仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Korea is Wonderland!~野崎充彦『コリアの不思議世界 朝鮮文化史27話』~

◆朝鮮王朝時代の漢文 - 仲見満月の研究室 ◆ハングルにも旧字体がある?! - 仲見満月の研究室 先週、更新した上の2つの記事を読み返していて、ふと、朝鮮・韓国の歴史や文化を広範囲かつ、そこそこ深く掘り下げた新書を思い出したので、今回、取り上げます。…

日本語におけるジェンダー的な背景を探る  ~平田オリザ『わかりあえないことから』~

どうも、連日、長々とした記事を書いている、ここの管理人の仲見満月です。コミュニケーションについて、私は話す・聞く、書く・読む。このどれについても、日ごろから難しく感じています。 家族に共通の知人を交えて遊びに行くとき、その場によって人の呼び…

精神を病み、体が丈夫だったが故に不幸となった女王~ホセ・ルイス・オライソラ『女王フアナ』~

naka3-3dsuki.hatenablog.com 先日、上の記事を書いていて、スペインが南イタリアを支配していたことから、トラスタマラ家スペインの女王フアナの伝記を読んだことを思い出しました。 ホセ・ルイス・オライソラ/宮崎真紀 訳『女王フアナ』(角川文庫)角川書…

ポケモンGOの前身・イングレスと地域アートから博物館や美術館の可能性を考える~藤田直哉「イングレスと地域アート 『饗宴のあと』についてのノート」~

<お時間に余裕のない時は、0-2からどうぞ!) 〈今回の記事の目次〉 〈今回の記事の目次〉 0.前置き 0-1.ポケモンGO、始めました 0-2.藤田直哉さんの「ノート」について 1.「イングレスと地域アート 『饗宴のあと』についてのノート」概要 …

大航海時代と搾取される南イタリアと~池上俊一『パスタでたどるイタリア史』~

季節に関係なく、なぜか私は週一回以上、麺類を食べたくなります。ラーメン類とパスタ類は特に群を抜き、一週間のうち、両方を一回以上食べたこともあったと思います。そんな食べ物について、今回はパスタを通じて見たとある国の歴史をまとめた本を1つ、紹介…

冬と花火と中国の呪術的なこと~夏花火の日本で異文化を叫ぶ~

テレビやタウン誌で、とうとう、花火大会の特集が組まれる時期となりました。とある番組によれば、世界中の花火が中国にある工場で作られているそうです。いわば中国は、世界のありとあらゆる花火の技術が集まっているとのこと。 この話を聞いて、ふと、中国…

「その、すこやかならざるときも」~『あの街で二人は ‐seven love stories‐ 』~

夏休みに突入して、約1週間。花火大会に行ったり、旅行に出かけたり、帰省したり…。今回は、ちょうど2年ほど前の7月、夏休みに行ってみたいと私が読んでいて、考えた本をレビュー致します。 あの街で二人は: ‐seven love stories‐ (新潮文庫) posted with …

「世間」の眼差しと子ども~石川結貴『ルポ子どもの無縁社会』~

本格的な夏休みに突入して、数日。ポケモンGoを(いろいろ試行錯誤して)始めた私の横で、幼稚園生くらいの姉妹らしき女子が2人、それぞれが丈の長い虫取り網とプラスチックの虫かごを持って、同じ虫取り道具を持った父親と共に、セミを捕まえようとしてい…

元理系院生・山下彩香の生き方~フィリピンから少数民族の伝統文化を発信~

0.はじめに 前回の伊能まゆみさんの記事に続く、元院生の行き方・第2弾。今回は、学部・大学院と理系分野に在籍していたけれど、出会いがあって、フィリピンの山岳地域から現地の文化をアクセサリー製作や音楽を通じて、発信する生き方を選んだ山下彩香さ…

朝鮮王朝時代の漢文

*これは、修士課程のころのお話です。 ある日、昼のゼミ発表で「やっと発進した感じだね~」と先生に言われ、苦笑いしかできなかった私でした…。 それはさておき、ここ何ヶ月か、朝鮮王朝末期の文献を、朝鮮・韓国哲学のゼミにお邪魔して、読んでいます。文…

ハングルにも旧字体がある?!

