仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

学術図書の「自炊」で苦労した話

スキャンがらみの苦い思い出について。

 

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 まだ、コピーした論文を、ゼロックスの業務用複合機(大学や図書館などに設置されている重くて大きなもの)のカバー上の蓋を開けて、自動読み取りでスキャンしているのは比較的ラクです。読み取りの途中で紙詰まりが起き、蓋からグシャなコピー元原稿を引き出す以外は。 

 煩わしいのは、分厚い学術図書や出版された学位論文を丸ごと一冊、スキャンしなければならない場合。まず、こういった研究関連の図書って、300頁以上かつハードカバーなものが大半を占めています。一冊に付き2~3時間くらい、本当にかかります。

  つらいのは、そのハードカバーをいちいち人力で捲り、ゼロックス複合機の重たいカバーを持ち上げるように開け、ガラス板に見開きでスキャンされるよう、置いていくこと。一連の動作の途中で、ページが折れてしまったら、心がぽっきり、折れますとも。

  こういうのを、2~3時間、延々と繰り返さないと一冊、終わらないのです。大学院時代、一日、自分用にスキャンするのに3冊が限界でした。それに業務用の機械は講座(研究室の集まった大学院研究科内の単位)内で共用のもの。複合機を独り占めするわけにもいかないと。

 

 よく、「図書の中から研究に必要な論文を1つだけ、コピーやスキャンすればいいんじゃない?」と友人から言われました。元人文科学系の者から言わせてもらえれば、「じゃあ、その一冊丸ごと、自分の研究と深く関連する上、すべて必読だったら?」チョイスは無理です。 

 チョイスして読み、素直に図書の中から一本だけ論文を参考文献に挙げて学会発表したら、「お前は、その分野の基礎的な研究者の図書一冊、すべても読めないのか!」と先輩から張り倒されかねなかったのです。

法律の関係で、自炊業者にも頼むわけにいかないのですよ・・・。

 

 そういうわけで、大学院修了と共に研究室を出る際、引っ越し作業にともなうスキャン作業は、死ぬかと思いました。図書によっては、一旦、作業室の裁断機で本をバラし、複合機で自動読み取りにかけました。

 その後、裁断でバラバラなページや表紙などのパーツをきちんと組み立て直して無線綴じで接着し、背表紙にダブルクリップを5個ほどつけてとめ、読めるように復元しました。こういう形の面倒な作業が出来たのは、2冊が限界でした。製本し直したのは、電子媒体とは別で、本として捲り、本文に線を引くなどして使うためです。

 

 それから後、現在の飼い主殿と暮らし始めました。案の定、自宅の本棚に研究室から持ってきた本が全部は入らない。しかも、前述のスキャンしにくいハードカバーの図書の量が多い。現在も、これらの図書は我々の生活を圧迫し続けております。

 

 というわけで、元人文科学系研究者が身近におられる場合、気軽に「本を自炊スキャンして、生活スペースを作りなよ」と言わないでください。

 自分で一冊300頁を超える図書を自炊スキャンするのは、大変なんです!特に、業務用よりケタ外れに処理スピードの劣る家庭用複合機での自炊は、続けていると虚しさに負けそうになります(経験あり)。

 

 そして、現在、人文科学系の院生の皆さんは、できるだけ、お金と時間のかからない、合法的な自炊方法を見つけてください。

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