仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

レビュー

映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』メットガラ準備編 ~学術と芸術と商業と~

<メットガラ準備編の内容> 4.前回の人物編および2015年メットガラ「鏡の中の中国」について 5. 2015年のメットガラ「鏡の中の中国」での戦い~メットガラ準備編~ 5-1.美術館の地下に追いやられた服飾部門の戦い 5-2.衣裳の扱いとミュージアム…

映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』人物編 ~学術と芸術と商業と~

<人物編の内容> 1.はじめに 2.「メットガラ」とは何か?および2015年の企画「鏡の中の中国」 3.2015年のメットガラ「鏡の中の中国」での挑戦~人物篇~ 3-1.アンドリュー・ボルトン 3-2.アナ・ウィンター 3-3.ウォン・カーウァイ(王家…

【2017.5.13_0210追記】高等教育に対する利益の見方についての一考察~財政制度等審議会と『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』から~

<今回の内容> 1.はじめに 2.『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の社会主義国家に見える高等教育とそれに対する利益の見方の違い(2017.5.11_2336追記) 3.まとめ 4.参考記事:「アフリカから学ぶべき日本の教育無償化のダメな議論」(note.mu、2017.…

【2017.5.6_2130追記】映画『夜は短し歩けよ乙女』見てきました~森見登美彦と「京都学生もの」ほか~

<今回の目次> 1.はじめに 2.映画版『夜は短し歩けよ乙女』全体の内容と感想コメント 2-1.春パート:夜の結婚パーティーと木屋町 2-2.夏パート:下鴨納涼古本まつり 2-3.秋パート:学園祭 2-4.冬パート:流行風邪をひいた人々の病床 3…

成立過程が歴代王朝の正史・明清の国家的編纂事業に似た「中国版Wikipedia」"Chinese Encyclopedia"計画(engadget日本版より)

<長い中国の歴史と"Chinese Encyclopedia"計画の繋がりについて> 1.はじめに 2.「中国政府、中国版Wikipedia構築のため2万人を雇用へ。」について 2-1.ニュース記事の内容 2-2."Chinese Encyclopedia"計画と歴正史の成立過程および明清の国家…

2000年代後半以降の二度の中国訪問時の体験談と職業研究者を目指す人に向けた留学・就労メモ+補足で本紹介

<今回の目次> 1.5月の祝日と東アジアの国々 2.「タダでも中国には行きません 深刻な学生の中国離れ 一方通行の学生交流、このままでは情報格差が広がるばかり」(JBpressより) 2-1.ニュース記事の内容 2-2.2000年代後半以降の二度の中国訪問から…

どんな人が文系だけどSEになれるのか?~『文系女子だけど新卒でSEやってます』をもとに高校数学が欠点な人間が考える~

ここ最近、Ciniiの動向、アカハラや図書館の司書職、学芸員に関する発言といったニュース、社会関を追っていました。いくつかレビュー記事時も含んでいますが、久しぶりに、文系院生(今回は主に修士卒)の進路について、考えるきっかけになりそうなコミック…

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』は「ブラック」な研究業界にも言える

<今回の内容> 1.はじめに 2.本書の内容と「ブラック」な研究業界のこと 2-1.「第3章 がんばらない勇気」 2-2.「第4章 自分の人生を生きるために」 2-3.「第5章 世界は広いんです」 2-4.「最終章 自分を犠牲にしてがんばりすぎちゃう人…

永田礼路「「論文ハウマッチ」+論文とお金の少し真面目な話」+『螺旋じかけの海』の紹介~理系学術ジャーナル論文掲載の裏事情~

<本記事の目次> 1.はじめに 2.永田礼路「論文ハウマッチ」+論文とお金の少し真面目な話」 3.永田礼路『螺旋じかけの海』1巻のレビュー 1.はじめに 日課でTwitterのタイムラインを眺めていた昨日、ネイチャーとかセルとか、含む理系の学術ジャー…

専門卒社会人の著者による大学院修士課程の受験体験記~森井ユカ『突撃!オトナの大学院』~

<今回の目次> 1.はじめに~私の10代と周囲の社会人たちの経歴~ 2.著者の森井ユカについて~なぜ大学院に行こうとしたのか?~ 2-1.森井ユカの仕事 2-2.専門学校卒で大学院進学を目指す決断~大卒でなくとも院は受験可能!~ 2-3.著者の研究…

