仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

ブログで取り上げた本の2017年人気ランキング・トップ8:その2~第3位から第1位まで~

<2017年の人気の本トップ3>

 4.はじめに

間に約一日、はさみました。前回の記事↓

naka3-3dsuki.hatenablog.com

では、2017年のAmazonアソシエイトでの売り上げをもとに、弊ブログで取り上げた本のランキングで、上位8位から4位を取り上げて、振り返りました。なお、トップ10ではなく、トップ8の理由は、上位10位に同一の本が紙書籍と電子書籍で2種類×2冊、ランクインしているため、重複した紙と電子を1冊とカウントした結果です。

 

後編に当たる本記事では、上位3冊を取り上げて振り返るとともに、関連の映像作品や紹介記事も合わせて、リンクしたいと思います。

 

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5.取り上げた本で2017年のトップ3(2017.1.1~12.31) 

  第3位:『China: Through the Looking Glass』(Andrew Boltonほか、Metropolitan Museum of Art)

まず、第3位に入ったのが、英語の洋書でした。しかも、メトロポリタン美術館の年一回、5月に行われる服飾部門の2015年の特別展「鏡の中の中国」展の図録です: 

China: Through the Looking Glass 

 

売り上げ冊数自体は4冊と少なめですが、洋書で価格が4000円台であり、学術書の側面が強いものの、中国の生活文化史を研究していた私としては、興味を持って買ってくださった読者の方がいらして、嬉しかったです。

 

本書を紹介したのは、 服飾部門の2015年の特別展「鏡の中の中国」展を盛り上げ、毎年5月の第1月曜日に開催される、同美術館の同部門の一年間の活動資金を集める目的で、セレブを招待するチャリティの催し「メットガラ」を追ったドキュメンタリー映画のレビュー記事でした:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

「鏡の中の中国」展は、ファッションの歴史を通じて、西洋と東洋の対話を行うというコンセプトのもと、同美術館の理事で米版ヴォーグ編集部を率いるアナ・ウィンターや、のちに服飾部門の主任となるキュレーターのアンドリュー・ボルトン、そして芸術監督として招かれた映画監督のウォン・カーウァイ王家衛)らが、その年のメットガラを成功させるべく、表に裏に奮闘しました。結果、この特別展は、計80万人の来場者を迎え、メトロポリタン美術館史上、歴代5位を記録しました。

 

映画では、実質的に主人公をボルトンに、スタッフの会議やヴォーグ編集部によるメットガラに呼ぶセレブへの連絡調整といった業務とともに、世界を飛び回ってボルトンらが借りてきた博物館の皇帝や皇后の衣裳、有名ファッションデザイナーの中国コレクションのチャイナドレス、現代中国で活躍するデザイナーのマリエ(花嫁衣裳)など、華やかな衣裳や小物が画面を行き来します。間に、衣裳に関する歴史や、デザイナーが中国コレクションを始めるのにインスピレーションを受けた映画の映像が挿入されました。

 

本書では、この映画に登場した衣裳やアクセサリーの他、実際に特別展の展示資料である衣服の写真が掲載され、キュレーターたちによる学術的な視点からのキャプションが付されていると思われます。昨年の秋、この映画がDVDとAmazonビデオで販売・レンタル開始となりました。本書とともに、メットガラをもう一度、視聴してみるのはいかがでしょうか。

 

 

 

 第2位:『美術館で働くということ 東京都現代美術館 学芸員ひみつ日記』(オノユウリ、メディアファクトリー

2017年4月16日の滋賀県のイベントで、山本地方創生大臣が学芸員に対して「ガン」だと発言した一連の騒動をきっかけに、学芸員の仕事となり方のついて、まとめました、

【2017.6.1_0126更新:目次】よく知られていない学芸員の話+ミュージアムのあれこれ - 仲見満月の研究室

のひとつ:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

で、郷土の画家作品の収集や市民向けのイベントを手がけた栃木県立美術館の学芸員の仕事に対し、東京都現代美術館学芸員の仕事を紹介する項目でレビューしました。

 

内容とレビューは、次のようなものでした。

本書を紹介した記事は、美術館に勤務する学芸員と、その周辺の人たちの仕事とともに、学芸員のなり方についても言及した記事でした。私の所感では、SNSで一時的に拡散されたり、時期的にアクセスが集中したり、そういった特別なことが無い限り、

よく知られていない学芸員の話 その2:学芸員の仕事となり方について~美術館を中心として~

の記事は、注目記事の5~10位には入って来ていました。コンスタントに記事自体が人気なのか、学芸員とその周辺の仕事を知るのに分かりやすい本なのか、本書自体も断続的に買って下さる方がおられるようです。

 

同じく美術館で働く人たちを扱った職業漫画では、ここ数年間、刊行されている四コマ作品に、次のものがあります。Amazonの書籍版ページで、1巻を少し試し読みできます。収蔵庫にこもった館長が謎な、ギャグで進む美術館のお話です↓ 

