仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

Excelと視覚的な情報のユニバーサルデザインの話~主に色デザインについて~

表計算ソフトが苦手な人が考えたこと>

1.はじめに

2019年7月に入って、10日が過ぎました。私のほうは、諸々の用事や作業を進めつつ、その合間にスマホで『Fate/Grand Order』(FGO)のストーリーやイベントのクエストを進行。6月の新しい章で追加されたキャラクターで、ギリシア神話の医神アスクレピオスにはまってしまい、精神状態が改善されました(要は、日々の楽しみが増した)。
詳しいことは、Twitterのほうで色々と呟いておりますので、ご注意下さい。

 

さて、今回のテーマは、Excelをはじめとする表計算ソフトとユニバーサルデザインについて。教育関係のフリーターをする以前より、私はExcelに大変な苦手意識を持っており、業務で成績データを管理したり、研究職の就活でExcelファイルのテンプレートに入力したりするのに苦労していました。先日、お世話になっている藤原惟さんと色々と話していて、気づくことがあり、視覚的なユニバーサルデザイン(藤原さんの言葉から出てきた事柄)にたどり着きましたので、改めて、ここに整理しておきたいと思います。

 

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2.仲見満月がExcelをはじめとする表計算ソフトを苦手とする理由と対策案など

 2-1.Excelの枠線は視覚的な情報が多くて注意散漫になる

教育関係の仕事をしていた時、私は授業の成績管理にExcelを使い、出席簿やテストの成績表を見ながら、枠線がずれないように入力。この時の苦労は、以前、メンヘラ.jpに掲載された文章にも書いてます。ダメダメだったExcelでリストを作るための機能を使えるようになった経緯と合わせて説明すると、具体的には、こんな感じでした↓

 

例えば、私は記憶力と記録魔な特性が尖っているかわりに、数学的なものとの相性が悪かったです。大学院に入学したての頃、エクセルで昇順・降順の機能が使えませんでしたが、ある論文集で索引を院生で手分けして作成しなければならなくなり、多忙な中、工学系出身の留学生の先輩に教えて頂き、何とか昇順・降順の機能を作業で使えるようになりました。

 

しかし欄に1つずつデータ入力をするといった作業は、注意欠陥のせいか、毎回、ずれていくことは未だに解消できず、高校で非常勤講師をしていた時は、モニタに出したエクセルの名簿シートの生徒の名前に一人ずつ指を当て、その横の欄に個人個人の小テストの点数を片手でキーボードを叩き、確認しながら入力していく作業をしていました。

 

合計や平均尾の値は、印刷したシートで、欄を指でおさえながら数値を電卓で打ち込み、計算した数値を今度はPCで所定の欄に入力するといったこともやってましたね。

大学院は「隠れ発達障害者の沼」だった 発達障害と研究者の不思議な関係 - メンヘラ.jp

 

先日、藤原さんと話したことは、上記の引用部分のうち、中盤の「欄に1つずつデータ入力をするといった作業は、注意欠陥のせいか、毎回、ずれていくことは未だに解消できず」というあたりが中心です。ずれていってしまうのは、振り返ってみると、Excelのシートを見ていると、情報量が多くて目移りしていまっていたようで、私はその理由を少し考えました。その原因の1つには、セルの枠線によって視覚情報が多いように感じられ、注意散漫になりやすくなっていた可能性です。例えば、下の画像のような枠線で構成された表↓

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は、セル(マス目)の数が多く、その中に文字が入ってくると、視点をどこに絞ってよいのか、私は分からなくなってしまいます。そうした注意の散漫状態と欠如の状態から手元が狂ってしまい、別紙を見ながらの入力作業をしていると、「どこまで記したか、分からなくなった」ということがあったと考えました。Excelだけでなく、Googleスプレッドシートをはじめ、世の表計算ソフトは枠線が沢山あるだけで、めちゃくちゃ、神経を使って入力することになるんです。

 