【目次】世界史を教えていた私の近現代史を知るための推薦図書まとめ

naka3-3dsuki.hatenablog.com naka3-3dsuki.hatenablog.com naka3-3dsuki.hatenablog.com

こんな百人一首漫画が欲しかった!~杉田圭『超訳百人一首 うた恋い。』シリーズ~

昨年末に整理していた記録の一つで、百人一首の背景物語とも言うべき作品のレビューが出てきましたので、こちらに公開致します。まだまだ暦の上では正月期間ですし、百人一首カルタをされるところも、あるかと思いますので、季節的にはちょうどいいかなと。 …

就職するか、大学院進学か、迷ったら読む本 ~中沢孝夫『就活のまえに 良い仕事、良い職場とは?』~

<今回の内容> 1.はじめに~実は院生の頃に就活してました~ 2.中沢孝夫『就活のまえに 良い仕事、良い職場とは?』の紹介 2-1.本書の内容など 2-2.感想 3.本書を振り返ってみて 1.はじめに~実は院生の頃に就活してました~ 昨年末のストレ…

大学の在野で研究する者たちへの指南書  ~荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために』:後編~

↓の前編の続きになります。 naka3-3dsuki.hatenablog.com 著者・荒木優太氏の章のキーワードをピックアップしつつ、この本の中の在野研究者の生を、具体的に見ていきたいと思います。 更に、「在野研究者の心得」を著者自ら実践している例もあるようなので、…

大学の在野で研究する者たちへの指南書  ~荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために』:前編~

段ボールの簡易コタツの上にPC載せるのが恒例になってきている、毎度おなじみ、ブログ管理人です。本日は、本ブログのあちらこちらにお名前を出させていただいていた、荒木優太氏の下のご著書をやっと読み終えたので、そのレビューを致します。 これからの…

世界史を教えていた私が選ぶイスラームと中東地域の近現代史を知るための3冊

naka3-3dsuki.hatenablog.com 上のリンク記事の補足として、イスラーム諸地域の近現代史を知るのに、高校生向けの授業で使った本を三冊、紹介します。 ①山井教雄『まんが パレスチナ問題』 ②梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』 ③カレン・グレイ・ルエル,デ…

現代史を知るための「擬人化」世界史漫画~ゆげ塾『ゆげ塾の中国とアラブがわかる世界史』:アラブ編~

本書のレビューをお送りしています。 ゆげ塾『ゆげ塾の中国とアラブがわかる世界史』飛鳥新社、2015 前回は、本書前半の中国編でした。中国史の概説ではなく、中国の今の外交や内政の特徴を、歴史に求めて解説した筋立てでした↓ naka3-3dsuki.hatenablog.com…

現代史を知るための「擬人化」世界史漫画~ゆげ塾『ゆげ塾の中国とアラブがわかる世界史』:中国編~

先週は、大学院のアカハラ問題、院生兼非常勤講師の子どもの保育所入所問題など、研究者のハードな部分を取り上げてきました。ここで、一息、自分の研究領域に関する漫画のレビューをしようと思います。 <今回の内容> 1.世界史の仕事と参考書漫画 2.『ゆげ…

『理系男子の"恋愛"トリセツ』で考えるドラマ「逃げ恥」津崎平匡のこと~『逃げるは恥だが役に立つ』中の院卒者の生き方③~

1.理系男子・津崎平匡さんの分析をしていなかった! 2.津崎平匡の生い立ちと経歴 2-1.生い立ち(出身地や縁のある土地)は? 2-2.どんな経歴? 2-3.本記事での津崎平匡の初期データ 3.『理系男子の"恋愛"トリセツ』で読み解く、津崎平匡 …

文系大学院の博士課程に進もうと思うなら読むべき本~岡崎匡史『文系大学院生サバイバル』:その1~

<今回の目次> 1.レビュー本の著者の紹介と取り上げる理由 2.本書の内容紹介:その1 2-1. 本書の目次と導入部(第1~3章)の概要 2-2. 中盤:アメリカ留学のすすめから留学準備の勉強実践(第4~6章) 1.レビュー本の著者の紹介と取り上げ…

