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仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

海外の大学院の話 その2~台湾の大学院と就活を例に~

修士 大学院 進路 留学 就職活動 台湾

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 (画像:台湾大学医学院付属病院)

 

台湾の大学院と就職活動について、フォロワーさんとお話しをさせて頂き、いろいろとお聞きしました。前回の記事の続きです↓

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

脳みその記憶が新鮮なうちに、今回も書いていきましょう。前回の記事の後編になりますので、適宜、上のリンクをご参照されてください。

  

台湾の大学・大学院では卒業・修了してから就職活動するもの

知り合いの日本人のK先生は台湾の国H大学の大学院に、勤務されていらっしゃいました。K先生のお話、それから私の周りの日本へやって来た台湾人留学生によると、台湾の大学院では就活は卒業・修了してからするものらしい。日本みたいに、大学・大学院は積極的に卒業生の就職活動の面倒を見るわけではない。もちろん、新卒一括採用もない。そのため、修士卒で就職活動をする場合、大卒でキャリアの長い求職者、海外で学位を取得してきた転職者たちと同じ求人の狭い枠を争わないといけない。何とも、厳しい現実が待っているのです。

 

そして、フォロワーさんは日本での就職活動を希望されているそうなのですが、日本では新卒一括採用のせいで、台湾の大学院を卒業・修了し、日本に(戻って?)来る時期と新卒採用のスケジュールが合わない。おそらく、日本に来る時には既に書類選考が終わっている企業もたくさんあると思われます(もちろん、採用が終わっていなかったり、追加募集したり、そういう企業もあるでしょう)。

 

日本の大学院に通う日本人修士生と留学生院生は、日本の新卒一括採用と同じスケジュールで採用試験に挑みます。私の知っている台湾人留学生、他の国や地域からきている留学生たちも、日本の新卒採用スケジュールに沿い、合同企業説明会に出て、履歴書を書くなどしていました。

そういうわけで、例えば海外で修士号を取得した後、帰国してから日本で就職活動をしようとしている日本人の求職者は、特に新卒採用に重点を置く企業を狙うのは難しいでしょう。まして、台湾もそうですが、既卒の状態で日本に帰国し、就職活動にのぞまないといけず、出身大学院のサポートは受けられないわけです。フォロワーさんもおっしゃっていましたが、日本の新卒スケジュールに合わせないといけないのは、帰国組の日本人、それからビザや滞在条件に制約のある日本にいる留学生にとって、非常にキツイものでしょう。

(おまけに、ここ数年間、某企業団体の都合で新卒の就活解禁時期が、数か月単位で前へ移動したり、後ろに動いたりで、大学・院生たちは振り回されている)

 

じゃあ、留学生は日本で職を得るにはどうしたらいいの?

さらに、日本を出て、海外の大学院に行っていた日本人留学生は海外のほうに人脈を作ると、逆に日本に帰国した場合、日本での伝手がないケースがあり、ますます、就職活動で不利になる場合があります。なので彼らが日本での就職口を望む場合、日本のアカデミアの方々と定期的に連絡をとたったり、帰国して学会発表をしたり、そういうことをして伝手やコネを作っておく必要があります。

 

逆のパターンを考えましょう。台湾からやって来て、日本の大学院で博士号を取得した台湾人のRさんがいました。現状、Rさんが日本での就職を望むなら、日本にいる間に伝手を作っておかないと、非常に就職口が得にくいです。例えば、台湾人留学生が日本の外国語教室や専門学校で中国語講師の職に就こうと思えば、日本で主流の”普通話”、中国大陸で使われている簡体字を使って読み書きできるようにしないと、という現実的な「制約」があります(日本の国立大学の職員をされていて、大陸中国に留学経験のある方。Rさんのような方のチューターをされていたそうです)。

 

身の回りの話ばかりで恐縮ですが、近代日本の中国文学翻案作品を研究しに日本にやって来た台湾人留学生Lさんという後輩がいました。Lさんによると、台湾の大学では中国文学を含む東洋学の研究ポストが非常に少なく、激戦状態とのこと。この話を上記の職員さんにしたら、非常に苦い顔をされました。東洋学やっている人々には、正直なところ、東アジアのどこも研究ポストは似たような状態なのです。

 

  終わりに

こうした海外の大学院と院生の就活を考えると、もう少し、日本の企業には新卒採用とは別で、年中の時期関係なく求人をある程度出すといった、採用システムに柔軟性を持たせて頂きたいと切に望みます。

(日本の新卒一括採用に関しては、メリットもあると思うので私は否定しません。なぜかというと、病気とケガで学部同期が留年し、20代半ばで就活して、転職組でスキルに劣るものの、新卒枠で何とか内定をもらえたという話を知っているからです。その人は既卒枠で就活していたら、今も経済的に自立はできていなかったでしょう)

 

そして、上には書けませんでしたが、新卒一括採用のない海外での就職を望む院生は、まず現地語で雇用契約書が読め、企業と交渉できるコミュニケーション力を身につけ、かつキャリアとスキルが自分より格段に高い人材と戦うため、彼らと勝負できる武器を準備することが求められるのではないでしょうか。

 

昨今、よく言われる「自助努力」という言葉。これを実践するには、就職活動でもお互いに情報交換する場が必要だと思っています。特に、留学生院生は台湾、日本、それ以外の地域関係なく、ネット上でも情報を得たいけど、孤立しがちなようです。

そういった方々に向けて、少しでも情報発信し、また気軽に話せる場所が提供できたら、私はうれしいです。

 

今回、反応して下さったフォロワーの皆さま、ありがとうございました。引き続き、コメント、Twitter、メールフォームでの反応が、書くエネルギーになっています。引き続き、ご感想・ご意見、募集中!

 

これからも、よろしくお願い致します。

 

参考:

toyokeizai.net

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