仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

「真っ白」博士の経歴と就職活動

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 現在、就職活動で苦戦しております。まず、履歴書や志望動機に織り込む自分の経歴、専門に一貫性を持たせるのことに、難航しております。それは、なぜなのか? 

 

 自己紹介で書いていますが、私は大学4年間(学部)が人文科学系、大学院の博士前期(修士、マスター)課程2年間と博士後期(博士、ドクター)課程3年間が文理総合系の所属でした。研究の対象は、一貫して中国の前近代社会生活史でした。しかし、学部から大学院に進学する際、学問分野を変更したので、学歴上、一つの分野で継続して研究をしていたようには見えないのです。実際、文学や歴史学の分野でテーマを探し、文化人類学民俗学建築学等の理論や研究手法を用い、博士論文を書きました。

 分かりにくいと思うので、料理に例えます。最初、本格的な中華料理を作ろうと材料(テーマ)を市場(分野)で探していたけれど、どの店でも中華料理向きの食材がなかなか見つからなくて、途中で調理法(研究手法や理論)を和食のそれを取り入れざるを得なくなった。その結果、中和折衷のよくわからない様式の料理(博士論文)ができあがってしまった。そういう感じです。

 

 何とか博士課程の在籍年限中、何とか博士学位を出していただき、修了することができました。(研究室のボスや先輩方のおかげです。今でも、感謝しております。)

ちなみに、うちの大学院は博士後期課程は最大6年まで在籍可能です。それを過ぎた研究者は、「在籍可能年数をオーバーしている」というような、大まかなくくりで「オーバードクター」と呼ばれるようになります。

(*だいぶ、乱暴な言い方になって、関係者の方々には申し訳ございません。大学院の各課程の在籍可能年数やシステムについては、また別の記事で詳しく書きたいと思っております。)

 

 たとえ、博士学位を持ち、博士後期課程を修了(≒卒業)していても、大学院に在籍可能年数を過ぎてしまっているので、私も母校の大学院から見れば「オーバードクター」のうちに入ります。研究職の経験がなく、教育機関で非常勤やアルバイトをしていたくらいです。なので、自分は職歴ほぼ「真っ白」の「白紙の博士」だと認識しております。

 

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 現在、働いたことのある教育、研究に近い業界を目指し、就職活動をしつつ、資格取得の勉強を続けております。ただ、採用担当者にとって、私はもともと、人文科学系で即戦力にはなりにくそうな上、学歴は途中で分野が変わっていて専門性が分かりづらいでしょう。何といっても、博士後期課程まで行っていて、博士号まで持つ。私は高学歴すぎて、あまり需要がないのでは?というのが現実であると、思いこんでいます。

 

 もともと、ゼロ年代は、研究職ポスト自体が大幅に減ってきていた時代。私がその深刻さに「本当の意味で」気がついたのは、修士課程(博士前期課程)に進学が決まった後でした。その後も悩み続け、後戻りできない気持ちの中で博士課程(博士後期課程)に進み、大学院を辞めようか、続けるなら将来の進路はどうするのか?いろいろ、悩んでここまで来ました。

  就職活動をどのように進めていくのか、研究はどうしていくのか。悩んだまま、今は決断ができません。このブログで記事を書きながら、考えていきたいと思っております。

 また、これから大学院に進み、博士号まで取得しようか検討していて、

  ①人文科学系(特に文学・歴史学・地理学・文化人類学等)を志望する方

  ②別分野(理系)に所属大学院(研究室)を変更するか悩んでいる方

 のようなタイプの方には、何かしら、このブログがお役に立てるかもしれません。加えて、私の周りには学部から現役で大学院進学(院進)した人だけでなく、仕事をしながら研究する社会人院生、定年退職後に入学された院生など、様々な院生が身近にいました。こういった院生の方々のお話も、可能な範囲で書くつもりです。

  

 合わせて、読者のみなさまからご意見・ご感想をコメントやTwitter@naka3_3dsuki)で募集いたします。その中から、いくつかこのブログで紹介させて頂き、考えを深めたいと思っております。どうぞ、よろしくお願い致します。

 

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