仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

【ニュース】「お守り型キーホルダー(大阪大)単位掘り起こし、堅苦しさ払拭」(日本経済新聞)と「単位パン」の話

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<今回は大学の単位祈願グッズ特集>

 1.「この一品お守り型キーホルダー(大阪大) 単位掘り起こし、堅苦しさ払拭」(日経新聞

 

完全に趣味の話です。今回は、大阪大学のお守り型キーホルダーのニュース↓

 

キャンパス発 この一品お守り型キーホルダー(大阪大) 単位掘り起こし、堅苦しさ払拭
2017/6/14付

 

 大阪大学は昨年11月、お守り型のキーホルダー「単位スコップ」を発売した。学生が「地面に埋まっているほど単位が取りにくい」とぼやく授業の厳しさを、大学側が逆手に取って商品化。堅苦しいイメージを払拭する狙いがあり、学生たちに人気だ。

 

 キーホルダーは金属製。「単位」と書かれた小さな札が、大学のロゴが入った赤いスコップに磁石でくっついている。強力な「ネオジウム磁石」を使っており簡単には落ちない仕組みだが、油断すると「単位を落とす」こともあるという。

 

 SNS(交流サイト)上では「落としてしまった」と学生の悲痛な叫びが飛び交う一方、「誰かの“単位”を拾った」との報告も。自分用や学生間のプレゼントとして人気という。同大学内の生協で1個500円(税込み)で販売されている。

 

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 製作の背景には学生や受験生の間で広がる都市伝説がある。京阪神では単位の取りやすさを比較して「空から降ってくる京都大」「地面に落ちている神戸大」「地中に埋まっている大阪大」などといわれているという。同大学クリエイティブユニットの伊藤雄一准教授(情報科学)は「実際にオープンキャンパスなどでも高校生から質問がある。阪大は厳しいと敬遠されがちなところを逆手に取った」と話す。

 

 当初は非売品として、大学の広報活動に協力してくれた人へのお礼として配っていたが、学生の要望を受けて商品化した。今後は受験生や一般向けに、「合格」など張り替え用のシールの販売も検討している。伊藤准教授は「遊び心でお堅いイメージを払拭し、大学に愛着を持ってもらえれば」と話す。

 

(キャンパス発 この一品)お守り型キーホルダー(大阪大) 単位掘り起こし、堅苦しさ払拭 :日本経済新聞

 

 実は、この単位を掘り起こすスコップ、「都市伝説」のほうは噂では聞いていました。「京阪神では単位の取りやすさを比較して」、

  • 「空から降ってくる京都大」
  • 「地面に落ちている神戸大」
  • 「地中に埋まっている大阪大」

など、色々と言われていたのは、知っていました。ちなみに、京大の場合、単位取得祈願で近くの吉田神社にお参りすると、大学の試験に落ちるという話は、京大院生の知人に聞いたことがあります。私が勝手に思い込んでいるのは、吉田神社は学問専門の神様ではないこと、その知人の見解では、勉強すべき時に吉田山に登って遊んでいるから、きちんと勉強しない学生への戒めとしてこの話ができたこと、ということです。

 

阪大はもう一つ、単位は地面だけでなく、大阪湾の奥底に沈んでいるから、もぐって準備するくらい勉強しないと取得できない、という噂があります。

 

日経新聞の冒頭にもあるとおり、関西の大学の中でも、阪大は堅実で堅苦しいイメージがあり、おそらく、京大が自由の学風でやって来た分と、神戸大学が元商業系の部門から始まっているため、その結果、真面目な堅苦しい学風になってしまったんだと思います。ただ、単位スコップのグッズは、「強力な「ネオジウム磁石」を使って」いる反面、やっぱり向かっている方向が「お笑い」だなぁ、とは感じました。

 

 

2.「単位パン」の話 ~再び「生協の白石さん」登場~

ところで、大学生の単位取得祈願のグッズ化希望は東西を問わないようで、数年前には、東日本の大学生協を中心に、「単位」と刻印されたクリームパン、その名も「単位パン」が発売されたそうです:

www.univcoop.or.jp

 

単位パンとは一体、どのような経緯で発売されたのか?詳しくは、こちら:

www.itmedia.co.jp

 

2015年01月21日 17時26分 更新

「ここまで話題になるとは」――大学生協「単位パン」人気に「生協の白石さん」もびっくり 実際に食べてみた

「ここまで話題にしていただけるとは」――「生協の白石さん」こと法政大生協小金井店の白石店長は、「単位パン」のネットなどでの反響に驚く。白石さんの「ひとことカード」も健在だ。

[岡田有花ITmedia]

 「ここまで話題にしていただけるとは、想定していませんでした」――ベストセラー書籍「生協の白石さん」(講談社、2005年)で知られる、法政大生協小金井店(東京都小金井市)店長の白石昌則さんは、「単位パン」の反響に驚きを隠さない。

 

 単位パンは、大学卒業に必要な「単位」の焼き印が大きく押された円形の平らなクリームパンで、首都圏を中心とした大学生協の売店で1月13日~23日の2週間、限定販売している。「単位を売ってほしい」という、大学の期末ならではの要望に生協が全力で応えた商品で、ネットなどで話題を集めて人気商品となり、連日売り切れが続いている。

 