これも、大学院時代の話です。 ある日の夕方、研究室を出ようとしたところ、ご近所の研究室の韓国人の友人Lさんが「この資料、難しい漢字があって読めないんです!何の漢字ですか?」と、新聞記事のコピーらしき束を持って、私のところにやってきました。 ワ…

大学院に行きたいと思ったら身に付けるべき学力のこと~その1:語学編~

7月下旬から8月初旬は、世の大学生(学部生)が期末試験の勉強やレポートに取り組み、あたふた、している時期だと思います。 自分のころを振り返ってみれば、大学のあちこちで勉強している学生で席が埋まったり、また内定を手にした4年生が後輩の就活相談に…

元文系院生・伊能まゆみの生き方~ベトナムで農業支援事業~

<今回の内容> 0.はじめに 1.伊能まゆみさんの経歴 大学入学と留学のきっかけ ベトナム留学から一橋大学大学院へ、そしてJVCベトナム事務所赴任と仕事 2.NPO法人Seed to Tableの設立と活動 ①北部山岳地域のホアビン省での活動 ②南部のメコンデ…

【2017.4.22追記】大学・大学院で使うコピーカードの話

今回は、日本の大学・大学院で使われている「コピーカード式コピー機」の話。 一部の大学では「タダコピ」といった、学生向けの無料コピー機が導入されています。 www.tadacopy.com しかし、かなりの大学では今もコピーカード式コピー機が稼動しています。利…

FIFAマスターと宮本恒靖の取り組み~スポーツの経営を学ぶ修士課程~

下の記事を書いていて、スポーツに関する大学院修士課程がFIFAに運営されいて、そこに元サッカー日本代表の宮本恒靖氏が行っていたらいしという話を思い出しました。 Japones, Japonesas y futbol~川内イオ『サッカー馬鹿 海を渡る』~ - 仲見満月の研究室 …

Japones, Japonesas y futbol~川内イオ『サッカー馬鹿 海を渡る』~

最初は後輩が部室に置いていて、そっから借りた後、とうとう、自分で買ってしまったサッカー仕事人たちのインタビュー&エッセイ集を紹介です。 サッカー馬鹿 海を渡るーリーガエスパニョーラで働く日本人 posted with ヨメレバ 川内 イオ 水曜社 2009-01-14…

コミュ障の地元女子大生の恋愛と成長~シギサワカヤ『溺れるようにできている。完全版』~('19.6.30、1時台の追記)

抜き差しならない、そして面倒な状態へと進んでゆく、男女の重い関係を描かせたら、おそらく右に出る者はいない(と私が勝手に思っている)、漫画家のシギサワカヤ氏。 シギサワカヤ『溺れるようにできている。完全版』白泉社、2015年 本作は、様々な出版社…

海外の大学院の話 その2~台湾の大学院と就活を例に~

(画像:台湾大学医学院付属病院) <本記事の内容> 3.前回の内容 4.台湾の大学・大学院では卒業・修了してから就職活動するもの 5.じゃあ、留学生は日本で職を得るにはどうしたらいいの? 6. 終わりに 3.前回の内容 台湾の大学院と就職活動につい…

大学・大学院のトイレ~マイノリティーはつらいよ~

今回のテーマは、大学・大学院の施設にあるトイレの話。 副題の「マイノリティー」とは、具体的に言えば、①女子大学・女子大学院の男性職員や男子科目等履修生等(条件付きで自分の大学の系列女子大に資格取得に必要な授業を受けに行くなど)、女子大学にあ…

海外の大学院の話 その1~台湾の大学院の修士課程について~

<本記事の内容> 1.はじめに 2.台湾の修士課程は2年間では修了できない?! 1.はじめに 先日、私の書いた諸々の大学院の記事に反応して、あるフォロワーさんがいらっしゃり、いろいろとお話をしました。貴重な機会だったので、うれしかったです。 脳…

