仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系のなかみ博士が研究業界の問題などを幅広く考えるブログ

社会学系の女子修士院生の就活実例~「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル(Business Insider Japan)

<本記事の内容>

1.はじめに~前提に研究がイメージしづらい「社会学系」がある~

たくさん、はてなブックマークとコメントの付いた、Business Insider Japanのオンライン記事がありました:

www.businessinsider.jp

 インタビューされているのは、「関西在住の国立大学の大学院修士2年、島本渚さん(23、仮名)。大学院では社会学系を専攻しているという」方です。島本さんが社会学系の修士卒で、就活に苦戦している姿は、このオンライン記事のタイトルに入っている「女子」という要因以上に、高学歴かつ文系修士卒見込みであるという点にあるのではないか。という指摘が、はてなブックマークのコメントにありました。私も、そう思ってしまったのは、正直なところです。

 

島本さんは大きく「社会学系を先行している」と言いますが、その枠は広く、経済地理学に近くて数字を扱うところ、心理学、教育学、ジェンダー論や哲学に近いところまで、様々です。その「何でも屋」っぽい幅の広さは、古市憲寿さんが次の本で、「○○社会学」の先生方に質問しまくっている様子からも、窺えます:  

 

古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書)

文系と言っても、人文科学系よりは修士卒で就職しやすいかと言うと、このブログを書き始めてから、社会学系の中でも数字を扱う理系に近い心理学の一部の分野、経済学、やり方次第の法学(最近は弁護士余り問題がある)については、しやすいと私は考えていました。しかし、社会学に話を絞ると、私は幅が広すぎて、「○○社会学」の社会学系となってしまうと、何を研究しているのか、分からない不安を感じてしまいます。就活では、例えば、採用したい側のイメージがつかなさすぎたり、就活生自身も言葉で研究や学問の頑張りをアピ―ルしづらかったり、他の実学的な社会学系の分野に比べると、PR対策をよく練らないと採用に結びつくにくい苦労はあるんじゃないでしょうか。

 

そういった実学以外の「ぼんやりとして説明しづらい」社会学系の修士卒見込みという、私の雑感に加えて、島本さんには、

  • 採用選考を受けた先が、学歴や女性に対して「問題のありそうな」ところだった
  • 就活のやり方を変えたところ、モチベーションが出てこない業界をエージェントにすすめられることになった

という、文系院生の女子の就活では、けっこうありそうな話が出ていました。

 

そこで、今回は島本さんのインタビューを通じて、一部は人文科学系の院生にも通じる、文系修士卒見込みの院生の就職活動について、見ていきたいと思います。

 

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2.「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル(Business Insider Japan)を読む

  2-1.「編集部に届いた一通のメール」から始まったインタビュー

まず、オンライン記事で重要となる冒頭を見てみましょう。

 

「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル

滝川 麻衣子 [Business Insider Japan]
Oct. 19, 2017, 11:00 AM

 

JR大阪駅近くの外資系ホテルのラウンジに向かうと、約束の時間より早く到着していたその女性は、こちらに気づき立ち上がって軽く会釈した。関西在住の国立大学の大学院修士2年、島本渚さん(23、仮名)。大学院では社会学系を専攻しているという。


すらりと背が高く、ゆるやかに巻いた黒髪に上品な顔立ちで、23歳という年齢よりも落ち着いた雰囲気だ。


彼女と会うきっかけは、編集部に届いた一通のメールだった。


「私が就活で感じた違和感について少し納得することができました」


女性の就活についてのBusiness Insider Japanの記事への感想とともに就活そ体験が綴られていた。その体験はもとより、丁寧かつ論旨の通った文面に表れる切実さが気になり、会えないかと連絡をとったのだ。

「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN

関西在住、国立大学の大学院の修士課程2年で、島本さんは、「女性の就活についてのBusiness Insider Japanの記事への感想とともに就活体験」を、「丁寧かつ論旨の通った文面」で綴っていました。おそらく、今回のオンライン記事の筆者・滝川さんに「切実」さを感じさせるほど、キリっとしたメールの書ける人。それが島本さんの身につけた優秀さであり、滝川さんの気を引き、インタビューにこぎつけさせた結果につながったのでしょう。

 

