仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

院生の履修書類を勝手に「書き換え」や「作成」する先生もいる?!~「島大教授がハラスメントで懲戒」(NHK 島根県のニュース)

<本記事の内容>

1.はじめに

最近、ちょこちょことハラスメントに関するニュースを取り上げています。

 

そのひとつに、私の身近でもありましたが、療養や介護、経済的な問題といった理由などで院生が退学や休学を希望し、提出しべき書類を指導教員に持って行ったところ、必要な捺印を拒否されたケースがありました。日本の多くの大学院では、院生に責任を持つ立場の指導教員に、書類上の同意を得た証となる印や署名がなければ、書類上、休学や退学はできないシステムになっています。もし、院生の健康上の理由や、進路の事情があって、手続き上、このような行為が行われれば、大学の調査により、ハラスメント認定されることが多いのです。詳しくは、こちらの鳥取大のケースをご覧ください。

 

必要な書類に指導教員が捺印を拒否するのは、ハラスメント。それでは、逆に院生が出した書類に指導教員が手を加えたら、どうなるのか?そういったケースは噂程度にしか聞いたことがありませんでしたが、NHKニュースで報道されていましたので、今回は以下の島根大学のケースを見ていきたいと思います:

島大教授がハラスメントで懲戒|NHK 島根県のニュース

 

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2.「島大教授がハラスメントで懲戒」(NHK 島根県のニュース)に見る院生の履修届に関するハラスメント

速報のため、消えないうちにニュースを見ていきましょう。

 

島根 NEWS WEB

島大教授がハラスメントで懲戒
04月06日 20時08分

 

島根大学の50代の教授が、指導していた大学院生の履修コースを勝手に変更して授業に出席できなくするといった嫌がらせを繰り返していたことが分かり、大学は、教授を停職6か月の懲戒処分としました。


これは、6日、島根大学が記者会見して発表しました。


それによりますと50代の教授は、指導していた大学院生の印鑑を勝手に履修変更届に押して大学に提出したということです。
これによって夜間も出席できる履修コースから昼間だけのコースに変更され、大学院生は授業に出席できなくなったということです。


また大学院生を「テロリスト」と呼んだり、教授を待っていた大学院生をストーカー扱いして警察に通報したりするといった行為を繰り返していたということです。
大学ではこれらはハラスメント行為にあたるとして教授を停職6か月の懲戒処分としました。

 

(中略)
島根大学の藤田達朗理事は、「被害者や関係する人たちに深くおわび申し上げます。大学ではハラスメント行為が絶えないので教職員の指導を強化したい」と陳謝しました。

島大教授がハラスメントで懲戒|NHK 島根県のニュース

50代の教授は、指導担当の院生に対して、「テロリスト」呼ばわりしたり、自分を待っていたことをストーカーとして通報したり、ニュースを読んでいるだけで気分が悪くなってきます。問題のある行動ですが、教授と院生の関係が一体、どのようなものであったのでしょうか?これ以上のことは分かりません。

 

今回の本題は、50代の教授が「指導していた大学院生の履修コースを勝手に変更して授業に出席できなくするといった嫌がらせを繰り返していたこと」のほうです。具体的に、どのような方法で教え子の履修コースを変更し、どういったことが起こっていたのか、整理しました。

  1. 指導していた大学院生の印鑑勝手に履修変更届に押して大学に提出
  2. 夜間も出席できる履修コースから昼間だけのコースに変更された
  3. 大学院生は授業に出席できなくなった

指導を受けていた院生の方は、夜間の履修コースだったということから、アルバイトをしながら、大学院に通っていたのでしょうか?それとも、社会人院生だったのか。そのあたり、詳細は不明です*1

 

ゾッとしたのは、1の下線部です。この履修届は、院生自身がもともと記入して作ったものか、それとも指導教員が新たに作成したものか、ニュースからは判断できません。そこで、私は履修変更届が指導教員によって、「書き換え」または「作成」されたという書き方をさせて頂きます。

 

「指導していた大学院生」 とあり、指導教員が理由をつけて、教え子の印鑑を「預かっていた」と考えらえます。よいほうに考えると、夜間制を希望する院生の場合、事務室の担当職員が夜間にいないことがあり、指導教員があらかじめ教え子から預かった書類を持っておき、昼間、担当職員のいるときに代わりに提出するケースが推定されます。指導教員が提出する時、書類に不備があったら、院生の印鑑が必要なことがあるため、先生が預かった院生の印鑑を使うこともゼロではないでしょう。事前に、院生に説明の上、承諾をもらった形での印鑑使用なら、問題は少なかったかもしれません。

 

ですが、NHKの伝えるとことによると、50代の教授は、院生の承諾なく「勝手に履修変更届に押して大学に提出」していました。院生は授業を受けられなくなり、学業を妨害するという意味で、ハラスメントに当たると判断されたと思われます。今回、もし書類が公文書であったなら法律に抵触していたのではないか、と私は考えました。具体的には、こちら「文書偽造の罪 - Wikipedia」のうち、「変造」に当たるのではないかと。

 

履修変更届自体は、特定の学内でしか基本的には通用しない書類でしょうから、「文書偽造の罪 - Wikipedia」にある刑法第17条等において、公文書ではないでしょう。しかし、印鑑の持ち主に許可なく、50代の教授が勝手に履修変更届に手を加えた、あるいは新たに「偽造」しており、書類を書き換え、または作成する権限のない人物の行動によって、不利益を被る院生がいたら、いかがでしょうか?法律上は犯罪でなかったとしても、ハラスメントに加えて、50代の教授、およびその教員を監督する立場の教職員に対する信頼は大きく低下する恐れがあります。

 

院生は今回、勝手に書き換え・作成された書類によって、授業を受けられなくなり、人生を狂わされたかもしれません。それだけでなく、島根大に関する今回のニュースによって、学内の教職員、学生のなかには「自分の出した書類をいじられたら…」と考え、実際の被害を目の当りにしたなら、大学全体に安心して所属することはできなくなる人もいるんじゃないでしょうか。

 

 

3.最後に

今回の島根大で起こった、指導教員による院生の履修変更届の「書き換え」または「作成」は、文書管理の面から考えると、非常に重い事件だったと私は受けとめました。

 

島根大の役員の方々には、しっかり再発防止をして頂きたいです。それから、学生の皆さんは、自分の印鑑は自分で厳重に管理したり、市販されていない書体や絵入りの印鑑を判子屋に彫ってもらったり(イラスト入りのものなど:手塚ずかん | 印鑑・シャチハタの通販【印鑑のハンコズ楽天市場支店】)、他者に書類の「書き換え」や「作成」を勝手にされないよう、対策は考えておいたほうがいいでしょう。また、担当職員のいない時間帯に書類の提出をしないといけない場合、事前に担当職員に事情を説明しておくなど、自分自身で提出できるようにしたほうがよさそうです。

 

自分の書類と印鑑は自分で提出し、管理することが大学院生にとっても大切だということで、この記事を締めさせて頂きます。

 

おしまい。

 

 

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*1:稀に、働きながら大学院に通う学生のことを、よく思わない大学教員もいると聞きます。そのような先生のお話では、「働きながら学究することは困難で、学位論文を書いて聞くにも、おろそかになる院生がいるから」と考えておられるそうです。

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