文系女子から見た理系男子の生態@京都~瀧羽麻子『左京区七夕通東入ル』~

Top画像を京都の祇園祭に変えたところで、思い出した小説がありました。その作品は、京大出身作家としては珍しい(特に2000年代以降の有名どころは男性ばかり)、女性の書き手による小説となっています。 研究に没頭し、大学院へと進学していく理系の男子学…

【目次】大学院志望者に向けた記事まとめ~主に文系分野~(2018.12.5、14時台更新)

1.進学前に知るべきこと・やるべきこと naka3-3dsuki.hatenablog.com naka3-3dsuki.hatenablog.com naka3-3dsuki.hatenablog.com 院受験をする際、全体を見通すのに役立つ本2冊を紹介(人文・社会系、美術系) naka3-3dsuki.hatenablog.com naka3-3dsuki.h…

【2017.4.25_1915追記】やさしく紡ぐ時間と絆~「イブの時間 劇場版」~

春の学会申し込みが終わり、一息つこうとレンタルDVDを見ました。 「イヴの時間 劇場版」 [Blu-ray] posted with ヨメレバ 佐藤利奈 角川映画 2010-07-28 Amazonで購入 Kindleで購入 リンク先にもありますが、ストーリーは…近い未来、ロボットが実用化されて…

【2017.4.25_1855追記】近未来京都で青年の再生を描くSF映画~WIT STUDIO「HAL−ハルー」~

「進撃の巨人」の制作スタジオであるWIT STUDIOが制作している映画「HAL−ハルー」を見てきました。 たぶん、webアニメ・映画の「イブの時間」、高畠エナガ『Latin』など、アンドロイド(人型ロボット)と人間の織りなす作品が好きな人には楽しめるかと。本編は…

「リスクを知ったうえで文系大学院に進もうか」

人文科学系の大学院に進学するのはリスキナーなことではあったが「なんとかなる」という根拠のない算段のもと、わたしにとっていつの間にか、息を吸うこととミャンマーに関わることは、同じくらい当たり前で、大事なことになっていた。 そうして進学した直後…

ジャーナルと院生をめぐるお金の話~掲載料のこと~

はじめに 本日のテーマは、院生の研究業績とそれを積むのにかかるお金の話。具体的には、院生が研究成果を文章にまとめ、それを投稿論文の形で学会の発行する学術雑誌やジャーナルに提出し、審査を通過する=査読に通り、その査読論文が掲載される時に発生す…

大学院に行きたいと思ったら知るべき「初歩」のこと~大学院の進学システムと就活~

今回の記事は、大学院への入学やその準備のことについて、やるべき「初歩」のことを書いた下のお話と繋がってきます。 naka3-3dsuki.hatenablog.com むしろ、大学院在学中の就活、その後の人生設計(あるいは計画)をする上で、経済的な問題とも絡んでくる話…

大学院に行きたいと思ったらやるべき「初歩」のこと~文系大学院の志望者向け~('20.5.20、23時台、 #リンク貼り直し )

「大学院に行きたい!」と思ったら、まず、何からしたらいいのか?どういうことを考えて計画し、どんな準備をしたらよいのか?ここの記事で書く予定にしていたことを、順を追って説明していきたいと思います。 なお、今回は、文系大学院の志望者に向けて書い…

ジョブズだって「人」であるーヤマザキマリ『スティーブ・ジョブズ』ー

ヤマザキマリ『スティーブ・ジョブズ 1』( KCデラックス) 講談社、2013 奇人変人と言われたアップル創業者の伝記コミカライズ。実はジョブズって、高校時代に文学作品に興味を持ったり、少し経ってボブ・ディランを聞いたり…。読んだ印象ではクラスメイトた…

【レビュー】大橋崇行『ライトノベルから見た少女/少年小説史』

昨日、読了したばかり、ホヤホヤの本です。レビュー致します(常体で)↓ ライトノベルから見た少女/少年小説史: 現代日本の物語文化を見直すために posted with ヨメレバ 大橋 崇行 笠間書院 2014-10-15 Amazonで購入 Kindleで購入 楽天ブックスで購入 楽天k…

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