 2-2.Excelを使う時の対策案と気づき

情報量が多く、手元がくるうのは困る。加えて、私は数学的なものと相性が悪いため、Excelで計算ができず、電卓を持ってきてアナログ的に計算した数字を入力して処理作業をしてきました。そんなわけで、計算機能は使わず、Excelは表作成ソフトと割り切って使うようになります。MicrosoftのWordと組み合わせて、最初にExcelで表のフォーマットを作り、できた表を白紙のdocxファイルにコピーして貼りつけ、様々な文書のテンプレートを作成。

 

以上のようなことを話した後、藤原さんから頂いたExcelを使う時のアドバイスは、まずは①でした。 

 

 ①格子線の表示(のほか数式のバー、ABCといった文字)を消せる設定を使う:

hamachan.info

①に対して、私は
 「枠線が消えて、真っ白な画面は画面で、そのに数時が並んでいるのも、なかなか、ツラそうです。格子の色がグレーでなく、最初からデフォルトで水色や薄緑ならよいのに…。学習帳のマス目や方眼紙のように、セルの線がデフォルトで薄い色であれば
真っ白な画面になることで、数字のゼロの数を間違えそうで、定規を当てながら、ケタ数を間違えないようにする工夫が要りそうです」
と返答。すると、藤原さんは2の方法を教えてくださいました。

 

 ②枠線の色を変更する設定を使う(シート単位で可能):

support.office.com

…自分で調べればよかったのですが、恥ずかしながら、Excelの枠線の色を変更する設定があるという発想に至らず、面倒くさがっておりました。今後は、教えて頂いた②の機能を使いたいと思います。

 

 

3.視覚的な情報のユニバーサルデザインの話~まとめにかえて~

Excelの枠線と視覚的な情報の話をするうち、藤原さんは「PCので挫折する人のうち、視覚的な特性が理由で使えないというのは潜在的にあるのでは?」と指摘をされました。今回の話題に、藤原さんのご指摘を加えて考えてみると、

  • 小学生向けの学習帳や方眼紙の線は薄い水色や薄い緑色のものが多い印象
  • 最近、視覚過敏の高校生の方が「グリーンノートが合っている。もっと販売してほしい」と呼びかけ、 2019年6月、ロフトでグリーンノートを販売することを決定
  • 児童書や学習参考書を私が読んだ時、本文が少ない色で、かつ薄いオレンジや緑のインクであることに気づく

といった、文房具や書籍の色デザインに関わることを思い出しました。

 

少し、説明をしますと、上から2項目目のグリーンノートとは「通常のノートに利用される白い紙の代わりに、光の反射をカットする緑色の紙を利用することで、目の負担を軽減するように設計されたノート」です。「光の刺激に脳が過剰に反応し「目が痛い」と感じてしまう症状は、「視覚過敏」と呼ばれており、主に発達障害を持つ人などに見られ」るそう。視覚過敏を持つ人にとって、紙が薄い緑色のグリーンノートは目が痛くならず、鉛筆の線が光に反射して見えにくくなることもなく、勉強する上でとても助かる文房具とのこと。先日、グリーンノートを売っていたお店がなくなってしまったため、グリーンノートを必要とする高校生の方が、販売して欲しいとネット上で呼びかけました。その願いに、ロフトが販売が決定します。詳しい経緯は、こちら:

 

 ●「視覚過敏の高校生を助けた「一冊のノート」がTwitterで話題 」(BuzzFeed News Intern, Japan、2019/06/11 18:13)

 

私のように視覚情報の認知の何らかの特性のためか表計算ソフトの使用が苦手だったり、視覚過敏で白いページのノートを使うと目に負担がかかったり。そうした視覚的な特性による問題を抱えている人は、自分が気づいていない方も含めて、けっこう、いらっしゃるのかもしれません。そうした視覚的な特性を持つ人にとって、グリーンノートに加え、「文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、障害の有無や能力差などを問わずに利用できることを目指した」デザイン、つまりユニバーサルデザインがデジタル端末やソフトウェアの設計にも広がっていくと、より生活しやすい社会になっていくのではないでしょうか?

 

というわけで、個人的に私の要望として、「表計算ソフトにもユニバーサルデザインのコンセプトを取り入れて下さい」と主張して、本記事のまとめにかえさせて頂きます。

 

長くなりましが、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。また、Excelの相談に乗ってくださいました藤原惟さんに重ねて感謝申し上げます。

 

おしまい!

 

 

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