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仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

中国史研究をする人へのスタンダードな入門書~礪波護・岸本美緒・杉山正明編『中国歴史研究入門』~

メモ-研究 レビュー 中国 研究生活 香港 台湾 歴史学

かれこれ、十数年前、私が東洋学を始めたとき、テキストとして買わされ使っていた本を今回、紹介します。今まで、中華圏に関する記事を書いてきたので、そもそもの原点回帰という意味で、です。

 

礪波護・岸本美緒・杉山正明編『中国歴史研究入門』名古屋大学出版会、2005年

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〈目次〉
はじめに

第Ⅰ部 研究と史資料

 第1章 先秦
1 研究の視点
2 研究の展開と史資料の解説

第2章 秦・漢
   1 研究の視点
2 研究の展開
   3 史資料の解説
(※以下の章、だいたい節の項目が同じため、省略)

 第3章 三国五胡・南北朝  
 第4章 隋・唐       
 第5章 五代・宋        
 第6章 遼・西夏      
 第7章 金・元       
 第8章 明代          
 第9章 清代 
 第10章 近代
 第11章 現代
 第12章 世界のなかでの中国史
   1 中国史と世界史   
   2 ユーラシア世界史のなかで  
   3 世界史の転回
   4 近代アジアと西洋

第Ⅱ部 中国歴史研究のために

   A.史資料を読むために
    1 目録学――読書の門径
    2 金石学・考古学
    3 地理学――歴史的舞台の理解に向けて

   B.付録
    文献一覧 第1~12章

    執筆者一覧

 

大学時代、1年生の入門ゼミで参考書として買い、それ以来、仕事を始めてからもお世話になっている本。

 

2005年末に初版が出て以来、改訂されておらず、文献一覧を更新してほしい思いがありますが、まだまだ、使える入門書かなと思っています。が、いろいろと近現代史は新たな学説が登場してきているので、アップデートしたほうがいいです。

 

大学年4生のとき、卒論で約1000年間を扱うことになり、大慌てで各時代の研究状況を読みました。大学院からは、明清の文献収集のため、概説書の紹介と地方の民衆組織を少しずつ読んで勉強していました。今も、引き続きやっています。

 

研究で読んでいた白話小説は宋~明を舞台にしていて、日ごろから私は民衆の生活感覚を想像しながら、読書していました。そんな時、359頁の度量衡表が便利。王朝ごとに、長さ・面積・重量などの単位が、それぞれ現在の単位に換算されていて、正史を読書中、現在の単位に直しやすい!!野菜の買い方や貨幣の支払い方法など、当時の生活感覚が想像できると、親しみやすいです(ただし、時代が下るごとに、だんだん、最少単位の基準量がアップしているって、どうゆうこった?)。

 

付録には、中国史を学ぶために必要な知識(図書館や書店はもちろん、暦・年表、人物来歴の調査の注意事項など)がコンパクトに整理されています。趣味で、小説や漫画を書いている人たちにも、役立つかなと。

 

分厚くて、4000円近くもする手の届きにくい値段。研究者だけでなく、趣味で中国歴史小説を書いたり、漫画で作画したり、時代考証のお仕事をやってる方には、あると便利な本だと(は)思います。

 

 

なお、姉妹編として6年後、朝鮮史版も出ています。後日、改めて、紹介したいですね。

朝鮮史研究会編『朝鮮史研究入門』、名古屋大学出版会、2011年

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