仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

【サイトにも投稿:研究ニュース】「SNSで爆発する」日本語の「若者ことば「○○み」を研究する大学院生を直撃 」(AbemaTIMESより)

<今回の内容>

1.はじめに

梅雨に引き続き、私は運動不足のままで、続くお腹の「たるみ」を気にする毎日です。院生時代には、正直なところ、受賞する優秀な同期生に「妬み」や「嫉み」を抱かなかったといえば、否定はできません…。と、ここまで、従来の日本語において、動詞や形容詞などの一種の名詞的な「〇〇み」の語句を入れて、例文を作ってみました。

 

「〇〇み」の語句について、はてなブックマークのコメント欄、TwitterといったSNSを中心に、新しい用法が出てきているようです。例えば、コメントやツイートに対して、見かけた人がおそらく共感を示す際、「分かりみがある」といった使い方をされているのを、私は幾度かタイムラインで目にしました。また、「何だか、とんでもなさを感じる」ことを伝えたいらしき人が、「ヤバみがある」と呟いていたようで、「〇〇み」の新用法の広がりには独特の広がりと語感があり、関心を持っております。

 

実は、この「〇〇み」に興味を持った人には、学術的な手法を用いて、研究をしていた院生がいるそうです。その院生がAbemaTVのニュースに出演して、レクチャーされた様子を伝えるオンライン記事が公開されていました:

abematimes.com

(出典:「SNSで爆発する若者ことば「〇〇み」を研究する大学院生を直撃」、2018.06.14 、20:50、AbemaTIMES)

 

弊ブログの目的のひとつに、研究成果を取り上げて紹介することがあります。今回は、「〇〇み」の新しい用法についての研究を、「AbemaTIMES」のオンラインニュースを通じて、紹介していきたいと思います。

 

 

2.「SNSで爆発する」日本語の若者ことば「○○み」を研究する大学院生を直撃」(AbemaTIMESより)

この「〇〇み」というのは、「「〜み」の語尾につける若者ことば」として、オンライン記事ではされており、「インターネット上では、日本語の研究機関である国立国語研究所による分析も話題になっている」と伝えられています。専門的な立場で、この研究に取り組んでいるのは、お茶の水大学大学院の院生・宇野 和さん。宇野さんは、先月中旬、AbemaTVのニュース番組『AbemaPrime』に出演し、この「~み」の登場した時期や、どういった単語が登場してきたのか、解説をされたそうです。彼女によると、

  1. 「~み」の登場した時期:2007年頃
  2. 最初期に使われていた単語は、主に「つらみ」「ねむみ」の二語
  3. 時間が経つにつれて、「「つらい」「ねむい」といった単語にも「〜み」が付けられ、単語の数は増えていった」

ということが、推測されていたようです。

 

「~み」を使うことによる効果について、宇野さんは、強烈な語句で、そのまま呟くことに抵抗のある言葉の場合、「~み」の形に変え、印象を和らげる婉曲化できることを指摘しました。例えば、「死にたい」という言葉は、強すぎる感情を表すため、気軽に発することができません。しかし、「~み」をつけて「"名詞化"することで」、「死にたい」という気持ちが、まるで「自分の外にあるかのように距離」を取って、「意味をやわらげる」ことが可能になります。そうやって「死にたい」を「死にたみ」に変化させ、ユーザーがSNSで使いやすい語句にしている、と宇野さんは分析します。

 

また、「「〜さ」ではなく「〜み」が付けられている理由」を、この院生は、「~み」が「"自分の感覚"をもとに表す用法」である点に注目して、考察。すなわち、「~み」をSNS上に発したコメントに入れることで、「これは発信者個人の感想ですよ」というニュアンスを付与することができ、その発言による炎上防止の効果があるのではないか、ということです。

 

f:id:nakami_midsuki:20180705205805p:plain

表1は、オンライン記事中の画像で、宇野さんが黒板に書いた「〇〇み」の用法を示した表をもとに、仲見が活字化したものです。AbemaTIMESのオンライン記事では、男性が使うことのできる「ママみ」をもとに、「~み」に発言者の主観性を含める効果が説明されていました。

 

宇野さんの説明を参考に、ここでは「食べたみ」の例を説明してみたいと思います。仮に、私があるコンビニに立ち寄って買ったミルクレープを帰宅後、撮影してTwitterに「本日のおやつです」というコメントを添えて、アップロードしたとします。ミルクレープの画像付きツイートを見た人には、ミルクレープが好きな方も、そうでない方もいらっしゃるでしょう。私の画像付きツイートを見たAさんが、「食べたみがあります!」とリプライをされたら、その返信には「わたくしAが主観的にミルクレープをおいしそうだと感じ、食べたいと感じました」という意味に加えることができます。

 

さらに、Aさんのリプライを見た人によっては、「あくまで、A個人の感想であり、ミルクレープをお好きでない方がいらっしゃるのも分かっていますよ」という、他者に配慮しているニュアンスが含まれていると受け取ることがでくるでしょう。というのは、あくまで、わたくし仲見の解釈ではありますが、要するに、「〇〇み(~み)」の表現は、SNS上でのトラブルを回避しやすい役割があって、宇野さんの考えをもとに推測すれば、その使いやすさから拡大したと言えるのではないでしょうか。

 

 

3.最後に

以上、宇野 和さんによる「○○み」の用法の研究を紹介でした。今回はAbemaTIMESの内容をもとにしていますが、実際に宇野さんがどういった説明をされたのか、ご興味のある方は、下のページで期間限定のようですが、ご出演された番組の回を視聴できるようですので、ぜひ、ご覧ください:

abema.tv

 

今回の研究について、宇野さんが発表されている論文がありました。オンライン上の公開は不明ですが、書誌情報のページを挙げておきます。お探しになって、読んでみてはいかがでしょうか。

 

おしまい。

 

 

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