで就職活動を続けていらっしゃり、進学を目指していた小説の彼女と立場は違います。
当時、赤井先輩に彼女がいらっしゃったかも分かりませんが、少なくとも、20代初めの就職か、進学かという時期、実際にご実家のご家族が病気で倒れて、要介護になるケースは、少なくないと私は考えています。卒業式の日、スーツ姿で現れた赤井先輩は、「何とか、OB訪問していたサークルの先輩の紹介で、実家から電車で15分以内の介護職員の派遣会社の正規事務員として、内定が出ました」と報告していらっしゃいました。卒業後、隣県の実家まで徒歩10分圏内、転勤のため、長兄夫婦から譲られた持ち家に引っ越し、会社と実家とその家を三角形のようにまわる生活を送っておられるようです。

 

もしもの時、パートナーの実家のご家族が倒れて、要介護や介助が必要になったら、自分は、自分の将来の夢を追うため大学院に通いながら、かつ疲れのたまりやすいパートナーの日常を支え続けることができるだろうか。今回、レビューする小説は、分野に関係なく、また学部の新卒で就職する人にも起こり得る出来事に対して、暫定的ながら、自分なりの進路を決めた物理系男子学部生が主人公の小説です。

 

クローバー (角川文庫)

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