 

 美術館のなかのひとたち(2) (バンブーコミックス 4コマセレクション)[Kindle版]

美術館のなかのひとたち(3) (バンブーコミックス 4コマセレクション)[Kindle版]

 

 第1位:『文系 大学院生サバイバル』(岡崎匡史、ディスカヴァー携書)

繰り返しますが、弊ブログは主に文系の院生や院卒者、研究者をサポートする主旨で始まりました。そういった経緯から、第1位は、まさに『仲見満月の研究室』を 代表するといってよい、文系で職業研究者を目指す人のガイド本、『文系 大学院生サバイバル』が頂点に立ちました:

 

売り上げランキングのトップ10では、本書の電子書籍が2位(5冊)、紙書籍が1位 (19冊)と、弊ブログのAmazonアソシエイトの収益に最も貢献して下さっているのが、本書です。ページ数は240ページ。研究室や指導教員の選び方から、海外留学の推薦状入手法や英語攻略法、更に論文執筆では欠かせない先行研究や文献の読む速さをアップさせるテクニック、査読論文のアクセプト率を上げるヒントまで、非常に濃い内容。そのため、弊ブログでは2回にわたって、レビューさせて頂きました:

 

naka3-3dsuki.hatenablog.com

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

本書の内容は、リンク先のレビュー記事で詳細に語らせて頂きましたので、ここでは、文系の職業研究者を目指す人向けの手引書として、本書がどういった位置づけにあるのか、考えてみたいと思います。

 

本書のAmazonページを読むと、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の欄には、前回のブログで取り上げた本の2017年人気ランキング・トップ8:その1~第8位から第4位まで~の 第4位に入った『人文・社会科学系大学院生のキャリアを切り拓く』や、第7位『高学歴ワーキングプア~「フリーター生産工場」としての大学院~』、そして結びで取り上げた『博士になったらどう生きる?―78名が語るキャリアパス』 、取り上げなかったものの、私が気になっている『改訂新版 大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル

といった、大枠で文系院生や院卒者、研究者のキャリアやその社会的な問題を扱った本が並んでいました。そういった近いジャンルの書籍の中にあって、本書は筆者の体験だけでなく、周囲の人たちの様子、主に英語圏の博士号取得を目指す人向けの指南書を引用しながら、内容は濃く、それでいて実践的でサイズは新書というコンパクトで、一般の人でも手に取って読みやすいと言う意味で、抜きんでた存在だと私は考えております。

 

本書の魅力は、その成り立ち自体にもあって、著者の岡崎さん曰く、ご自身の博士論文出版後、研究方面で気が抜けた際に「憂さ晴らし」として、お書きになったという部分にもあるのではないでしょうか。ご本人は「憂さ晴らし」と言っておられますが、2回の拙エントリ記事でレビューさせて頂いたとおり、文系分野で博士課程入学を考える人には、知っておくべき情報が順を追って、まとめられています。

 

ちなみに、著者の出身学部は日本大学の部局統合や合併等の動きのなかで、消えてしまったということも、本書のなかで書かれていました。そのあたりは、読む者にノスタルジーを感じさせずにはおられず、昨今の大学内の学部や大学院部局の統廃合の問題を考えさせられます。守備範囲の広いのが、本書の特徴の一つでもあるかと思いました。

 

 

6.トップ3の結び 

以上、昨年一年間の弊ブログを通じてAmazonアソシエイトで売れた本のトップ3を振り返ってみました。どの本のレビュー記事も、力を入れて丁寧に書いた力作だと自負しております故、アクセス数とともに読者の方がよく買ってくださったという事実は、もろ手を挙げてバンザイしたいほどの歓喜を感じました。やったー!

 

そして、本の売り上げがあるということは、著者の方の収入に繋がっているということです。弊ブログがそういた意味で、実際に貢献できているかは謎ですが、少なくとも、『文系 院生サバイバル』の著者の方に、私の「恵んで下さい」リストを介して、お米5キロとさんまのかば焼き缶詰を送っていただいたことから、少しは売り上げがのびているとは推測できるんじゃないでしょうか。

 

トップ3の結びとしまして、3位に映画『メットガラ』の「鏡の中の中国」展のカタログ、2位に美術館で働く学芸員とその周辺のお仕事コミックエッセイ、1位に文系院生や研究者の生き残り指南書が並び、弊ブログで書いた2017年の時事問題、私の専門の話、弊ブログの開始時点のテーマがランキングに網羅されているように感じました。本に興味を持って頂いた方、実際に勝っていただいた皆様には、心からお礼申し上げます。そして、これからも弊ブログで紹介する本につきまして、ヨメレバのリンクからご購入いただけると、著者の方とともに、私の生活が助けられますので、引き続き、お願いイアします。

 

今年2018年はどういった本を紹介しようかな?と考えつつ、閉めさせて頂きたいと思います。

 

おしまい。

 

 

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