仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

古典は教養以上に「必須」なことも~「日本よ、この期に及んで「古文・漢文」が必要だというのか」(はてな匿名ダイアリー)のこと~|

<今回の内容>

  • 1.はじめに
  • 2.「日本よ、この期に及んで「古文・漢文」が必要だというのか」(はてな匿名ダイアリー)に関して
    •   2-1.古典分野を解答するか、受験科目に選ぶかは受験生次第
    •  2-2.古典分野が必要な理由~現代日本の法律文には古典の文語体の名残あり~
    •  2-3.匿名ダイアリー筆者が言う「古文・漢文は受験科目にするな」について
  • 3.さいごに

1.はじめに

新年が明けて、最初の週末。もう一週間ほど経てば、今年もセンター試験がやって来ます。ここで、少しセンター試験を含む大学入試に関する思い出をお話し致します。

 

高校時代の私は、壊滅的に理数科目がダメでした。おまけに、英語や国語の現代文の長文読解の得点率が、文章の内容によって差が激しいタイプなため、センター試験は早々に諦め、私立の文系三教科の一般入試で受験予定でした。

 

結局、秋ごろに小論文(志望専攻の分野レポート2000字)+自己推薦入試で受かったため、一般入試も受けず、センター試験は高校の模試を受験するだけでした。とはいえ、特殊な自己推薦入試では、志望専攻の分野レポート2000字を書かないといけず、東洋学が志望専攻だったため、高校国語の古典分野の漢文訓読知識について、「新釈漢文大系」等の図書室にある参考書で、レポートに使う参考文献中の漢文の意味を確認する程度には使いました。

 

なんで、高校国語の古典分野の話題を出したかというと、次のような「はてな匿名ダイアリー」を見つけたからです:

anond.hatelabo.jp

 

今回は、この匿名ダイアリー、および筆者の増田さん(仮名)の仰ることについて、思うことがあり、少し、書かせて頂きます。

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【'18.6.20_1330更新】三国志とアッティラを思うこの頃に~「モンゴルの岩壁に2千年前の銘文 「後漢書」と同じ内容」(朝日新聞)~

<中国の歴史に関するニュース>

  • 1.『三国志』とも繋がる?!後漢王朝と匈奴に関する発見
  • 2.「モンゴルの岩壁に2千年前の銘文 「後漢書」と同じ内容」(朝日新聞デジタル)を読む('18.6.20_1330更新)
    •  2-1.銘文はどこで見つかったのか?
    •  2-2.岩壁の碑文の内容について( '18.6.20_1330更新)
    •  2-3.その後の匈奴はどうなったのか?~フン族との関連~
  • 3.最後に

1.『三国志』とも繋がる?!後漢王朝と匈奴に関する発見

昨年末、WEBニュースを読んでいて、東洋学やっていた人間としては、おおっ!と感じたニュースがあったので、年明けとなりましたが、ご紹介したいと思います:

digital.asahi.com

見つかったのは、現在のモンゴル国の岩壁にある2000年前(!)の銘文。中国の歴代王朝によるオフィシャルな歴史書二十五史(数え方には、諸説あり)のひとつ『後漢書』の記述と一致する内容があったといいます。霊帝献帝といえば、小説『三国志演義』の読者やファンの方には、聞き覚えのある皇帝だと思いますが、この両皇帝が生きたのが後漢王朝の末期は、三国時代に突入する前の乱世が徐々に始まる時期に当たります。

 

実は、私が書いた卒論にも『後漢書』を引用したことがありました。それは、上層階級に関する文化的な記述の部分でした。詳しい内容は、当時の後漢の人たちからすれば、異民族に当たる「胡」という遊牧や騎馬の習慣を持つ人々の集団の人たちの服装や、仕草を上層階級の人たちが真似ている、というものでした(うろ覚え)。この「胡」とは、紀元前2世紀後半ごろ、前漢王朝で司馬遷が仕えていた武帝が将軍を派遣して戦い、前漢将軍の一人・李陵を捕まえてしまった匈奴も含まれていると思われます。邪推する私は、当時の後漢の人たちにとっての「胡」といえば、主に匈奴をに指していたのではいか、と。

 

ニュースに話を戻しますと、私が卒論で扱った内容の一つに関する『後漢書』の内容と、後漢王朝と匈奴の関係について、2017年内に新たな銘文の発見がモンゴルであったということです。これは、弊ブログでも取り上げたいと思い、本記事でご紹介することに致しました。

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(イメージ画像:今回の朝日新聞デジタルのニュース記事とは関係ありません)

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2018年の新年ご挨拶

気がついたら、2018年が既にやって来ておりました。戌年!ということで、我が研究室の看板犬こと、「博柴」(はくしば)さんに、新年のご挨拶をお願いしました。

 

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2016年6月の開設より、引き続き、精進して参りたいと思っております。

 

弊ブログ群のこと、宜しくお願い申し上げます。

 

 

2018年元旦

 仲見満月(なかみ・みづき)

 

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