仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

ブログで取り上げた本の2017年人気ランキング・トップ8:その1~第8位から第4位まで~

<2017年の人気の本トップ8の第4位まで>

1.はじめに

来週の文学フリマ京都の準備をしていたら、更新が滞っておりました:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

年末年始も、バタバタしていたため、今まで弊ブログで取り上げてきた本に関して、昨年一年間、Amazonアソシエイトを通じて購入されたのか、振り返ることができておりませんでした。売り上げを調べることによって、読者の方々が、どういった情報を求めていらっしゃるのか、知ることができると思い、年明けて十日ほど経ちましたが、ランキングを発表させて頂くことに致しました。

 

なお、ランキングを8位までにしたのは、同じ本が電子書籍と紙書籍のどちらも10位にランクインしている関係のため、両方のバージョンを一つとしてカウントした結果、トップ8とすることになった、という背景があります。

 

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 2.取り上げた本で2017年のトップ8(2017.1.1~12.31)

 第8位:『論文・レポートの基本』(石黒 圭、日本実業出版社)

そろそろ、センター試験のある今週末から、今月末ぐらいまでが、修士論文の提出締切になっている大学院修士課程もあるのではないでしょうか。私の在籍してたところは、センター試験の土曜日の前日の金曜日だったような…。そのような追い上げの時期に、主語と述語の捻じれや、どんな動詞を文末ですべきか悩んだら見るべき「論文の重要動詞一覧」(p.111)が掲載されているのが、この『論文・レポートの基本』です。

 

また、来年度に卒論や修論を執筆する予定の方には、

先行研究の扱い方に始まり、書いていく工程の説明ではアウトラインや構造を図解し、レポート・卒業論文・博士論文の違いにおける節の位置づけを解説したり、あいまいさを無くして明晰な文章を書くための練習問題が出ていたり、学術論文を書く上でも実践的な内容となっております。

(【2017.7.2_1625追記】#修士論文 提出直前の睡眠状態と「災い転じて福と成す」経験談+読みやすい論文の書き方ガイド本の紹介 - 仲見満月の研究室)

ので、課題レポートを書く段階を練習してみるのも、よいかもしれません。

 

 第7位:『高学歴ワーキングプア~「フリーター生産工場」としての大学院~』(水月昭道光文社新書)

 院志望者に向けて書いた、初期のエントリ記事:

大学院に行きたいと思ったら知るべき「初歩」のこと~大学院の進学システムと就活~ - 仲見満月の研究室

で、「学部・修士課程・博士課程の進学の流れと構造」を説明したのを皮切りに、院卒者やアカデミック・ポスト等、高学歴者の就職や雇用の事情を扱う度に、引用したり、触れたりする、もはや外せない一冊です。

 

紙書籍版が出版されたのは2007年で、昨年で10年が経ちました。が、現在、特に非正規の職業研究者の置かれている様々な問題を語る上で、十分、本書は通用すると思います。「高学歴ワーキングプア」という言葉を広めると共に、それを社会問題として話題にする時には、避けて通れない本でしょう。

 

 第6位:『あくびカレッジ』(こづかあきとも/高田ゆうき、クロフネミックス)

世にも珍しい、大学教員のコミックエッセイが本書の『あくびカレッジ』。弊ブログでは、エントリ記事に数回、登場しております。この電子書籍が6位、紙書籍は5位とランキングの中盤を占めておりました。

 

本書の詳細な書評は、note.muの「分室」ブログに、前編と後編に分けて、掲載しております:

note.mu

 

note.muの書評では、主に理系の学部生や院生の皆さんを対象に、

  • 「ゆるそうでいて、本当は緩くない」冷汗が連続の大学教員の日  
  • 「茨の道」とも言われる厳しい(?)修業時代

を紹介する形でレビューを執筆しました。

 

