仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系のなかみ博士が研究業界の問題などを幅広く考えるブログ

駆出しの気候学者、英国で大学教員初任となる:その2(採用試験・初任編)~「伝える」をいうことを僕に教えてくれたイギリスと21人の生徒たち」(現代ビジネス )~

<今回はニューカッスル大学での日々>

3.前回までのお話

naka3-3dsuki.hatenablog.com

上記リンク記事の前回は、現在、立命館大学の中川毅教授が、ご著書『人類と気候の10万年史』の講談社科学賞の受賞を記念して、2013年まで約10年半赴任していたイギリスのニューカッスル大学で過ごしたうち、新米時代を中心に体験談の寄稿記事:

「伝える」をいうことを僕に教えてくれたイギリスと21人の生徒たち(中川 穀) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

をもとに、研究者の生き方を考える目的で、書きました。

 

シリーズの始まりの前回は、日本で学位取得後、有期雇用の職を転々としていた中川さんに英国での大学ポストに挑戦する話が舞い込むものの、日本でアカポス求人に20回も落ちたことに加え、未知の欧州に行って研究指導と教育を行う不安がった英国渡航前後の話をしました。表現を読んでいると、魯迅の「故郷」と彷彿とさせるものが私には感じられました。

 

今回は、いよいよ、採用試験、そして初めて持った授業に関するお話です。まずは、受からないと働けない、ニューカッスル大学での採用試験のお話です。果たして、一発で合格できるのか。そして、初任の授業はどのようなものだったのか。日英の大学教員の養成システムの違いにもコメントしつつ、掲載元の『現代ビジネス』のオンライン記事を読んでいきたいと思います。

 

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4.駆出しの気候学者、ニューカッスル大学で教員の採用試験を受ける

日本の大学教員の採用試験について、書類選考後に課される選考プロセスは、あまり一般には知られていません。今回は、中川さんが英国のニューカッスル大学で受験した、教員の採用試験をもとに、詳しくその内容を見ていきましょう。

 

 4-1.様々な不安

■僕と面接官との間の「深い溝」

イギリスで直面した最初の大きな壁は、英語で講義をすることだった。当然のことだが、大学の教員である以上は学生を相手に講義をしなくてはならない。だが私はそれまで、イギリスはおろか英語圏ですら教育を受けたことがなく、授業のスタイルも採点の仕方も、学生との接し方も、イギリス流がどのようなものかまったく理解していなかった。

 

そもそも私は、英語に対して明確な苦手意識を持っていた。国際学会などで英語の発表をしたことはあったが、それらはせいぜい15分程度の短いトークであり、2時間に及ぶこともある大学の講義は、私にとってまったく別次元の挑戦だった。

(「伝える」をいうことを僕に教えてくれたイギリスと21人の生徒たち(中川 穀) | 現代ビジネス | 講談社(2/3)

まず、海外から採用試験を受けに来た挑戦者にとって、第一関門は言語を操って授業ができるか、否か。ということが言われます。加えて、大学のカルチャーは国や地域、土地柄と密接な関係にあるようで、中川さんと同じような立場だった東洋建築学研究者の元専業非常勤講師の先生は、台湾の大学で採用試験を受けた時、「模擬授業に加えて、学術講演会のリハーサルみたいな面接試験があって、非常に緊張した」と仰ってました。その後、その先生は台湾のその大学で助教の職をゲットなさいましたが。

 

*この続きは、note.mu版の次のコンテンツ:

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もしくは、2018年5月20日に発行予定の『なかみ博士の気になる学術系ニュース』2018年5月 春号でご覧ください。

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