仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

#研究計画書 って、何を書いたらいいの?をざっくり補足~#大学院 入試( #院試 )の提出書類~('18.11.30、午前11時更新)

1.まえがき

学部では、卒業論文の執筆がラストスパートにかかり始めるこの時期、皆様、ご体調はいかがですか?私は昼夜の寒暖差についてけず、喉が痛い時があります。

 

卒論を書いている学生のなかには、同時並行的に年明け1月~2月ごろにあるの冬季の大学院入試(院試) 、そこで提出する書類準備を気にしている人もいるのではないでしょうか?実際、年末に差しかかると、ブログやTwitterを通じて、提出書類のことで、私に相談をしたい方がポツポツ、いらっしゃいます。書類の中でも、要となる研究計画書が、院試を抱えた方の頭を悩ませる模様。

 

そういうわけで、今回は緊急企画!以前、「専門卒社会人の著者による大学院修士課程の受験体験記~森井ユカ『突撃!オトナの大学院』~ - 仲見満月の研究室」の院試準備の過程d見た、3-5.「研究計画書って、なんだー?」を振り返りつつ、研究計画書には何を書いたらよいのか?また、書き方のガイド本にはどういったものが出ているのか?ざっくり補足したいと思います。

 

急いでいる人は、2へと進んでください。

 

 

2.森井ユカ『突撃! オトナの大学院』の中の「研究計画書」を振り返る~その役割と書く時の視点など~('18.11.30、午前11時更新)

本項の見出しに入っている『突撃! オトナの大学院』とは、造形作家の森井ユカさんが、専門卒の社会人で大学院の入学を目指す受験体験記です。大学院を受験するまでのいきさつ、受験資格ゲットを経て、合格するまでのプロセスは、現役の院受験生の方にも参考になると思います。詳細は、「専門卒社会人の著者による大学院修士課程の受験体験記~森井ユカ『突撃!オトナの大学院』~ - 仲見満月の研究室」をご覧ください。

 

受験体験記の中で、今回は院試を受けるにあたり、提出書類で重要な「研究計画書」について、上記の拙記事の3-5.「「研究計画書って、なんだー?」を振り返り、必要な時には『突撃! オトナの大学院』を再読して、説明を加えていきます。

 

本題の研究計画書とは、

願書と一緒に出す書類の一つが、こいつ。記入用紙は願書一式に同封されており、入学後の2年間、どのように研究を進めるために過ごす方法を伝える大切なもののようです(中略)

 

確かに、書き方の参考書も、Amazon楽天ブックス、hontoなどオンライン書店で検索すると、山ほどヒットします。著者によると、押えるべきポイントが多いこともあって、添削指導や直接指導する予備校まであるんだとか。

参考書を見比べ、著者がピンと来たのは次のものでした。

 

この本によると、

研究の意味・意義・位置付けをしっかり考え、どうしてその研究が重要なのかについて明確に相手を納得させるもの、

(本書p.88)

というものが「研究計画書」だったと。

 

東京造形大学大学院の研究計画書にあった項目は、

  • 本学大学院への志望理由(約250字)
  • これまでに学んだり、研究したこと(約600字)
  • 研究テーマ(約150字)
  • 研究計画や方法などについて具体的に記入(約730字)

の4つでした。なお、文字数は著者なりにみっちり、記入した場合の概算の数。彼女の研究内容は、「日本人にとってかわいいとは何か」であり、この不可解なモノを探究し、自分が担当しているキャラクターデザインの授業、事務所での仕事に生かせるように、意気込んで書類に書き込んだそうです。仕事と関わるテーマだけに、面白そうです。

この研究計画書の時点で、著者は修士制作を選択して、それはどのような体裁にするのか、というところまで明記していたそうです。「たいていの美大では、修士論文修士制作化を選ぶことができますが、おそらくそこまで書かなくても大丈夫でしょう。」(本書p.90)とのこと。

 

専門卒社会人の著者による大学院修士課程の受験体験記~森井ユカ『突撃!オトナの大学院』~ - 仲見満月の研究室

 

という説明を、「3-5.「「研究計画書って、なんだー?」」では書きました。

 

重要な箇所を再度、繰り返します。受験者にとって研究計画書とは

研究の意味・意義・位置付けをしっかり考え、どうしてその研究が重要なのかについて明確に相手を納得させるもの、

(本書p.88)

という存在です。

 

さらに私が再読すると、森井ユカさんはこの書類について、次のような点で理解を深めたとことが判明しました。

「いついつに何をします」というような、自分本位の研究予定の箇条書きは論外であるということがわかりました。

(本書p.88)

