「私とその周辺」の理系/文系のイメージ~2016年9月初めのセルフまとめ~
〈今回の目次〉
1.はじめに
2016年9月初めごろ、「理系/文系って、何ぞや?」、この二つを「分けて考える必要はあるのか?」、「あるならば、その基準や定義は何か?」といった、大雑把な話題を挙げ、ネット上で様々な方々と意見のやり取りをさせて頂いたり、見かけた言葉を私は拾ったりしました。そういった動きの中で、ブログやTwitterで自分が考えてきた一連のことを整理しておきたいと思い、本記事を立てました。
なお、本記事タイトルは、以下の記事の執筆者、および発言者である仲見満月とその周り、つまり「私とその周辺」の人々の理系/文系(のイメージ)は「こういう感じである」というくらいの意味です。ネット上を見ると、ある方は「ローカル」という言葉を使い、また別の方は「自分の周りでは~」という言い方をされていたり、そういった違いがありました。これらのご意見を元に、本記事では「私とその周辺」という言い方を採用しております。
2.ブログ記事まとめ
「3-4女子校で教員をするということ」 理系女性の人生カタログ~内田麻理香『理系なお姉さんは苦手ですか?』後編①:学校教員ほか~ (2016.9.1) より
軽部さんの言う、理系に苦手意識を持っている人の中にも、理系な人はいる、という指摘は、本記事の「3-2. SF好きな軽部さんの今と10代」の終わりで私が指摘したことと通じているのではないかと思います。例えば理系分野でも、物理学のような仮定(や抽象的なこと)を対象とする分野が苦手でも、生物学のよう実際に観察や接触が可能な(具体的な存在である)生き物を相手にする分野においてなら、タイミングによって、頭角を現す人もいるということです。
うまく言葉で表現することができませんが、文系分野でも似たようなことはあると思われます。例えば、物理学に相当するものとして、文系だと、抽象的な事象を対象とする哲学や美学、および目に見えない事象を文字に置き換えるような言語学。生物学に相当するものとしては、文系では、具体的な事象を対象とする法律学、歴史学や民俗学、文化人類学、地理学等の分野が相当するではないかと、私は考えています。
このように区分するのには理由があります。数学の人と哲学の人がお互いの学問分野について話をすると、非常に話が通じると聞いたのです。同じように、植物学や動物学等の人たちと歴史学や文化人類学の人が話をすると、やはり話が通じるところがあるのです。共通の話題があるのか、それとも学問的な感覚が合うのか。原因はよくわかりません。しかし、私には学問を区分しようとした場合、理系と文系の区分のほかに、理系と文系を横断する大きな区分線が前者とは別に存在しているように思われるのです。
もし、将来の進路に悩んだら、理系と文系の区分線とは別の、上に示した理系と文系を横断する大きな区分線を引いてみて、自分の向き・不向きな分野を判断してみるのもありでしょう。
上の記述に加えて、理系と文系の境界にある地学と地理学について、次の2つの記事で、考察しました。
そもそも、理系と文系を分けて自分が考えている理由について、太平洋戦争の「学徒出陣」の時のことをもとに、本ブログのテーマに引きつけて書きました。
3.Twitterまとめ
ブログの記事を受けて、ネット上でのやり取りを踏まえた上での自分のつぶやきをまとめました。
@naka3_3dsuki 理系の人にとっては、それが先人の作り出した数式や物理学の理論だとか、化学式だとか、遺伝子の規則性だとか、一定の鉱物を含む地層だとか、そういうものが、文系の人にとっては、先人の文章やルール(法律や規範、文法とか)等に当たると思うんですよ。
— 仲見満月 なかみ・みづき (@naka3_3dsuki) 2016年9月7日
ここから少し、大学受験レベルでの理系科目・文系科目が前提のつぶやきが入っています。
@naka3_3dsuki 私の周囲の理系さんたちは、逆に少ない数式や規則性を覚えるだけて、あとは問題が解けたり、仕事する際の目安になったりするので、覚えることが少ないと、楽なんだと言います。確かに、家族の理系さんたちは、個別の事例を覚えるのが苦手で、私の言う蘊蓄は覚えられんと。
— 仲見満月 なかみ・みづき (@naka3_3dsuki) 2016年9月7日
本ブログでも書いている、中国の歴史・文学やら、日本の古典文学やら、そういった話題を「家族の理系さんたち」に振って、具体的な話をすることがあります。彼らの答えは、「歴史上の人物一人一人について、誰がどういうことをしたっていうことを細かく語られても、自分には、とても覚えられないよ!」です。そこで、私は「蘊蓄」をたれるのをやめます。
次に、連続ツイートの下のほうでは、「2.ブログ記事まとめ」の「3-4女子校で教員をするということ」の最後に言葉で説明できなかったことを整理して、文章にしました。
@naka3_3dsuki そんなに、誰もがはっきり理系ですよ、文系だ!というようなもんではないよ、と。理系・文系という両端があって、人によってどっちのほうが濃いか、という濃度の問題だと私は捉えています。
— 仲見満月 なかみ・みづき (@naka3_3dsuki) 2016年9月7日
@naka3_3dsuki 関数グラフにすると、x軸が理系・文系、y軸が抽象↔具体。そんなイメージですかね。
— 仲見満月 なかみ・みづき (@naka3_3dsuki) 2016年9月7日
イメージを図にすると、下のようになります。私の中では、現時点での仮の結論です。
(画像:関数グラフを模した「私とその周辺」の理系/文系のイメージ図、執筆者の作成)
なお、図中の文字の色、文字を囲む図形の形の意味は、
・縦軸:各分野であつかう事象の抽象⇔具体の度合い
・横軸:理系⇔文系の度合い
という、各軸の両端にある概念を区別するためのものであり、それ以上の意味はありません。
4.最後に
理系/文系の議論については、そもそもの定義が曖昧なところから出発しています。そのため、各言葉の定義を百科事典などで調べるところからやり直す必要を感じました。
理系・文系の定義を、辞書レベルから確かめないといけわさませんねぇ~ ところで、そんな日本語辞書の編集部が舞台の小説『舟を編む』が今秋アニメで登場です。 >RT
— 仲見満月 なかみ・みづき (@naka3_3dsuki) 2016年9月7日
そういうわけで、『舟を編む』を気にしつつ、理系/文系 を辞書で確認してから、この話題に戻りたいと思います。
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