次に、島本さんが就活を始めた経緯や、進路に対する考えが伝えられます。

「研究職や非営利団体での活動も考えましたが、一度、民間企業で働いてみようと思いました」


修士1年目にあたる2016年秋、島本さんは就職活動を始めた。「グローバルなものづくり企業」を軸に志望企業を選んだ。


有名国立大学の院生、学部時代の留学経験、落ち着いて論理的に話す様子、しかも大卒の就職内定率は97%超(2017年度卒)という売り手市場。島本さんの就活は問題なさそうに思える。しかし、今月の内定式まで約1年にわたる就活体験は、第一印象からの想像とは違ったようだ。

「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

どうやら、島本さんは一度、民間で働いてから「研究職や非営利団体での活動」を考えていたようです。何だか、私の後輩で地方公務員に修士卒でなり、社会人枠の博士課程で研究の世界に戻ってこようと考えていた人を思い出しました。実際、文系の修士卒者には、社会人経験を積んでから、研究職を目指すべく博士課程に入学したり、それからNPOなどの非営利団体に転職したり、そういった人も少なくないようです。

 

ところで、民間企業にもいろいろとありますが、インタビューを読んで最初に疑問符が浮かびました。「「グローバルなものづくり企業」を軸に志望企業を選んだ」と島本さんは答えたようですが、どういったところを選んだんでしょうか?外資系も含めた、メーカーでの就職を希望していたということでしょうか?

 

そのあたりは、明確にはわかりません。しかし、島本さんの「学部時代の留学経験、落ち着いて論理的に話す様子」に加え、「大卒の就職内定率は97%超(2017年度卒)という売り手市場」のなか、島本さんの就職活動は甘くなく、彼女が思い描いていたものと離れていたようでした。

 

 2-2.島本さんの見た就職活動の実際

ここからは、実際に島本さんがお話された就活体験を筆者の滝本さんがまとめたものを、紹介していきます。

 

「性差別するつもりはないんだけど」
「大学院ねえ。そんなに勉強してどうするの」

手元の資料を眺め、そう話す男性採用担当者(メーカー)の言葉に一瞬、面食らった。複数企業が参加する、スカウト式の就活イベントの面接でのことだ。


大学院への進学をしたいと親に話した時も「やりたいことがあるならやればいい」と、背中を押してもらった。大学院の同級生や周囲の友達も、勉強熱心だ。就活スタートでのっけから、学歴について否定的なニュアンスで語られるのは意外だった。


その違和感は、その後もつきまとうことになる。

「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN) 

メーカーだと、研究・開発の理系の研究職でなければ、例えばマーケティングの研究をする大学院だったり、開発しているものと直結する商品シリーズがあったり、そういうことがない限り、文系の修士卒見込みで就活する学生には、島本さんにかけられた言葉のとおり、採用人事の人の態度は、冷たいかもしれません。

 

スカウト式のイベントだったそうですから、声のトーン次第では、「この修士卒の院生は、採用側がよく理解できないものに対して、大学院に行って研究するくらい、情熱を傾けた、その先をどうしようかと、きちんと考えているのか?」という、厳しい問いかけという意味を含めて、したのかもしれません。同じ質問は、かつて私が通っていた教員採用試験や公務員採用試験の対策をしている予備校の模擬面接においても、講師の先生方から発せられた言葉に似ています。

 

やはり就職は厳しい文系大学院生~修士の院卒者の場合~ - 仲見満月の研究室の最後にも書かれていましたが、採用側は、修士課程に行った2年間でその学生が得たものについて、きちんと選考で説明できるかが、重要なポイントだと言っています。加えて、2年間で得たものを、これからどのような形で生かしていきたいのか、という展望を聞きたいと望む企業もあるのでしょう。

 

 

続いて、「女性に対して「問題のありそうな」ところだった」企業についてのお話です。島本さんは次のように、振り返ります。

 

就活初期は、面接や試験に慣れる意味で専門商社、素材メーカー、ベンチャー企業を、企業側から大学への直接採用ルートからは本命の大手ゼネコンや国内自動車メーカーを受けた。

 

転勤も海外赴任も望むところだったので、総合職でエントリーした。選んだ業界のせいもあるのか、周囲は男子学生ばかりだった。


男性ばかりの職場で働くことも織り込み済み。だから、女性がほとんどいない採用の現場にも違和感はなかった。


ただ、就活初期に受けた専門商社の1日インターンでのこと。順番に学生側が自己紹介をする場面で、自分の番になると面接官は「ふーん」と言ったきり、話が弾まない。

 

