論文執筆や研究の作業計画の予定管理法~ちょっとした工夫をしてみる~
<今回の内容>
1.論文執筆や研究の作業計画の予定管理法
度々、書いておりますが、リジェクトを食らいまくっていた投稿論文を本格的に書き直しているところです。プリントアウトした紙原稿に、手書きで赤入れや、事務局の連絡事項をスケジュール帳のメモ欄に記録しつつ、PC入力で原稿に手を入れていっております。バタバタしていて、Twitterやブログ関係のほうで頂いたメッセージにお返事ができてておりません。申し訳ございませんが、5日あたりに少しずつ、お返事しますので、もうしばらくお待ち下さい。
本日は、現在の私の論文原稿の執筆と関連しまして、その作業計画の予定管理方法のお話です。具体的には、次の記事:
の卒論や修論のライフハック的な2ー1.自滅した原因を分析し卒業ゴールに到達するため軌道修正するの次の部分を掘り下げます。
卒論も、修論も、順序は入れ替わったとしても、報告・連絡・相談の3つは重要なのです。就職して仕事を進めていく上で、私が教育関係のフリーター時代に読んでいた何かの自己啓発本にも、書いてありました。加えて、結果の完成度は一定水準のもので構わないと割り切ることが重要です。提出という締切日は何をしなくてもやってきます。大きな最終目標にたどり着くまでの限られた時間を、表やカレンダーで逆算していき、やれる作業を区切って日にちに割り当てていく。このスケジューリングに近いのは、プロジェクト管理だそうです。スケジュールは予定なので、思い通りに結果が得られず、進まないことが多い。そこで、ボスに当たる指導教員に細かく相談・報告をしていく、と。
(卒業論文・修士論文における学生の指導教員との付き合い方を考える~「かやのみ日記帳」のエントリ記事から~ - 仲見満月の研究室)
プロジェクト管理といえばかっこいいイメージですが、要は「作業計画の予定管理」ですね。実は、多動ぎみなADHDの傾向を持つ私が作業を進めていく上で、とりあえず、目の前に予定表を貼って細かい締め切りを自分で設け、やっていくというのは、有効でした。締め切りまで半年ぐらいの時間のある論文だと、気力が長続きしない質で、今回はこの予定管理法を使ってやっています。
例えば、修論を書く時、私は見開きの月間スケジュールの提出期限日を〇で囲み、1~2週間単位で帯状矢印を引いて、作業内容を書きいれていきます。例えば、「第1週目は箇条書きの研究メモから結論を文章に起こす」、「第2週目は本論の部分の章立てを推敲して、本文を書きなぐっていく」というようにします。
言葉だけだとイメージがわきづらい人もいると思うので、ある月の30日が提出締切のとある学会誌に投稿論文を提出すると仮定して、論文執筆計画をマンスリーカレンダーで作ってみました。執筆者は博士課程の院生で、査読つきのそのジャーナルに、初めて投稿するという設定にしました。
学会誌の中には、サマリー(要旨)を含めた原稿データをCD-Rなどのメディアに保存し、その記憶媒体を郵送で送ると共に、それとは別で事務局のほうに、原稿データを添付したメールで提出する規定になっているところもあるようです。今回、予定管理法で紹介した学会は、私が投稿したことのある人文科学系のいくつかの学会誌のシステムです。間に郵送する作業をはさむので、30日の17時までにメディアおよび原稿添付メールの両方が届いていないと、その原稿は審査対象とならないところもあります。実際は、上のカレンダーよりも、余裕をもたせた予定の組み方をしたほうが賢明でしょう。
一方、「「予稿」と「「学会の全国大会」って、なんだ?」(Yahoo!ニュース個人):続々「文章フィルタリング研究」案件に関する私的メモ~情報学の研究と文化人類学的な調査手続きに関する話 Part3~ - 仲見満月の研究室」(※'18.8.5現在、修正中で非公開)に登場したaijの会員の方の話だと、aijでは学会の投稿論文のデータを会員限定のサイトにアップロードするシステムだそうで、理系の学会ではこういった「電子投稿」の形で受け付けているところもあるんだとか。その会員さんは、学会サイトのサーバーにアップすればいいやと思い、締切日の23時50分に投稿フォームに入力完了し、アップした電子原稿とともに送信。無事、事務局に受け付けたという連絡が来て、審査委員に原稿がまわされたようです。
