仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

好奇心充足の観点で社会人の「院進」を考える~Kaori Isomura「32歳で大学院生になった。…」(ハフポストより)~

<今したいことを、するということ>

  • 1.はじめに
  • 2.Kaori Isomura「32歳で大学院生になった。背中を押したのは、父が遺した「やりたいことリスト」だった。」で考える社会人の「院進」(ハフポストより)
    •  2-1.筆者が32歳で院生になるまでの経緯
    •  2-2.筆者の研究テーマ
    •  2-3.大学院にあえて「通う」ことの意義
  • 3.社会人が大学院に行くために整えたらよいこと~最後に~

1.はじめに

以前、私は、社会人院生の方の体験や、それに絡むエッセイを紹介しました:

2人は、自身の職業やキャリアと繋がりのある大学院の部局に通っています。造形作家の森井さんは美大修士課程に、日本相撲協会の横綱審議委員の内館さんは土俵をめぐる問題について宗教学的な方面から考える目的で人文系の修士課程に、それぞれ進学=「院進」されました。読者の方にも、「社会人が大学院に進学するのは、自分の仕事や将来のキャリアのため」という考える人も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

 

実態としては「必ずしもそうでない人は、探せばけっこういる」というのが、私のTwitterや、このブログに頂くお便りによる体感です。今回は、そのような中のお一人で、ハフポスト日本版のスタッフであり、「何より、自分の心に引っかかったテーマを、ただ追求して」みたかったという、エディターのKaori Isomura

(以下、イソムラ)さんの手記を通じて、仕事やキャリアよりも、自分の関心や好奇心に因む社会人の院進ケースを考えてみようと思います:

www.huffingtonpost.jp

(Kaori Isomura「32歳で大学院生になった。背中を押したのは、父が遺した「やりたいことリスト」だった。」、2018.06.05 、19:05、ハフポスト日本版より)

 

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研究者の健康や心身のメンテナンスにまつわる話

不摂生のせいで、心身のあちこち、違和感があったり、メンテナンスの必要性を出会った人に指摘されたりして、はや1年。鼻や口に乾いたような感覚が気になり、先日、専門のクリニックに行ってきました。特に異常はありませんでしたが、他にも調子のよくなさそうな箇所があるので、また行けるときに専門のところに行こうと考えています。

 

歳を重ねてくると、健康に関する話題が増えるといいますが、私と周りの人たちも20代に比べて、明らかにそうなってきている気がします。例えば、「腰が痛いので、整形外科に通っている」とか、「脂っこいものを食べると胃が持たれやすくなってしまい、揚げ物を控えるようになった」とか。子育てをしている友人は、家族の身体に気を配り、特にお子さんについては些細なことにも目を利かせたいようになった、とのこと。

 

そういった話を思い出して、自分と周囲の院卒者の健康管理を少し、振り返ってみました。どうやら、勤務先や所属機関で実施されているところの人を除いて、大学院博士課程の最終年度に受けた健康診断以降、そういえば、まともに全身の健康チェックを受けていない人が少なくないようです。

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主に歴史書を読む場合の漢文訓読の参考書は何がよいのか~続々と #古文 や #漢文 をもう一度 ~

<聞いてみたいことを質問してみる回>

  • 1.はじめに 
  • 2. 日本語で論文を書く留学生を含めて、漢文参考書を考える
  • 3.推しの参考書があれば教えてください!~最後に~
  • 4.本記事と関係の深いブログ記事
    •  #古文 や #漢文 をもう一度シリーズ

1.はじめに 

先月末に、私のTwitterアカウント周りで話題になっていた漢文参考書の話は、何だかんだかんだで、今週も続いていたようです。7月3日には、「トンデモない参考書のどこがトンデモナイのか」、という解説が漢文まわりの方々のツイートで指摘され、Togetterに纏められいたよ:

togetter.com

 

問題の漢文参考書はこれですね:

 

有名なのは、古文のほうですが、漢文もあったんですね。ここの執筆管理人は、初めて漢文編を知りました。さて、Togetterまとめに挙がっていた否定形の説明を読んでみました。まず、セクションの冒頭に「否定する内容は否定語の後にあるぞ」ってありまして、例文ごとの説明も説明で、「ふわっ」としているというか、主語や述語といった文法的な単語が出てこないというのは、法則で覚える人にはきつくないでしょうか。それ以前に、多くの人がツッコミを入れている例文は、著者の自作らしい。例文に入っている単語には、「本当に中国前近代には存在したのか、これ?」といったものがありました。その他の「いいのか、これ?」という問題点については、上記まとめをご覧ください。

 

『漢文ゴロゴ』のアマゾン・カスタマーレビューの平均が★4って、どうなんだろうか?と、確かに疑問に思わずにはいられません。それじゃあ、漢文の参考書には、どんなものがいいんだろう?というお話について、今回は様々な方に聞いてみたいと思い、本記事を書きました。今回は、質問を投げる回でございます。

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