仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

院生と研究室の雑務・事務の要員問題、および院進について~アカハラ問題の目次記事、院試に関する記事の更新と合わせて~

部屋の片づけをできそうかな、くらいの調子になりつつある、ここの執筆管理人の仲見です。桜に気を配っている余裕が欲しいです…。

 

そろそろ新学期の準備シーズン。弊ブログでは、アカハラの目次記事、院試準備に関する記事を更新しました:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

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<本記事の内容>

1.アカハラ問題の目次の記事更新、および研究室の雑務・事務要員と学位取得を目指す院生のこと

アカデミック・ハラスメントの記事まとめのほうは、2017年10月以降、2018年3月25日までのテーマに沿った新しい記事を拾って、目次に加えました。新設した項目は、「2-7.セクシュアル・ハラスメントが含まれると思われるケース」です。また、「2-2.学生に手伝いや雑務と言う名の度を越した労働をさせる事例」のところに、本日まとめさせて頂いたTwitterのモーメント記事を加えました:

twitter.com

 

博士課程の受験を考える人がラボを選ぶ時、または既に所属している院生が「何か、おかしくないか?」と感じた時、おかしいか、そうじゃないかの判断ポイントとして、

  1. その研究室から博士号取得者が出ているか
  2. 博士号取得者が出ている場合、雑務や事務のスタッフ、秘書はいるか
  3. スタッフがいない場合、所属学生の雑務労働の量は、どれほどか

といったあたりが挙げられます。

 

1は、研究室の先生が博士院生を適切に指導できるか、あるいは大学教員に後進の研究者を育成する気があるのか。2は、ラボに十分な予算が下ろせていて、雑務・事務を任せられるスタッフが雇えるほど、資金と人手に余裕があるか、またそのための適切な手続きができていているか。3は、どうしても行きたい研究室と先生のいるところに進学をしたい場合、自分が博士論文を書く余裕があるか。

という状況や状態について、大まかに判断できると思います。

 

まとめ主である私の周辺のラボでは、2について、「雑務や事務のスタッフ、秘書」がいるところは、主に理系の実験系かフィールド系が多かったですが、実験やサンプル採取の後片付け、調査地でのテント設営や食事の準備等は、所属学生がやっていたようです。そういうわけで、3との関連ポイントでは「4.雑務や事務の労働量が所属学生の間である程度、バランスよく配分できているか」ということが挙がってくるでしょう。

 

私のいた研究室は、1はクリアし、2は×、3は拘束時間が長い人もいた、4は全体として労働量が多く、その分配は公平だけど個々人の研究を圧迫していた様子、でした。

 

あと、これは完全に私個人の問題でしょうが、きちんと論文指導をして頂いても、研究がうまくいかなくなると、雑用に逃げて論文を書かなくりかけたことがあります…。一度、ボス先生に「雑用はしなくてもよいですよ。それより、自分の論文を書きなさい!」とお叱りを受けたことがあります。その時、「それなら、院生が気にしなくてもよい雑務は研究資金を使って、スタッフさん、雇ってください」と言ったことがありました。自分がいちばん下っ端だったこともあって、先輩がいなくて、ボス先生とサシでゼミスペースにいた時、言ってみたことを思い出しました。

 

どうやら、手続きが面倒らしく、スタッフ要員を雇えないまま、余裕のない先輩や私に「お給金はきたけど、十分な働きができなくて、授業のスライド作りや書類作り等で、メンバーの研究に使える時間が減らされていく…」という感じになっていきました。後に分かったことですが、科研費助成金補助金を使う際の手続きが面倒だったり、締めつけが強かったらしく、事務要員を雇うために院生が手続き書類に人手を出されそうになるという…。ここらへんの複雑怪奇な事情は、次の拙記事をお読みください:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

こういった柔軟性のない今の研究現場のシステムは、じわじわと若手研究者の心身を蝕んでいくと思うんですが、読者の皆さま、いかがでしょうか。

 

加えて、研究室で院生が仕事をさせられていると、後から入って来た学生は、低い賃金、あるいは無給で雑用をするのが当たり前だと認識してしまい、自分のことが後回しになる恐れがあります。私のいた研究室や講座は、先輩方が仕事のできる人たちで、韻を出てからも役立っているスキルは残りました。しかし、労働量の度が過ぎると、一時、私が陥っていた「雑務で忙しいんだから、研究しなくてもいいや」という意識が所属学生に発生してしまったり、学生は研究をしに大学院に来たのに、気づいたら雑務要員にされてしまったりしては、本末転倒の状況になってしまいます。

 

おかしいと気づいたら、できるだけ早い段階で進学を避ける、または、学外の研究者に相談しつつ、証拠を集めてラボ脱出を目指してください。

 

 

2. 院試に関する記事の更新

1と内容が間接的に関わりますが、大学院の進学に関する2016年の記事をひとつ、更新しました: 

【'18.3.25_0245更新】大学院に行きたいと思ったら身に付けるべき学力のこと~その2:専門科目編+院試全体の流れ等の補足~ - 仲見満月の研究室

 

更新したのは、次の2点です。

 

 その1.「3-1.まず専門科目の出題内容を過去問で確認する('18.3.25_0245更新) 」

近年、大学院によってはオンライン上に過去問を公開しているところもあるという情報をキャッチしました。どこの大学院が実際にサイト上に公開しているのか、調べたことを含めて、追記しています。

 

 その2.「5.補足:院試全体の流れや他に準備すべきこと」

大学院の入試準備では、語学と専門科目の試験対策にくわえて、様々な準備が必要なため、全体の流れ、やるべきことについて、

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 の「3.大学選びから受験まで~第2章を中心に~」にリンクを貼りました。研究室や、指導教員の候補の先生にアポをとること、指導の相談を行って受験の許可を取ることから、必要な書類準備など、関連する別記事へのリンクも貼りました。現役学部生が修士課程を目指すうえで、共通して注意すべきこともピックアップしました。

 

この記事での更新をもって、院試準備に関する全体的な流れの別記事執筆に替えさせて下さい。

 

 

3.最後に

今回、説明を補足した「雑務・事務要員に院生をする問題」は、研究資金がとれにくくなってきたり、資金使用の締めつけがきつくなったり、スタッフを雇いたくても雇えない側の事情があるように感じ、心苦しく思います。それ以外の背景には、先生自身が院生のころ、雑務や事務をこなしながら、レベルの高い論文を書くのが当たり前、という厳しい環境で若いころを過ごされ、それを問題だと認識しないまま大学教員になり、自分の受け持ち学生に課しているケースもあるのではないでしょうか。

 

特に、本日まとめさせて頂いたモーメント記事につきまして、様々なご意見、ご感想を募集いたします。まとめ主の仲見満月( @naka3_3dsuki )に向けて、こちらから匿名メッセージでもよいですので、お聞かせください。

 

おしまい。

 

 

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