仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

博士論文を「読んで」と子どもが求めた話~「そこも読まなきゃダメなの!?」5歳の娘に読み聞かせたら…」(grape)ほか~

<博士論文を読み聞かせる父親の話>

1.はじめに

9月も下旬に差しかかってきましが、皆さま、お風邪など召されていませんでしょうか。寒くなってくると、暖かいお布団に包りたくなる人もいらっしゃるではないでしょうか?お子さんのいるご家庭では、本の読み聞かせを眠る前にされるところもあると思います。

 

今回のお話は、夜眠る前に、お子さんの本の読み聞かせに関わる話題です:

grapee.jp

 

grapeのニュースによると、「5歳の娘を持つ、大学院非常勤講師の水田孝信(@takanobu_mizuta)さんは、金融関係の専門的な研究をしています」。先に詳しく書いておきますと、 水田さんのtwilogの2017年08月20日のツイートで、娘さんが読んでほしいと持て来たのは、何と「昨日今日と」水田さんの「博士論文を持ってきた」そうです。さて、自らの博士論文を手に、どのくらいの期間かけて、水田さんは娘さんに読み聞かせるのにかかり、娘んさんは、どのような反応をされたのでしょうか?

 

本記事では、grapeのニュースと水田孝信さんのtwilogをもとに、将来、親になって子育てをしているなかで、自分の論文を子どもに読み聞かせられることになったことを考えて、どういったことが起こるのか、見ていきたいと思います。

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2.「「そこも読まなきゃダメなの!?」5歳の娘に読み聞かせたら1か月かかった」(grape)から見る話の概要~

まずは、grapeのニュースを読んで概要を確認していきましょう。

 

「そこも読まなきゃダメなの!?」5歳の娘に読み聞かせたら1か月かかった

2017年9月19日

 

子どものころ、寝る前に「本を読んで」と親にお願いしていたことはありませんか。

 

「お気に入りの絵本があった」「読み聞かせしている最中に親が寝てしまった」など、微笑ましいエピソードも聞く話題です。ただ、中には頭の痛くなるような読み聞かせもあるようで…。

 

読み聞かせる本じゃない!

 

5歳の娘を持つ、大学院非常勤講師の水田孝信(@takanobu_mizuta)さんは、金融関係の専門的な研究をしています。

 

一般的な人にはなじみがなく、説明を受けてもピンとこない研究。しかし、娘さんは就寝時の読み聞かせに、水田さんの博士論文を「読んでほしい」とねだってきたのです!

(「そこも読まなきゃダメなの!?」5歳の娘に読み聞かせたら1か月かかった – grape [グレイプ])

ここで一回、仲見のコメントをはさみます。金融関係の専門的な研究に加えて、水田さんはTwitterのプロフィールから、「人工知能学会金融情報学研究会幹事」であり、博士(工学)ということから、金融工学の分野でAIを使った研究をなさっていることが窺えます。その博士論文となると、私も専門外です…。

 

この記事が書かれたのは、今月19日です。先ほど、水田さんのtwilogで再確認したところ、8月20日に「5歳の娘は、寝るときに読んでもらう絵本をいつも自分で選んで持ってくるが、昨日今日と私の博士論文を持ってきた。さっぱりわからないハズだがちゃんと聞いている。今日はこの文献を引用して、金融とは何か、価格発見と流動性の重要性を書いた章」とありました。

 

ちなみに、博士論文の審査発表会の資料は次のものだそうです:

docslide.net

 

うーん、私には、やっぱり分からない。さて、その後、読み聞かせはどうなったのでしょうか。

 

幼い娘さんの好奇心に付き合い、1か月にもわたり博士論文の読み聞かせを行った水田さん。論文の最後で感謝の言葉を述べる謝辞には、娘さんも登場したため、とても興奮気味に話を聞いてくれたそうです。

ようやく論文の読み聞かせから解放されるのかと、ホッとしたのも束の間…娘さんからこんなひと言が!

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そこも読まなきゃダメなの…。

文章ですらない参考文献も聞きたいという、娘さんのあくなき好奇心に頭が下がります。

 (「そこも読まなきゃダメなの!?」5歳の娘に読み聞かせたら1か月かかった – grape [グレイプ])

一ヶ月ほどかけて、やっと謝辞までたどり着いたと思ったら、構成上、次は英語や参考文献の音読が始まるようです。

 

謝辞と言えば、私も先生方から先輩方、学会でお世話になった方々、実家の人たち、そして相方のことも書きました。大学院生や研究生・研修生の出てくる漫画_理系編その3(理工学編)~高世えり子『理系クン』:後編~ - 仲見満月の研究室の「4ー4.交際相手が異分野の人だからこそよかった」にも、理系クンことN島クンが恋人だった高世えり子さんの名前を入れていたことがありました。