文系大学院の博士課程に進もうと思うなら読むべき本~岡崎匡史『文系大学院生サバイバル』:その2~

インパクト、大きいです。本書の紙書籍版の帯です。下の記事「その1」のアイキャッチ画像が白く、地味に感じたので、その2は帯の方にしてみました。 naka3-3dsuki.hatenablog.com そういうわけで、今回は上のリンク記事に引き続き、岡崎匡史氏の『文系大学…

スペイン語とフランス語を齧った人の辞典レビュー

〈目次〉 1.はじめに~どうやら語学オタクだった院生時代~ 2.自宅の本整理作業からみつけたスペイン語とフランス語の辞典 2-1.スペイン語の辞典レビュー 2-2.フランス語の辞典レビュー 2-3.ちょっとマイナー言語の辞典と今回のまとめ 3.その後の語学の話…

日本語教師を目指す人への本紹介③~蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語』シリーズ:後編その1(主に3巻)~

今回は、前編の続きになります↓ naka3-3dsuki.hatenablog.com 1.2巻の補足~「スッパ抜く」と忍者~ 2.更に上級編へ進む「祝!卒業編」の3巻 2-1.第2章:意外とできない「簡単な話し方」&第3章:敬語とマナーのおさらい 2-2.第6章:違いを楽しむ …

通訳さん、お仕事ですよ②~英語・スペイン語通訳者・志緒野マリの場合~

naka3-3dsuki.hatenablog.com これに続き、英語・スペイン語ガイド業が中心の志緒野マリ氏のエッセイ集を紹介致します。 志緒野マリ『旅が仕事 通訳ガイドの異文化ウォッチング』平凡社.1996年 著者は大学時代、心理学を専攻しながら京都でガイドを経験。自…

通訳さん、お仕事ですよ①~イタリア語通訳者・田丸公美子の場合~

下の記事で紹介した元ロシア語通訳者・エッセイストほかの故・米原万里。彼女の本にたびたび登場してくる"シモネッタ"。誰かといえば、イタリア語通訳・翻訳家の田丸公美子のこと。 naka3-3dsuki.hatenablog.com この"シモネッタ"が書いていたエッセイについ…

『ル・オタク』で考える文化的摩擦~清谷信一『ル・オタク フランスおたく物語』~

〈今回の目次〉 0.はじめに 1.序盤 2.中盤 3.終盤 4.最後に 0.はじめに naka3-3dsuki.hatenablog.com ↑の2巻のレビュー最後で書いた、第三章「クールジャパンに憧れて」のところで、思い出した本が、6年前の記録にあったので、レビュー致します。本…

日本語教師を目指す人への本紹介②~蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語』シリーズ:前編~

naka3-3dsuki.hatenablog.com 今回は、上の記事の続きで、言語教育学の日本語分野で大学院を目指していた後輩たちに向けて書いた、読書案内です。シリーズ化された本でもあるので、前編・後編と2回にわたって、紹介をさせて頂きます。 (以下、2009年11月12…

日本語教師を目指す人への本紹介①~米原万里『言葉を育てる 米原万里対談集』で考える様々なこと~

数日ぶりですね。シルバーウィークは皆さま、いかがおすごしだったでしょうか?私は読書の傍ら、ネットサーフィンを試みました。が、滞在先のネット接続がうまくいかず、電波を探して建物内を徘徊。その様子は、家族ほか、滞在客からしたら、危ない人に見え…

文系オーバードクターの結婚について~栗原康『はたらかないで、たらふく食べたい』:後編〜

naka3-3dsuki.hatenablog.com ↑前回の続きになります。アナキズム研究が専門の政治学研究者である文系オーバードクターの著者・栗原康氏は、東日本大震災直前に合コンが縁で、小学校で保健の先生をしている女性と出会い、交際するようになります。お互いアラ…

文系オーバードクターの結婚について~栗原康『はたらかないで、たらふく食べたい』:前編〜

〈今回の目次〉 0.はじめに 1.著者・栗原康および本書の概要について 1-1.著者の経歴と経済状況 1-2.本書の概要 2.栗原康の出会いと恋愛~「豚小屋に火を放て」の章より~ 2-1.出会いと交際開始 2-2.「主夫宣言」と不安の多い交際 0.はじめに …

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