紙書籍では142ページと短めで、作画者の高田さんのイラストがシンプルで、ふわっとした可愛らしいもので、一般の方なら、サクサク読める厚さです。しかし、実際に大学院に在籍していた人や、研究職を経験した方には、過去の苦かった「こぞう時代」や、のみこみの良い学生に出会った時の「狂喜」を思い出し、ページをめくる手が止まってしまう、そんな漫画かもしれません。

 

なお、登場する大学教員には、ちょっと人文科学っぽい分野の先生もいらっしゃいます。

 

 第5位: 『社会科学系のための「優秀論文」作成術―プロの学術論文から卒論まで』(川崎 剛、勁草書房

本書は、別の本の書評記事:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

この『文系大学院生サバイバル』の後半、「第9章:論文投稿術」で名前が挙がっていた一冊です。

 

私自身は読んだことがないものの、Amazonの本書のページで紹介されている目次を読むと、

 

 

  • 社会科学論文の「型」をマスターする
  • 学位・卒業論文の攻略法
  • 学術雑誌攻略法

といった、社会科学系の論文を書く上で、基本的な知識と気を付けるべきポイントを分かりやすい構成をとって、読者を導く本であることが窺えます。

 

第8位の『論文・レポートの基本』が様々な分野を超えた書き方入門書なら、本書は社会科学系の学位論文や投稿論文に特化した入門書と言ってもよいかもしれません。

 

機会があれば、手に取って読んで見たいと思っております。

 

 第4位:『人文・社会科学系大学院生のキャリアを切り拓く: <研究と就職>をつなぐ実践』(佐藤 裕・青木 深・三浦 美樹・一橋大学学生支援センター、大月書店)

もともと、この『仲見満月の研究室』というブログは、主に文系の院生や院卒者、研究者が、どうやって生きていったらよいのか?という私の問題意識から、始まりました。そのため、今では470件を突破しているエントリ記事において、割と初期の内容には、本書が取り上げられたニュース記事を紹介した、次のような就活に関する記事が多かったように思います:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

本書は、一橋大学の学生支援センターやキャリア教育に携わった同大学の講師が、蓄積してきた「研究と就職」の実践方法について、具体的にポイントを解説しながら、どのようにキャリア形成をしていったらよいのか、示した手引書です。

 

序盤では、日本の職業研究者の雇用状況や、海外のアカデミックな人材の就職における女性の割合といたデータを示しながら、人文・社会科学系の大学院生がどのような「雇用市場」に出て行くことになるのか、説明しております。次に、大学教員を目指すには、どの分野で、どのようなキャリア計画を立てたらよいか、そのロールモデルを提示しています。

 

なかなか、手本にできそうな人文・社会科学系キャリア例を紹介した院生向けの本は珍しかった2014年ごろにおいて、本書は貴重なモデルを提示するという意味で、文系の大学院生たちには、心強いガイドであったのではないでしょうか。私も早く知っていたら、院生時代に購入して、参考にしたかった一冊です。

 

 

3.第8位から第4位までの結び 

というわけで、ランキングの第4位まで、振り返ってみました。アカデミックな文章の書き方の本、院生や院卒者のキャリア形成に関する本を中心に、読者の方々はよく読まれているのだと感じました。

 

補足として、第4位の『人文・社会科学系大学院生のキャリアを切り拓く』と同じ路線では、大学院生、特に博士院生の複数のキャリアモデルを示した本が、2017年3月になって、ようやく、次の一冊が出版されました:

 

博士になったらどう生きる?―78名が語るキャリアパス

理系と文系、それぞれの更に細かな分野で博士号を取得し、各業界で仕事をしている78名が自らのキャリアについて、語ったインタビュー集かつ、「人生カタログ」とも言うべき本です。人文科学・社会科学の分野で、インタビューを受けた人には、博士号取得後、研究室で取引のあった学術系の出版社が求人を出していたところ、先輩にすすめられて採用試験をパスし、その会社で本づくりに携わっている方もいらっしゃいました。

 

積読状態にしているので、頑張って早くよめるようにしたいと考えております。

 

おしまい。

 

(トップ3については、その2の記事で扱います)

 

 

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