「声が大きく元気な、大学在籍の男子学生が話すときはニコニコと歓迎されているのがあからさまで。自分は興味をもってもらえていないな、とすぐに分かりました」

「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN

選んでいるところが、島本さん自身が書いていらっしゃるように、総合職だと男性が多数を占めやすいところを選んでします。もしくは、性別関係なく、理系研究職が欲しいところに突っ込んでいて、島本さんのやる気には頭が下がりますが、厳しい現状をハッキリ言うと、雇用側はミスマッチだと思い、興味を持たれない反応をされても、仕方なかったと思います。

 

ミスマッチだと雇用側が感じていたのは、島本さんを拒否するような発言をしていたからです。

自分の考えをきちんと話したつもりでも、「性差別する気はないんだけど、あなた、考え方が男性っぽいよね」なんで長く働きたいの?」(ベンチャー)と、想像していたような質問とは、およそ程遠い反応が返ってくる。

世代の近い社員に学生が話を聞くグループ面接(専門商社)では、20代の若手社員に「ライフイベントを経ても働き続けていきたい」と話すと、「ライフイベントって?」と聞き返された。「出産や子育てです」と答えたが、男子学生の中で確実に浮いている空気を味わった。

ゼネコンは差別的とこそ思わなかったが、面接は事実上「男社会だけれど大丈夫か」の確認作業なんだと感じた。

素材メーカーの面接で「はっきり言って、頭良すぎていらないんだよね」と言われたときには、「受かるワケがない」とさすがにショックだった。

「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN

 そう、島本さんが望んだ企業は、男社会で成り立つところ。専門商社のグループ面接で、「20代の若手社員に「ライフイベントを経ても働き続けていきたい」と話すと、「ライフイベントって?」と聞き返された。「出産や子育てです」と答えた」やり取りを聞いただけで、私は面接をする若手社員の上には、ガッチリとしたホモソーシャル的なカルチャーが当たり前の管理職の男性社員たちが多数を占めているんだろうか、という想像をしてしまいました。ゼネコンで島本さんが感じた「「男社会だけれど大丈夫か」の確認作業なんだ」は、まさにその通りです。

 

極めつけの「素材メーカーの面接で「はっきり言って、頭良すぎていらないんだよね」と言われた」ことは、完全に島本さんを含む文系の女子修士院生を追い払うための言葉として、もっと言えば、セクシュアル・ハラスメントとして受け取ってもよい、と私は思いました。果たして、その素材メーカーの採用担当者の方は、理系の修士修了見こみの研究職志望者の女子院生にも同じこと、言えるのでしょうか?会う機会があれば、私は直接、訊いてみたいみたいです。

 

決定的な拒否の言葉を面接で言われても、島本さんは踏ん張りました。

 

6月に入り、内定が解禁されても、違和感を飲み込みつつ就活を続けた。


大手ゼネコンや自動車メーカーで、最終面接やその一歩前まで進んでいたので「どこか一つくらいは」と期待していた。ところが軒並み内定には至らず、最後の1社から連絡が来るはずの日から1週間が立つと、さすがに焦りを感じた。


「自分はもしかして負け組なのかもしれない」

 (「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN

負け組というよりは、社会学系の院生が、畑違いだとして、拒否してくるメーカー業界にミスマッチな就職活動を挑んでしまった、というのが現実だと私には感じられました。

 

 2-3.「あなたの学歴ではもったいないよ」の一言は日本の世間の代弁

就活で踏ん張り続ける島本さん、「「国立大学院の文系女子なんて、生意気に感じるんじゃないの?」大手メーカーで働いてきた母親にはそう言われた」と続きにはありますが、 そのくらい、男社会だったメーカー業界の採用担当者たちに、そう思った人がいたとしても不思議ではありません。その前に、メーカー業界に挑戦する娘さんに、もっと早い段階でアドバイスしてあげて欲しかったです、このお母さんには…。

 

さすがに、拒否され続ける就活の今までのやり方に対し、島本さんは就職活動のやり方を変更しました。

 

「わらをもすがる思い」で、第二新卒の求人を扱うベンチャー系のエージェントを訪ねた。


「グローバルとものづくりで探している」と話すと、担当者が出してきた企業は、回転寿司チェーンと中古車販売。


「その企業を否定するわけではないのですが……。わたしは何のために大学院に行ったんだろう……と、さすがにショックでした」

「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN

「グローバルとものづくりで探している」ところを探すと、エージェント会社の担当者が、島本さんにとって、モチベーションが出てこない業種である飲食業の回転ずしチェーンと中古車販売をすすることになったようです。

 