そこには、客観的な視点をもち、研究の重要性を説明することが鍵になると、私は感じました。

 

研究計画書の具体的な書式や設定されている項目は、大学院ごとに異なるものの、一例として、森井ユカさんの受験した

東京造形大学大学院の研究計画書にあった項目は、

  • 本学大学院への志望理由(約250字)
  • これまでに学んだり、研究したこと(約600字)
  • 研究テーマ(約150字)
  • 研究計画や方法などについて具体的に記入(約730字)

の4つ

専門卒社会人の著者による大学院修士課程の受験体験記~森井ユカ『突撃!オトナの大学院』~ - 仲見満月の研究室

でした。森井さんは造形作家として今後の仕事に生かすことを意識し、計画書を書いてまとめたことがうかがえます。

 

なお、大学院に入ってから書くことになる修士論文や、それに当たるものについて、森井さん自身は「この研究計画書の時点で、著者は修士制作を選択して、それはどのような体裁にするのか、というところまで明記していたそう」です。とはいえ、

「たいていの美大では、修士論文修士制作化を選ぶことができますが、おそらくそこまで書かなくても大丈夫でしょう。」(本書p.90)とのこと。

専門卒社会人の著者による大学院修士課程の受験体験記~森井ユカ『突撃!オトナの大学院』~ - 仲見満月の研究室

でした。それから、後述する『合格ナビ!研究計画書の書き方』の本によると、計画書の段階で、(予想される)結論までは書かなくてよいそうです。

 

ここまでのポイントをおさえた上で、実際に下書きをし、入試要項に付いている書式用紙に清書していくことになるわけですが、

  • 下書きは手書きがいいの?PCがいいの?
  • どうやって推敲をしていったらいいの? 

とやり方に困る人もいそうです。森井さんの場合、次のような方法で研究計画書を書いていったんだとか。

研究計画書はマス目ではなく罫線の引かれた両面A3の用紙でした。だいたいの文字数を計算し、最初は別紙にパソコンで打ち、次にそれを見ながら用紙へシャープペンシルで下書きし、最後に細いペンで清書します。

(本書p.90)

 

過去に私が経験した院受験では、計画書の用紙は縦長の長方形の枠だけあり、その枠内を区切って、用紙の上部に書いてある項目を立て、書いていくスタイルのところがありました。大学院によっては、

  • PCで出力した印刷物を無地の枠内に貼り付けても可
  • Microsoft Word対応の書式を大学院のサイトでダウンロードし、PCで入力して完成したら印刷出力して提出

というところもあるとか。受験大学院の書式に合わせて、自分なりのやり方を早い段階で見つけると、その後の作業がスムーズにいきそうです。今の私なら、フリーハンドで見出しをA4用紙に書き、各内容を書いて整えていくでしょう。枠内が無地の書式で手書き必須なら、下書きも聖書でも、用紙の下に罫線のある同じサイズのレポート用紙を敷き、用紙の上から罫線を透かし、文字がまっすぐ横書きできるように工夫します。

(漫画描きが使うライトボックス、ランプシートをお持ちの方は、その上にレポート用紙、またその上に研究計画書の用紙を載せ、下からライトで照らすとよいでしょう)

 

以上、『突撃! オトナの大学院』の中の「研究計画書」でした。

 

 

3.研究計画書の書き方ガイド本について~最後に~

研究計画書の役割と具体的に書いたらよいのか、ざっくりですが、補足しました。「そうはいっても、じゃあ、合格するための研究計画書って、どう情報を整理してまとめていけばいいの?」と困る受験生もいると思います(私なら困る)。最後に、ごく簡単ですが、私が手に取って捲った書き方ガイドの本を紹介致します。

 

1冊目は、森井さんの本にも出てくるこちら↓

 

 

2冊目は、一昨年に出たこちら↓

 

計画書の事例は最低限の掲載。210ページ程度でコンパクトながら、指導教員の選び方とゼミ訪問のポイント、指導官として志望する大学教員と事前に会っておく重要性、筆記試験の対策、研究計画書の構想から纏め方、さらに面接試験の対策といった重点はしっかり押さえられています。大学院の受験予備校が編集。3000円程度です。院試まで半年を切っている人が、パッと手に取るならこちら。

 

ほかにも、特定の学術分野に特化したような研究計画書の書き方ガイドもあるようです。ご自身に合ったものを探して、参考にしてみてください。

 

今回はここまで!おしまい。

 

 

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