仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系のなかみ博士が研究業界の問題などを幅広く考えるブログ

新たな本との出会いを「福袋」で~日本各地の図書館の取り組み(毎日新聞)~

<福袋はお好きですか?> 

 1.はじめに

 福袋とは、「前もってその中に種々のものを入れて口を閉じ、中身がわからないようにして各人に選び取らせる袋」で、「余興や商店の正月の売り出しなどに出す」もの*1です。

 

日本では正月になると、衣料品、菓子や玩具、家電をはじめ、様々な商品を扱うお店で福袋が売り出されます。毎年、有名なデパートの初売りの話題では、限定販売の福袋を手にしようと長蛇の列をなす客への様子を、私はニュースで見てきました。福袋といえば基本的には「中に入っている物が分からないものから、くじを引くように選ぶ」ものであり*2、私はそのワクワク感がたまりません。昨年の年明けには近所のスーパーで福袋を買い、今年は出かける先で福袋コーナーを徘徊してしまいました。

 

さて、福袋のイベント性に目をつけているのはお店だけではなく、日本各地の図書館も同じようです。今回は、そんな「本の福袋」に関する毎日新聞のオンラインニュースをご紹介いたします。

 
f:id:nakami_midsuki:20190107121702j:image

(イラスト:干支いのしし6/10(福袋)イラスト - No: 1301487/無料イラストなら「イラストAC」

 

2.新たな本との出会いを「福袋」で~日本各地の図書館の取り組み(毎日新聞)~

2019年の正月に、「本の福袋」を準備して貸し出しする企画をしたのは、次の新潟県新発田市滋賀県草津市、福岡県宇美町のニュース記事に出てくる各自治体の図書館です。

 

mainichi.jp

(「 本の福袋はいかが 新潟・新発田市図書館 」、毎日新聞、最終更新 12月30日 11時30分

 

mainichi.jp

(「「新たな本との出会いを」草津市立図書館が本の福袋を貸し出し 」、同上、最終更新 1月3日 13時06分、)

 

mainichi.jp

(「本の福袋」 新たなジャンルの本と出会いも 福岡」、同上、最終更新 1月6日 19時44分)

 

本の福袋は、各図書館の職員が推薦する本を選び、様々なジャンルの本を組み合わせ、袋に詰めて準備。福袋企画は、年明けの開館日で、新発田市立中央図書館が1月4日、草津市立図書館と宇美町の町立図書館が5~6日に貸し出しがされました。福袋には工夫がこらされており、児童から大人まで年齢や学年に合わせたもの数種類ほか、新発田市立中央図書館は本の内容別に合わせて更に名前には干支の猪にちなむ名前を付けた福袋を準備しています。具体的には、以下のとおり。

 

 ・新発田市立中央図書館:

本の内容別に4種類(各10袋)の福袋を用意。来年のえとにちなみ、健康に関する本を集めた福袋名は「不老猪(ちょ)~(長)寿」▽趣味や自己啓発の本は「心機亥(一)転」――と、おめでたいしゃれも満載だ。

 年齢・学年別の子供用福袋も計50袋ある。貸し出しは4日午前9時からで、1人1袋まで。

本の福袋はいかが 新潟・新発田市図書館 - 毎日新聞) 

 

 ・草津市立図書館:

(1)乳幼児向け(2)児童向け(3)大人向け――の3種類で、司書らが選んだオススメ本3~5冊を中身が見えないよう袋に包んだ。「タイムスリップ」「もしも○○だったら」「料理×イケメン」など、中身の本に共通するキーワードを記したカードも添えられている。

 

(中略)貸出期間は通常と同じ3週間。南草津図書館(同市野路1)でも開催。各日、各館限定で50セット(計200セット)を用意している。

「新たな本との出会いを」草津市立図書館が本の福袋を貸し出し - 毎日新聞

 

 ・宇美町の町立図書館:

司書らお薦めの新春にふさわしい絵本や小説などを詰め込んだ「本の福袋」を貸し出し(中略)。

福袋は大人用(3冊)と子供用(5冊)の2種類をそれぞれ50袋用意して来館者を迎えた。

「本の福袋」 新たなジャンルの本と出会いも 福岡 - 毎日新聞

 