料理好きか、車好きな人である。あるいは、「こう売り上げを伸ばしたい!」といった方向にやる気を出せる人であれば、自分の学歴を気にしなくても、選考を受けに行けたでしょう。しかし、島本さん、あまり興味のない業界だったのでしょう。やけくそで内定しても、就社前後の研修からストレスになるパターンがあるようですし、島本さんが嫌なら、そこは断ってもいいと思いました。

 

合わせて、島本さんは大手学習塾を運営する企業に挑み、内定を得ていました。大手の学習塾は、学術的な世界と近いのか、職業研究者の求人が集まっているサイトJREC-IN Portalにも、求人を載せているところを度々、私は目撃していました。メーカー業界よりも、多少は修士修了見込みの島本さんには、大学院でやってきたこと。例えば、学会発表などによるプレゼンや資料調査、課題作成などで培ったノウハウが、間接的に生きてくる世界だったのではないでしょうか。

 

大手学習塾で内定をもらったものの、島本さんは担当者から、衝撃的な言葉を聞きます。

実は1件、2月には最終面接まで行き、意思確認を待ってくれている企業があった。「本命受験の前の練習のつもり」で受けていた、ある大手学習塾だ。今更ながら連絡をとると、当初言われたように内定が出た。ところがその電話での担当者の言葉は意外なものだった。


こんなことをいうのは何ですが、あなたの学歴ではもったいないよ


他にも数十人の同期がいるが、「名前を知らないような大学の子だったりする。ご両親や世間の目もあるけれど、いいの?

  (「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN

太字の箇所の中で、特に「あなたの学歴ではもったいないよ」は、修士・博士課程の院生が就活した時に、周囲から必ず一回は言われることだと、私は勝手に思っております。「もったいない」という言葉は、日本の世間が民間就職した院卒者に対して、一般的に向ける言葉でしょう。かつて、私は合同企業説明会に顔を出したり、学部卒で先に就職した大学の同期達と食事をしたりしました。が、そういった機会で、「会社員や、学校の先生として就職することを考えているの?もったいない!」と言われたことは、何度かありました。

 

その度に感じた、何とも言えない気持ちをここで、整理して書き出しますと、次のようになります。

 

「ここまでの学歴を選んだのは、状況に流された結果だとしても、他の誰でもない、自分だし、どこに就職したいか決めるのも、自分だ。学歴と進路を決めるのも自分なのに、これまでの経歴をもって「もったいない」と言う人たちは、悲しいけれど、私の仕事を決める立場の採用担当者側である、日本の一般的な人たちと同じ評価の仕方をしているのかもしれない…」

 

それが現実なんだと思いました。ちなみに、 「他にも数十人の同期がいるが、「名前を知らないような大学の子だったりする」状況は、私の修士課程の情報学系の大学院の同期で、地方のIT企業に内定が出た人がそうでした。なまじ国立大学の大学院に加えて、情報系の専門職大学院の社会人コースを受講して、私にはよくわかりませんけど、上級レベルのSEやプログラマが持っている資格を取得していたこともあって、その会社に高学歴かつ優秀な社員として入ったとのこと。今は、上から期待をかけられすぎて、降ってくる仕事の量が辛いようです(転職も考えて動き始めた模様)。

 

そういうわけで、「あなたの学歴ではもったいないよ」の一言は、日本の世間一般の人が院卒者が民間に就職しようとする際、よく言われる言葉です。その言葉に隠されているのは、「入社後、優秀すぎて扱いづらいかもしれない、とあなたに対して、感じることがあるかもしれないと不安に思っていますよ…」という採用側のメッセージかもしれません。修士修了見込みで就活中の文系院生の皆さま、「もったいない」の一言には十分、お気をつけ下さい。

 

 2-4. 「女子は有利か不利か」をデータから見る

 Business Insider Japanの今回のオンライン記事の終盤では、「女子は有利か不利か」という項を立て、「就活支援のディスコ「女子学生の就職活動に関するアンケート調査 」(2017 年4月発行)」のデータを示して、女子学生が就活で確かに不利だと感じていることを指摘しています。

 

「女性で損した(理不尽だ)」と思った経験があると回答した人は35.1%。「女性でよかった」と思った経験のある人の割合37.1%と拮抗している。

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 男女雇用機会均等法施行から30年余り、女性活躍推進法の施行から1年。けれどこれも、日本の就活リアルだ。

 (「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN) 

 

企業も企業側で、「 女性の大学院生は採らない (採った実績はなく、採る気もない)という会社に一度出合いました。男子大学院生はかなり人数を採っているにもかかわらず、なぜ女性は採らないのかと理不尽に思いました」と、ハッキリと就活生に言いきっているところがあるようです。潔いといえば、よいです。このあたり、まさに社会学系の研究があれば読んでみたいところですね、企業の意識の違いについて。

 

 2-5.島本さんの就活はどうなったか?

