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仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

新自由主義に蝕まれてゆく国民の「いのち」~堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ 』~

レビュー

先日、病院に行って診療代、その後に行った薬局で薬代を払いながら、次のニュースが報道されていたことを知りました。

東京新聞:国保支援の圧縮検討 加入者負担増の恐れも 消費増税再延期のあおり:政治(TOKYO Web)

記事によれば、「自営業や無職の人らが加入する国民健康保険国保)への国の財政支援を圧縮する案が、政府内で浮上していることが十四日、分かった。」とのこと。このニュースは6月にあったので、今から約2カ月前の話になります。記事の続きには、

市町村が運営する国保は低所得の加入者が多く、構造的に赤字体質にある。一八年度に都道府県に移管することになっており、財政支援が予定通り実施されないと、移管が危うくなる。保険料が上がるなど、加入者の負担が増える恐れもある。

国民健康保険の保険料が今後、上がるかもしれない――。そう聞いた瞬間、私は以前に読み、日本でいう健康保険や医療保険の市場を民間に開放する政策を進めた結果、国民の命が「粗末」に扱われるようになった、アメリカの現実を知らせる本書を思い出しました。

 

堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ 』(岩波新書1112)、2008年

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 まず、私が気になったのは、国の教育政策と結びついた軍の人材募集の部分。志願制になった米軍には、リクルーターがいて、貧困層の多い地域の高校を訪問し、軍に入れば進学の費用を一部、肩代わりしますよ!と宣伝。高校生は、すがる思いで入隊するものの、現実は甘くなく…。

 

読み進めると、国民の「いのち」を握る教育や医療、防災、国防の分野でさえ、安易に民営化してゆくアメリカの現実を本書は突きつける。しかも、日本が後追いさえしているという事実に愕然とした。

 

残酷な事実はまだ続き、本記事の冒頭で取り上げた日本の健康保険の制度について、憂いが絶えない。頼むから、日本政府よ、在日の米商工会団体の口車にのって、国民皆保険制度をこれ以上、破壊しないでおいてくれ、と叫びたくなりました。

読み進めるにしたがって、私たちを取り巻く社会制度と新自由主義の残酷さを知り、心がひどく抉られる事実が書かれていました。

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