仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

交通系ICカードの話~大学の先生や院生の使い方とその多様性~

8月も残すところ、今日を除いてあと2日。日本の小中高は、早いところでは新学期がスタートし、大学・大学院は全体としては残り一カ月ほど、長期休みになっているところが大多数だと思われます。そういうスケジュールなためか、8月に引き続き、大きな学会の全国大会では9月開催にする団体も多いんだとか。毎年、会場となる大学や研究機関が異なる学会大会では、かかってくる交通費を考慮して、移動手段と合わせて交通系ICカードをどう選ぶか、というのも鍵となってきます。

 

そういうわけで、今回は交通系ICカードの話です。

 

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(画像:名古屋市営地下鉄等の交通系ICカードmanaca、出典:http://www.manaca.jp/type/index.html

 

 院生時代は毎年、研究室のメンバーで固まり、全国大会に出ていました。出張の多い先生方は、関東で大会があるときはSUICAJR東日本)を携帯し、関西であるときはICOCAJR西日本)にチャージするなど、交通系ICカードを使い分けておられました。

そのほか、九州だとSUGOCAJR九州)、北海道だとKitacaJR北海道)、東海地方だとTOICAJR東海)というふうに、地域ごとにJR各社で違う交通系ICカードが使われています。このJR系ICカードは、地方ごとに地元の自治体の交通機関や私鉄と提携して、途中で乗り換えると割引されるサービスが適応されるところもあります。そのためか、特定の地方や地域に調査や出張の多い先生や院生には、普段住んでいる交通系ICカードとは別に、頻繁に訪れる地域の交通系ICカードを所持し、使っている人もいるようです。

 

例えば、学部時代の同期で、京都の大学院に進学したQさん(日本人)。普段、Qさんは関西圏の移動なので、JR系のICOCAカード持ってました。今から十年近く前のこと、現在のように、自治体の交通機関や私鉄でも使えるものの割引サービスがなかったようで、京阪神の各自治体の交通機関、京阪、阪急、近鉄など私鉄と乗り継ぐたび、それぞれで切符を買っては乗り継いでいた。そんな感じだったそうです。

 

時間は経ち、2013年の春からでしたか、自治体の交通機関、関西の各私鉄でも各社の交通系ICカードが相互に使えるようになり、乗り継ぎ割引も始まったとか。先日、Qさんに会った際に聞いて見たところ、授業や研究会の重なった日で、いくつかの市町村を一日に移動する時は一回に3000円ずつチャージしては、神戸・大阪・京都・奈良あたりをバスや地下鉄、電車で移動しているとのこと。逆に、京都市内のあちこちを移動する予定の日は、交通系ICカードをチャージするより、500円の市バス一日乗車券ほか京都市交通局発行の磁気カードを買って、市バスや京都市営地下鉄を乗り継ぎ、交通費を節約していると聞きました。

 

 

 さらにQさん曰く、ほかの地域で使われている交通系ICカードも、2010年代に入ってから、別の地域の交通機関で使えるようになってきていて、以前より便利になったとか。

 

例えば、画像のmanacaは、名古屋市営地下鉄等で使える交通系ICカードです。以前、Qさんが名古屋市内の大学で学会大会があった時、カードの黄色いキャラクターが愛らしく、衝動的に名古屋駅の切符売り場で買ってしまったと言っていました。それっきり、Qさんは名古屋に行くことがなく、定期入れのICOCAの裏に入れたまま、京都に戻ってきたそうです。私と交通系ICカードの話をしてmanacaのことを思い出し、ためしに1000円をmanacaにチャージ。京都市バスで降り際に所定の位置にかざすと、使えた!という驚きを、わざわざ、メッセージしてきてくれました。

 

 

さて、こういったローカルエリアでしか使えない上、種類の多い交通系ICカードは、外国から来た人には使いにくいようです。曰く、どうして日本のチャージ式交通カード、そしてWAONPONTA等のプリペイドカードは多いんだ!一つにしてくれないと不便だ!とのこと。そういうわけで、日本での生活に慣れていない留学生、短期の在外研究で日本に滞在する外国人研究者には、交通系ICカードの仕組みは分かりにくいのかもしれません(実は、日本人にだって分かりにくいのですが…)。

 

確かに、東アジアだけでも、例えば韓国のソウル、台湾の台北では、日本の東京のように自治体の交通機関や私鉄は多くないようです。各市内の移動はバスや地下鉄がメインであり、使う交通プリペイドカードも1種類で済みます。ソウルだと、市内の移動では地下鉄を使うのに、T-moneyカードをチャージして使いますが、このカードは市内バスだけでなく、コンビニでの買い物でも使えます(ちなみに、釜山の地下鉄でも使えるようになったそう)。台北では、”悠遊卡”という交通プリペイドカードがあり、市内に張り巡らされた地下鉄に似た電車のMRTでの移動に、このカードが使われます(”悠遊卡”も、コンビニ等の買い物で使えます)。

あと、ヨーロッパの研究をしている先生によると、大体、交通プリペイドカードは1種類だそうです。

 

 日本各地に私鉄が多いというのは、近代に乱立した私鉄が、徐々に買収や廃止を繰り返し、現在の企業数や路線の数に至った歴史があるようです。近代史の中で、そもそも、交通インフラや商業システムの成立自体に関して、日本は他の国と異なるため、その歴史が交通系ICカードの多さに繋がっているのも、仕方がないと思います。

 

せっかくなので、日本の交通系ICカードの種類の多さを「多様性」と捉え、Qさんのように「小さな発見」をすることにより、移動の楽しみを増やすのはいかがでしょうか。

 

ここで、今回のお話はおしまいです。

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