私としては、ミスマッチな世界を目指した島本さんの就職活動でした。が、彼女は経験を積んで、時にヘトヘトになりながら、「グローバルなものづくり企業」にこだわり続けて、望んだ業界で内定を勝ち取ります。

 

10月1日に、多くの企業は来年度入社の内定者を対象に内定式を行う。島本さんも、東京都内の本社で行われた内定式を終えたところだ。


途方に暮れた6月を経てその後、通年採用をしているメーカーの短期選考に応募し、内定が出た。当初目指した重厚長大産業ではないとはいえ、ものづくりをしている企業であること、グローバル展開があることから、心を決めたという。


「最初からここを受けて内定をもらうより、多くのことを体験して、勉強になったと今は思えます。自分が社会に出るとどう見られるのかも少し、わかりました」


島本さんは、この1年をそう振り返った。


「これから頑張ります」


笑顔でそう話した彼女の姿は、改札口付近の雑踏に紛れ、やがて見えなくなった。
(文・滝川麻衣子)

「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル | BUSINESS INSIDER JAPAN

  

通年採用をしているメーカーを見つけ、そこに内定を決めた島本さんは、 粘り強く就活に取り組んだ猛者と言えるかもしれません。

 

通常の合同説明会、採用選考やインターンシップ、そして就職エージェントを経て、通年採用の企業の選考を受けてみる。並行して、志望している以外の業界を受けてみて、大手学習塾の企業で内定がとれた。就職への道には、とれる手段は尽くしてとり続けた結果、何とか10月のメーカーの内定式に間に合いました。

 

途方にくれたことがあっても、立ち上がって就職活動を続けた彼女には、どうか、入社してから、ポッキリ折れないよう、適度に休みながら働いてほしいと思いました。

 

 

3.島本さんの就活体験から学べること

今回のBusiness Insider Japanのオンライン記事で、島本さんの体験談からは、多くのことが学べるでしょう。

 

まず、社会学系にとどまらず、文系の女子院生はメーカー業界では、必要とされていないことです。ハッキリと「女子の大学院生は採用しない」と就活生の前で言っている企業担当者がいるらしい、ほどです。業界として、そして私から見ても、よほどクリアに分かる研究や大学院での専攻分野との接点を見出さない限り、メーカー業界と文系の女子院生とはミスマッチです。「近寄るな」と手で追い払われても、今まで男社会だった業界からすれば、仕方ないのかもしれません…。

 

次に、得られた教訓は、内定先や周囲に「あなたの学歴では(この内定先は)もったいないよ」の一言は、日本の世間一般の人が院卒者が民間に就職しようとする際、よく言われる言葉であること。そして、その意識は企業によっては、採用担当者にも浸透している意識である可能性が高いことです。加えて、この言葉を採用担当者が内定を出す時に言ったなら、「入社後、優秀すぎて扱いづらいかもしれない、とあなたに対して、感じることがあるかもしれない、という不安を抱えているのです」と暗にメッセージを発していることがあり得ます。それほどにまで、院卒者はたとえ修士卒予定の人であっても、協調性があっても、他大学出身の社員との人間関係に対して波風を立てるのでは?と警戒していることがあるのではないでしょうか。

 

最後に挙げるのは、希望の業界に入るため、あらゆる就職活動のサービスや方法を駆使するということです。島本さんは、通常の合同説明会、採用選考やインターンシップ、そして就職エージェントを経て、通年採用の企業の選考を受けてみる。並行して、志望している以外の業界を受けてみて、大手学習塾の企業で内定がとれました。最終的には、通年採用のメーカーで内定が出て、彼女はそこに就職することに決めたようです。もし、文系院生で内定がとれなくて、行き詰まりを感じている人がいれば、島本さんがとった上記の手段を全部やってみてはいかがでしょうか。弊ブログの右サイドメニューのリンク欄にも、アカリクやLab-Onといった、院卒者向けの就活支援サービス会社や、エージェントのサポートがある会社の情報を載せているサイトを登録しています。

 

だいぶ、長くなりましたが、希望業界のメーカーに内定を得た島本さんは、大学院の社会学系の専攻での修論にも、しっかりと取り組んでくれることを期待しています。どうか、島本さんが指導教員の先生の就職妨害に遭わず、また、傷病にならず、きちんと修論が出せますように。

 

 おしまい。

 

 

 

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