仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

就職するか、大学院進学か、迷ったら読む本 ~中沢孝夫『就活のまえに 良い仕事、良い職場とは?』~

<今回の内容>

1.はじめに~実は院生の頃に就活してました~

昨年末のストレスと乾燥のせいか、喉まわりの調子が悪く、床に臥せっているほうの「寝正月」を送った管理人です。いや、成人後の体調管理って、遠出も重なると、更に本当に難しいですね。

 

さて、年末に再び、今まで書きためていた記録を整理していて、実はかつて院生時代に数回、就活をしていたことを思い出し、その時に悩んで読んだ本のレビューがセットで出てきました。リクナビのページで簡単に調べたところ↓

job.rikunabi.com

今年の就活で、つまり2018年卒の人の採用スケジュールは、個別の企業説明会が3~4月に開始されるところがあり、6月に採用試験や選考が来るそうです。修士卒での就職を考えている人も、旧来の慣習では学部卒の就活生と同じスケジュールで動くことが多いはず。年明け一ヶ月くらいしたら、就活の準備を本格的に始める修士生もいるんじゃないでしょうか?

 

本記事を書いている私、実は修士卒で就職しようと悩みに悩んだあげく、合同企業説明会に出ていた時もありました。結局、博士課程進学しましたが、当時の記録を読んでいると、今のタイミングでアップしたほうがよさそうな本のレビューがありましたので、当時の記録のまま、ここで紹介することに致しました。

 

なお、病み上がり執筆者の体力の関係で、普段よりも短めの文章となっております。つまり、2000字前後。さらっと、読めます。

 

 

2.中沢孝夫『就活のまえに 良い仕事、良い職場とは?』の紹介

 (以下、2010年の夏季の記録)

さて、ちょっとでも知りたいと思って各種イベントに参加しているものの、世の中のことを知ればしるほど気持ちが暗くなるわ、就職活動の是非に「うーん、うーん」と唸って悩む日々が続くわ…。

 

悩み続けても仕方ない!!前に買っていた本を読んでみました↓

 

 

〈目次〉

 はじめに

 第1章 「良い仕事」と「良い職場」

 第2章 仕事と自己実現

 第3章 就活の決め手・この人物と働きたい

 第4章 説明できる自分があるか

 第5章 転職や好きな仕事について

 第6章 公平や平等の考え方

 第7章 「職業」と「道楽」について

 終 章 働くということ

  

 2-1.本書の内容など 

筆者自身の就労体験、労働組合の活動を通じて取材した現場、大学生の就職活動を担当する状況、などなど「働くこと」に関連した体験や取材を通して本書は執筆されています。

 

仕事の選び方に悩んでいる人は、第1~3章を読んでみてください。戸惑っていた企業研究や業界研究、針を希望の方向へ持っていけるかと思います。

 

第4章は採用の面接や企業の人事部の裏側が登場!コワイというより、割と「当たり前のことじゃん!」と思ってしまう…。

採用面接の場で繰り広げられる、採用側と学生の駆け引き。お互いの単なる「厚化粧」では終わらない就職活動の奥深さが垣間見えるところ。

 

第5~6章では、研究所や研究者たちの各種データをもとに転職、各国の企業定着率と年齢を分析・考察。

たとえば、日本の若者の転職状況は20代のうちに数回、職場を変える傾向が強く、2~3回職場を変えうちに一定の職場定着率が上昇するとのこと。

 

 2-2.感想

 今まで、私が周囲の就業者から言われ続けていた「働くこと」を易しい言葉で書いていること。感覚的に掴みかけていた「良い仕事」と「良い職場」の条件は、第1章で頷いてしまうほど、整理されていました。

 

集団就職で郵便局に就職し、労働組合の活動を通じた土地ごとの業務体験から大学進学後、研究者になった後に学生を指導する立場から書かれた本書。

現場経験の長い著者だからこそ、易しい言葉で「働くこと」の現実を切り取ることができたのだと思います。

 

インターンシップに行く前のそこのあなた、手にとってみませんか?

 

 

3.本書を振り返ってみて

(以下、2017年1月3日の追記)

失礼ながら、本書の筆者のことを私は詳しく存じ上げていなかったため、現在、勤務されている大学の福山大学の研究者情報ページを読んでみました。

rdbv.fukuyama-u.ac.jp

大学進学以前に就職して得た社会人経験をもとに、労働の組織について経営学の立場から研究をされているようです。本書の著者略歴によれば、筆者は1944年生まれの方で、平成5年、つまり1993年に立教大学法学部を卒業されているので、49歳で学部を卒業され、大学院に進学し、博士号を取得して兵庫県立大学から福山大学まで、経営学に関係する学部で教鞭をとられておられます。経歴からして、40代で学部生を1990年代初めにされており、おそらく、2010年代の現在ほど40代の学生が多くなかったと思われるキャンパスで学ばれていたというのは、よっぽどガッツがあり、かつ向学心があったと思われます。その上、自らが社会人時代に労働現場で抱えていた疑問を研究者として追究したいという熱意をお持ちになっていたんだと、私は邪推しました。

 

出版された2010年から7年が経ちましたが、働くことに対する著者の見識は古びず、就職か、大学院進学かで迷っている人には、響くものがあると考え、今回、紹介しました。加えて、諸事情あって大学には行きたかったけれど、通えなかったまま就職し、働き盛りを迎えている社会人の方にも、「やっぱり大学で学んでみたいかも」というお気持ちがあれば、労働経験と学問を結びつけて研究できたこの筆者の経歴を含めて、おすすめしたい一冊だと思いました。

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