どうやら、先に就職して、働いた後か、働きながら、大学院に入って結婚→出産・育児しながら博士論文執筆と博士号取得となったパターンの水田さんは、博論を提出する時にはお子さんが生まれていたようです。そういうわけで、お子さんの存在が博論の励みになったという意味で、謝辞に娘さんのお名前をいれたようです。そりゃ、5歳の私だって、読み聞かせの本に自分の名前が出てきたら、興奮しますでしょう。 

 

 

3.ネット上の反応と博士論文の読み聞かせは英才教育になるのか?

さて、博論の読み聞かせで、英語の部分や参考文献のページの音読に突入することになった水田さんに対し、ネット上とgrapeニュースの編集部から次の反応がありました。

「これは英才教育、もしくはすでに天才」「私は落語を読み聞かされました」と、読み聞かせにまつわるコメントが寄せられました。

 

5歳にして論文をねだる娘さん。これから先どんなことに興味を持つのか、いまから将来が楽しみです。

[文・構成/grape編集部] 出典 @takanobu_mizuta

 (「そこも読まなきゃダメなの!?」5歳の娘に読み聞かせたら1か月かかった – grape [グレイプ])

 

読み聞かせを受けた娘さんのリアクションは、 水田孝信さんのtwilogから色々と見えてきます。理解しているか、どうかは別として、好奇心の強さは窺えます。

 

(水田孝信さんのtwilogより再構成)

 

間で、「博士論文のここが稚拙だった」と反省する水田さんの研究者としての反応も見えて、なかなか、読んでいて面白いツイートの数々でした。

 

その他にも、娘さんは「無限大足す無限大」の意味を父親に尋ねて、水田さんがあるサイトをもとに説明後、母親である奥様の説明も足して、娘は何となく分かるようになったらしい、といったツイートがあります。研究者同士のご夫婦で、どちらも数理系の研究をなさっていたとしたら、それこそ、直ちに英才教育にはならなくても、学びのベースは作られていくのではないかと思います。

 

 

4.まとめ

よく「先生の子は先生」になると言われますが、何ゆえか研究者にもそのことは言えることがあります。水田孝信さんのような、自宅にあった本で、お子さんが手に取れる位置に博士論文や、学術書があって、読み聞かせることにってしまった…。幼少期、様々な金融工学の用語は分からなくても、覚えやすい「ダークプール」といった響きだけ、何となく覚えてしまう。成長してから、自分で調べられるようになって「そういえば、この言葉はどういう意味だったっけ?」と自ら調べる。

 

ますます、気になって勉強しているうちに、自然とその研究分野の道へ入っていってしまう。気がついたら、大学院まで行ってしまっていた、何ていう旧帝大出身の父方と母方の祖父、両親を持ち、博士号まで取得するのに抵抗がなかった。という人は、探せば、私より一回り上の年齢の職業研究者にはたくさん、います。

 

思いますに、英才教育には、いくつかパターンがあって、水田さんのお家のように、娘さんが手に取れる位置に博士論文を置いていたがため、翌日に響きのよい、耳に残る形で娘さんが用語を暗唱し始めてしまった、という学術的な道具が身近に置いていある環境が影響する場合があるかと。私の場合は、日中国交樹立20周年記念のころで、中国関係の旅行特集を組む雑誌が実家にあり、幼少期、その写真を見ては「広い広場に、おじさんの絵のかかった門がついている場所がある国があるんだ」くらいの印象でした。成長して、その広場が天安門広場であり、おじさんは毛沢東であることを理解したのは、中学生になってからでしたが…。

 

そういうわけで、職業研究者でお子さんのいらっしゃる皆さん、ご自身の博論を読み聞かせたくなければ、お子さんに見つからない場所に博論をしまいましょう。読み聞かせはしても、茨の道の職業研究者の進路を歩かせたくなければ、ご自宅の模様替えを行って、専門書がお子さんの手に届かない場所にいくようにしましょう。

 

逆に、お子さんに環境的な英才教育のベースを作るには、水田さんと同じように、読み聞かせ本に博論を選べるくらいの環境を作っておくところが、スタート地点になるくらいが、いいのかもしれません。

 

そうはいっても、親の思うように子は成長するとは限りませんし、子の人生は子のもの。水田さんのお家の例は、「こんなパターンもある」くらいのエピソードとして、覚えているくらいが、ちょうどよいと思います。おしまい。

 

 

 <読んでみたい、親子で楽しめそうな日常の科学の疑問に関する本>

 

 

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