仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

『なかみ博士の気になる学術系ニュース』'26年2月 増刊号の情報~「近代中国文学の父・魯迅」特集号~

1、はじめに

2000年代以降、私が中国近代以降の文学に目を向ける契機となったのが、魯迅の存在でした。中学生の時に国語で「故郷」を先生が授業で取り上げられ、色々と衝撃を受けたのを覚えております。最も大きな衝撃は、清王朝まで東アジアの大国だった中国がアヘン戦争以降、列強によって領域のあちこちに租界を作られてからの衰退。近代化では、日清戦争で負けてから、清国内で革新の動きが起こります。変法運動もそのひとつでしたが、それを押し進める康有為等の台頭をよしとしなかった西太后に、潰されることとなりました(戊戌の政変、1898年)。

 

近代化の波を受け、旧弊な家制度や思想が残り、そのギャップに苦しむ中国の人々の姿をこれでもか、と詳細に描き出したのが、魯迅でした。その代表作が「故郷」です。当時、前近代の中国の『三国志演義』や『水滸伝』といった、男たちの血湧き肉躍る、そして華やかさを持った作品しか知らなかった14歳の私は、「こんな近代化の中で書かれ、寂れたような文学作品も、中国にはあったんだ……」と大変なショックを覚えたのでした。

 

日本の中学生の国語科目で「故郷」に触れた方々にも、そうでなかった方々にも。いっそう、グローバル化が進み、今、外国人の人たち。特に、現代中国の方々の思考的な基盤を作った作家・魯迅を改めて、知ってもらいたい!そう考えて、今回の入門ブックレット的な特集号を作りました。

 

表紙画像は、こちら↓

 

 

2、『なかみ博士の気になる学術系ニュース』'26年2月 増刊号の情報

先にサイズや本文の長さなど、仕様の情報を掲載しておきます↓

 

 ・タイトル:『なかみ博士の気になる学術系ニュース』2026年2月 増刊号
 ・特集「中国近代文学の父・魯迅入門」
 ・著者:仲見満月(なかみ・みづき)
 ・発行年月日:2026年2月8日 初版
 ・ページ数:26ページ(本文、モノクロ)
 ・サイズ:B5(高さ25.7×幅18.2センチ)
 ・価格:【600円】(※通販用の残部が無くなった後の受注生産、及び使用した資料代のため、設定価格が高め)

 

本誌は、2017年6月にはてなブログに掲載した「【朗読 #ツイキャス魯迅『故郷/阿Q正伝』(光文社古典新訳文庫)とその他著作の紹介」にて、動画や音声の配信ができる旧Twitter(現在のX)と連動したオンラインサービス「ツイキャス」で、私が魯迅の「故郷」等の作品を朗読したり、魯迅の経歴やその他の作品を紹介したりした記事から、始まります。朗読の音声データはツイキャスアーカイブ保存されており、本文中のQRコードで読み取ると、私の声が再生される仕組みです。このように、本誌は一種のオーディオブック的な役割を持たせました。

 

2記事目では、本誌では、日本に留学した経験のある魯迅の意外な側面について、彼自身が日本語で記した作品のあることを紹介しています。その作品の1つが「兎と猫」という短編です。青空文庫に収録された井上紅梅の訳と、読み比べをした印象を書いています。

 

3記事目では、魯迅によって、芥川龍之介等の近代日本文学の一部が中国に紹介されたことに影響を受けたと考えられる作品に触れています。特に、芥川龍之介の日本の王朝物語である「鼻」「羅生門」の小説は、「古代の物語は彼の改作を経ると、新しい生命を注ぎ込まれて、現代人と関係を生じる」と魯迅は解説。その影響を私が受けたと考えられるのが、魯迅の『故事新編』に収録された各物語であり、中国文学者の藤井省三先生の言葉を借りれば、「神話的英雄や古代の聖賢を主人公にしながら、過激な笑いと憎しみ悲しみに満ちています」。それらの作品によって、読者は魯迅独特のユーモアを感じることができるでしょう。

 

なお、今号の初売り即売会は、

 ・直接参加:文学フリマ広島(2026.2.8(日)、会場:広島県立広島産業会館 東展示館 第1・第2展示場)

となります。

 

くるみ表紙の全体は、こんな感じです↓

 



3、目次(コンテンツ一覧、試し読み)

次の目次の一覧記事に、元の記事をへのリンクをしております。試し読みができるようにしています↓

 

【朗読 #ツイキャス 】魯迅『故郷/阿Q正伝』(光文社古典新訳文庫)とその他著作の紹介~まえがきに代えて~    

 

【メモ】魯迅の短編「兎と猫」と日本語のこと~ある呟きからの考察、弟の周作人のこと~  

 

魯迅/藤井省三訳『酒楼にて/非攻』(光文社古典新訳文庫)を読む   

 

 

4、おわりに

以上で、「中国近代文学の父・魯迅入門」特集号の情報まとめは、終わりです。

 

もし、誤りがあれば、本誌の巻末に記載した仲見のXのDMやマシュマロでこっそり、教えてくださいませ。

m(_ _)m

 

 

5、BOOTHで予約が始まりました

通販での予約がBOOTHで始まりました↓

naka3-ken.booth.pm

近代中国文学の父・魯迅入門 『なかみ博士の気になる学術系ニュース』2026年2月 増刊号 - 仲見研 Online Store - BOOTH

 

イベントに来られない方、遠方にお住まいの方など、必要に応じてご利用ください。よろしくお願いいたします。

 

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