作業計画の予定管理に使うものですが、私の場合、一ヶ月が見開きのマンスリーカレンダーに、3色くらいフリクションペンを使ってやってきました。その前には、Googleカレンダーをスマホに入れ、適宜、予定を書き換えながら使っていました。が、機種との相性があるためか、同期がうまくいかなくなり、よくフリーズする事態が発生したため、紙のスケジュール帳に戻りました。
ここまでが、スケジュールの管理は自分一人で調節できる卒論・修論・博論、学会誌の投稿論文の予定管理法です。
2.チームプレイの雑務作業はどうしようもなかった話
ソロプレイの論文執筆に対し、研究室のチームで論文集の校正作業をした際は、ハッキリ言って、学習性無気力に襲われながら作業を続けました。どういうことかというと、言われていた最終ゴールが、科研費の出版助成部門へのチャレンジで、落ちるたびに一年ずつ延長されていき、その延長が数回、繰り返されたように思います。そのうち、別の出版物の校正作業が加わり、そっちも出版助成部門で落ち、最終ゴールがエンドレスに延びていく。最終的なゴールがどんどん遠くなっていくことは、当時の私には地獄でした…。
始めたのがM2なのに、結局、出版されたのが博士課程の終わりごろになったものもあったような気がします。そのうち、区切りごとの作業終了予定日が設定されなくなり、ボス先生に聞いても、区切りの予定日を教えてくれませんでした。区切りの日くらい伝えてもらわないとこっちは精神的に困るのに、相手は困っていないという、何というすれ違いなんでしょうかね…。
いかに、期限の延長によって、自分がモチベーションを他人に下げられる人間かということを自覚しました。
そのうち、私は、
院生時代にいた研究室でのボス先生の研究会や学会の論文集の編集業務をしていた時、私は日付が変わった直後に自転車で川沿いの道を入っていた帰宅途中、「ああ、このまま、ガードレールに当たって川に落ちて溺れたら、明日はとりあえず、編集の仕事をしなくていいんだな」ということを考えていたことがありました。その思考は、本書のプロローグで著者が陥ったのと同レベルで危うかったでしょう。
(おまけに、学生のただ働きのことが多くて、残業代なんて入らなかった…)
という状態になりました。
どうにかして、作業をしたくないと訴えなければ、死んでしまう…。というギリギリな私は次のようなことをしました。
そうは言っても、私は先輩方は黙々と業務をされているし、口に出して一人で断る訳にもいかなかったため、「科研費の出版部門に落ちたから、最終締め切りが延びました」という取りまとめ役の常勤講師の先生が院生部屋に来た時、研究室メンバーが集まっている真ん前で、ゴチーン!と自分の席のスチール製本棚の柱に頭突きをかましました。言葉で言えない私は「もう、自分はその仕事、できません!」と行動で示し、研究室のメンバーを無言にさせ、ボス先生が常勤講師の先生に院生にこれ以上、仕事をふらないように仰いました。これ以降、口実を見つけては「ごめんなさい」と感じつつ、資料調べのふりをして、雑務から逃げるようにしました。
そういうわけで、似た者同士の人たちが集まっても、片方が短いタームでの締切がないと作業できなくても、上司の立場の人たちが困っていなければ作業過程を教えてと下っ端が求めても、答えてくれません。ADHDの傾向のある私には、死にそうな苦しさであり、チーム全体の予定に合わせて、自分の作業計画の予定を組むのはできませんでした。
3.最後に
チーム全体の予定に合わせて、自分の作業計画の予定を組むことができなかった私は、改稿に苦しみながら、「ソロプレイの論文誌筆って、ちょっと気楽だなぁ…」と実感しております。もっとも、論文集に寄稿する場合は、もっと大変なんでしょう。
今回の論文執筆や研究鵜の作業計画の予定管理のやり方は、私に合った方法です。読者の皆さんには、それぞれ、合ったやり方があると思いますので、参考程度になさっていただけたらと思います。
そろそろ、論文の作業に戻ります。本記事は、ここでおしまいです。それでは、また後日!