 

福袋に使われている紙、ラッピングも図書館ごとに違っていて、各ニュース記事の写真を見るだけで、私は借りに行きたい気分になりました。企画の目的は、
 ・新発田市立中央図書館が「「新たな本との出合いを楽しんでほしい」としている」
 ・草津市立図書館は「福袋をきっかけに、出会ったことのないジャンルを知るきっかけにしてほしい」
 ・宇美町の町立図書館が「普段読まないジャンルの本にも親しんでもらおう」

といった、新しい本やジャンルとの出会いを提供すること。

 

新発田市立中央図書館では2018年12月30日の時点で2回目、宇美町の町立図書館では「3年前から」実施しています。袋を開けるまで中にどんな本が入っているかは分からず、その楽しみ方が好評な様子。2~3回ほど続いているところにも納得です。特に、宇美町の町立図書館は「両日とも午前中にはほぼ「完売」となる大盛況」ぶり。

 

ところで、「福袋の本は販売ではなく、貸し出しをするのに、その手続きはどうなっているんだろう?」と疑問に思われる方が読者にはいらっしゃるでしょう。草津市立図書館の場合、

同図書館は昨年10月、蔵書に貼ったICタグをタグリーダーが認識し、貸し出し処理をするシステムを導入。本が外から見えなくても処理が可能になった。

「新たな本との出会いを」草津市立図書館が本の福袋を貸し出し - 毎日新聞

ということです。袋から本を取り出さなくても、外からタグリーダー当て、ICタグを読み取らせることで、貸し出し処理ができる仕組みにより、福袋のイベントが可能になったようです。オンラインニュースには、「福袋を企画した司書の神村茉里さんは「新しいシステムを利用して何か面白いことをしようと考え」たとお答えになっていました。

 

ほかの2つの図書館については、草津市立図書館のような話が出ていません。私が思いますに、貸し出し処理を済ませた本を福袋に詰めておき、来館者に「本の福袋」を配るということをしているのかも。詳細は不明ですが、もっと知りたい方は各自で調べてみてください。

 

 

3.最後に

以上、新潟県新発田市滋賀県草津市、福岡県宇美町にある各図書館で実施された「本の福袋」の企画について、紹介をさせて頂きました。

 

そもそも、私がこのブログで本の福袋の話題を取り上げた理由は、「大学図書館で実施したら面白そう」と感じたから。草津市立図書館のICタグのシステムは、大学図書館で導入されているところが多いのです。システム上、福袋の実施は大学図書館可能であり、新しい学問との出会いを本を通じて提供するイベントとして、「本の福袋」をやってみてもよいのではないかと考えました。例えば、「各学術分野の入門書セット」の福袋を作ってみるとか、どうでしょう。

 

そうえいば、福袋のデメリットには、あまり好きでないものが入っていた場合、がっかり感が大きいことが挙げられます。「本の福袋」の場合、出てきた本がまったく興味のないジャンルのものであれば、そのショックで返却後は図書館に来れなくなる人も出てくるかもしれません。対策としては、新発田市立中央図書館の「健康に関する本を集めた福袋」のように、中身の本のジャンルが大まかに固まって入っているものも用意しておく、と。

 

今回のような「本の福袋」企画は報道されていなくても、意外と日本各地の図書館で実施されていそうな気がします。近くの図書館で福袋企画が実施されているか、尋ねてみてもよいかもしれません。

 

おしまい。

 

 

<タイトルに「福袋」の入った気になる3冊>

 

 

 

 

 

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*1:デジタル大辞泉』にある解説「福袋(フクブクロ)とは - コトバンク」をご参照ください。

*2:この年始に出かけたショッピングモールでは、衣料品店の店先に服入りのバッグが「福袋」として売られ、横のマネキンがブランド別にバッグの中身の服(カラーはランダムに封入)を着用。最近は、袋の中身を見せた上で販売するところが増えているようです。

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