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 同店を取材した1月21日も、記者が滞在した数十分ほどの間に何人もの学生が買っていき、人気の高さがうかがえる。「単位ヤバいんです。今から試験なんで、単位パンに賭けて頑張ります。これで単位、完璧ですよ!」――単位パンを購入した1年生の女子学生はこう話し、試験に向かっていった。

 

 単位パンの企画は大学生協の商品会議で行われ、白石さんも参加していた。「商品化にあたり、当初の想定は袋に『単位』と印刷した、表面が無地のパンでした。しかし、メーカーさんが気合を入れ、焼印用のこてを作成し、7秒に1個のペースで丁寧に粛々と、手押ししてくれることになったのです」などと、同大生協の公式Twitterで企画時のこぼれ話を明かしている。

 

 同店での発売する際、「変わり種商品なので、売るからにはちゃんとプッシュしよう」と特設売り場で大きく展開。初日は100個が約3時間で完売したという。その後もTwitterやテレビで話題になり、同店だけでなくほかの生協店舗でも売り切れ続き。工場で増産しているが、人気に追いつかない状態だ。

 

 同店の単位パン特設売り場には、湯島天神の学業成就のお札がうやうやしく飾られている。「せっかくなので縁起の良い商品にしたい」との思いで、発売前に単位パンの焼き印を携え、学問の神様・湯島天神(東京都文京区)にお参りに行ったという。

 

いざ実食! 結構おいしい

 記者も同店で「単位パン」を購入し、実際に食べてみた。108円(税込)と「人間の煩悩の数と同じ」(法政大生協のPOPより)お手ごろな価格。「パンがぱさぱさしている」という前評判を聞いていたため、正直なところ味にはあまり期待していなかったのだが、これがなかなかおいしかった。

 袋を空けた瞬間ただようパンのいい香りに食欲をそそられ、口に入れると、水分の少ないパンと、とろっとしたクリームがマッチする。クリームはバニラの香りで甘すぎず、しっかりとした生地は手で持って食べやすく、試験勉強のお供に良さそうだ。クリームは均等に入っており、頭からしっぽまでしっかりあんこが詰まった鯛焼きを食べたときのような満足感が得られた。

 

「単位売って」――白石さんの「ひとことカード」健在

 白石さんは、東京農工大学生協職員だった2005年当時、学生などが生協への要望を書き入れるアンケート用紙「ひとことカード」に寄せられた質問にウィットに富んだ返答を返し、それがブログにまとめられてネットユーザーの間で話題に。白石さんの返答をまとめた書籍「生協の白石さん」は93万部を発行するベストセラーとなった。

 

 法政大生協小金井店の店長には2013年7月に就任。多忙な店長職をこなしながら、時々「ひとことカード」に回答している。「入荷リクエストの回答などは、スタッフのほうが詳しいので任せていますが、たまに来るそれ以外のカードは私に回ってくれば回答しています。農工大のころとは違いますね。当時は注目されている前提で書いていましたが、今はそういう感じではなく、私のことを知らない人も多いので。それぐらいがちょうどいいですね」

 

 同店の「ひとことカード」コーナーには、「単位売ってください」という質問も張り出されていた。昨年7月のもので、白石さんはこう答えている。

 

 「ご要望ありがとうございます。仮にリクエスト通り、当店が単位を販売したら、

  • ドントラフさま(質問者)……退学
  • 生協……大学から追われる

このようによこしまな売買がそのまま、お別れの売買となってしまいます。そんなのは嫌だ。お互いもうしばらく、大学に居続けましょう」

 ――後に「単位パン」が開発され、大学に追い出されずに生協で単位が販売できるようになるとは、当時の白石さんはまだ、想像していなかったようだ。

「ここまで話題になるとは」――大学生協「単位パン」人気に「生協の白石さん」もびっくり 実際に食べてみた (1/2) - ITmedia NEWS

 

かれこれ、十数年前、東京農工大学大学生協の一言カードで、ウィットに富んだ返答をする生協職員・白石さんのやりとりをまとめた本が出版され、ヒットしました:

 

 

一言カードのい要望には、とにかく「単位を置いてください!」が最も多いようで、白石さんによると、要望のランキングのトップ3に入るほど。時を経て、授業単位ではないけれど、試験勉強を頑張る学生への応援グッズとして、白石さんを含むスタッフが湯島天神に「単位」の焼き印(押すほう?)をお参りしまして、文字通り、単位取得祈願のお守りとして、「単位パン」は発売されたのでした。

 

そして、2015年1月に、「62の大学生協、129店舗にて販売、2週間で30,000個 販売し完売しました」と、単位パン 大学生協の商品開発|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)で報告されました。

 

ビミョーに販売圏外に在住していた私は、「単位パン」を買いに行くことができず、今日まで来てしまいました。ぐすん…。

 

 

3.最後に

そういうわけで、今回は大阪大学の単位掘り起しのスコップ型お守りキーホルダーと、東日本中心に大学生協で発売された「単位パン」の話題でした。

 

阪大のお守りキーホルダーは販売中ですので、行く機会があれば、欲しいなぁ。「単位パン」のほうは、完売とのこと。クリームパンを買ってきて、チョコペンで「単位」と書いて、代用品を作ろうかと考えましたが、やっぱり、湯島天神様の祈願には叶いません…(単位というよりは、査読論文の掲載合格を祈願したいところです) 

 

そうそう、今回、紹介した以外の単位取得祈願のグッズで、各大学のオリジナルグッズがありましたら、ぜひ、教えてください!よろしくお願い致します。 

 

 

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