仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

【ニュース】「大学、資金を共同運用 基金設立、私募投信に5法人参加へ」(日本経済新聞)

本日お届けするのは、大学の運営や研究にかかるお金のニュースです:

www.nikkei.com

 

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大学、資金を共同運用 基金設立、私募投信に5法人参加へ
2017/7/4 1:31

 

 一般社団法人、大学資産共同運用機構(清成忠男理事長)はこのほど「大学共同基金」を設立し、大学マネーの運用を始めた。学費収入や寄付金が伸びないなか、大学にとって資金運用の重要性が増している。プロの運用機関を活用することで、効率的な資金運用を目指す。

 

 大学に経営助言するIBJ(東京・港)が投資について助言したうえで、GCIアセット・マネジメントが大学向けの私募投信を運用する。すでに1大学の運用を始めており、今秋までに5つの学校法人が参加する予定。運用総額は30億円強になる見通しだ。

 

 運用資産の資産構成は株式10%、債券15%で、上場不動産投資信託(REIT)や海外ヘッジファンドなど代替資産が7割強を占める。外貨建て資産はすべて為替をヘッジ(回避)し、為替リスクは取らない。コスト控除後で年5%程度の収益を目指す。

 

 少子化の進展で大学の財政運営は厳しさを増している。追い打ちをかけたのが長引く低金利。清成氏は「小さな私立大学が運用の専門性を磨くのは限界がある」として2012年から共同運用の重要性を唱えてきた。

 

 大学資産共同運用機構は米国で2兆円強の大学の資金を共同運用する「コモンファンド」への運用委託など連携を探ってきた。ただ、コモンファンドは5000万ドルを預け入れの下限に指定してきたため、共同運用を始められなかった。

大学、資金を共同運用 基金設立、私募投信に5法人参加へ :日本経済新聞

 

ニュースを読んでいて、「一般社団法人、大学資産共同運用機構」なる組織があることを、私は初めて知りました。で、本筋はその機構が設立した「大学共同基金」で大学マネーの運用を通じて、「学費収入や寄付金が伸びないなか、大学にとって資金運用の重要性が増して」いるため、効率的に資金を増やそうとしていることのようです。

 

基金を設立した大学資産共同運用機構の清成氏は、小規模な私立大学の生き残りのためにも、共同運用によって資金運用の重要性があると2012年から提唱していました。

 

この共同基金での運用は、

大学に経営助言するIBJ(東京・港)が投資について助言したうえで、GCIアセット・マネジメントが大学向けの私募投信を運用する。すでに1大学の運用を始めており、今秋までに5つの学校法人が参加する予定。運用総額は30億円強になる見通しだ。

大学、資金を共同運用 基金設立、私募投信に5法人参加へ :日本経済新聞

ということで、プロの腕を借りて、既に投信が1大学で始まっているようです。

 

大学の資金運用に関して、ネットで検索したところ、次のようなまとめや、記事が出てきました。いずれも、「2008年9月のリーマン・ショック後、デリバティブ取引によって資産の運用を行っていた多くの私立大学が解約等により多額の損失を出した」事例を扱っています。大学の資金運用は、かくも難しいものなのですね。

 

大学の資金運用失敗のその後
2008年9月のリーマン・ショック後、デリバティブ取引によって資産の運用を行っていた多くの私立大学が解約等により多額の損失を出した。とくにその後の動向をまとめることを目的にこの「まとめ」を作成した。 更新日: 2013年12月10日

matome.naver.jp

 

大学経営における資産運用のリスク
2009年05月25日 

駒澤大学が資産運用で始めた「金利スワップ」と「通貨スワップ」といったデリバティブ取引で、昨年150億円超の損失を出したことがマスコミ各社で報じられた。

www.jri.co.jp

 

かつて金融機関に勤務した経験があり、北米の大学で学び、研究していた経験のある櫻田大造氏は、次の本で北米の大学においても、資金の運用はプロに任せているものの、増やすことは容易ではないと触れていました:

 

 

今回の共同基金による資金運用は、「今秋までに5つの学校法人が参加する予定。運用総額は30億円強になる見通し」ということで、一市民の私には想像のつかない額です。

 

学部や院にいたとしても、大学の上層組織に属していない限り、大学の教職員は資金の運用に口を出せるわけではなさそうで、学生に至っては、まったく知らないところで、大学の大きなお金が動いているわけです。そして、失敗して大損となってはじめて報道されることで、世間、その大学の教職員や学生たちにも知られるのではないでしょうか。そして、資金運用失敗によるダメージは、大学で働き、学び、研究を行う人たちに直接、かかってくるわけです。資金運用の詳細を知らかった彼らに、痛みがともなう。

 

投資と言うのはギャンブルであると言われますが、今回のニュースを読み、大学の資金運用をする金融機関、それから各大学上層部の方々は、賭けにこけてしまった時、どのようなダメージが部下の教職員、それから学生たちの大学生活に具体的に表れるのか。具体的な計算までしてから、くれぐれも慎重に行けるところは進んで頂くべきだと、考えました。

 

 

 

 

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