仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

【2017.3.31動画追加】「お笑い界の池上彰」?!を目指す院生芸人  たかまつななの戦い~「若者と政治の架け橋になるために、大学院に通いたい。」(CAMPFIREより)~

<お笑いジャーナリストが目標の院生芸人を支援しよう!>

1.仲見満月、「院生芸人」という存在を知る~はしがき~

先日、情報収集のためにTwitterを眺めていると、何やら面白そうな活動をしてい方のツイートがまわってきました↓

キャンプファイヤーといえば、クラウドファインディングのサイト。ツイートについていたそのサムネイルを見ると、夢が「お笑い界の池上彰になりたい」、「お嬢様芸人としてデビューした」、「お笑いの優勝賞金で大学院に進学」と、凄まじい情報量。これは、ただならない人物だと感じ、リンク先のクラウドファンディングのページに飛び、たかまつなな氏の活動、および学費にいくらぐらい必要なのか、確認しました↓

camp-fire.jp

 

やはり、ただならぬ人物でしたので、今回、ブログで取り上げることに致しました。

 

2.たかまつなな氏の置かれている状況の概要

ざっとクラウドファンディングのページを読んだところ、たかまつなな氏の経歴とおかれている状況は、大雑把に言うと、学部時代に学業に勤しむ傍らお笑い芸人として仕事をし、「中学社会科、高校地歴・公民の教員免許を取得しました」とのこと。以前、中高の社会科の教員免許取得について、私と院生仲間が体験した大変さは、ブログでも触れました。資格取得に必要な「教科に関する科目」は、他の国語科や英語科より、扱う範囲が広いので、沢山の科目単位が要るんですよ↓

naka3-3dsuki.hatenablog.com

更に、たかまつ氏は修士課程進学後「司書教師、専修免許を取得し、より「笑える!政治教育ショー」の内容に磨きをかけたいと考えております。」ということ。私は図書館司書の課程を受講していましたが、一緒に受講していた司書教諭の人も、死にそうでした…。慶應と東大の大学院で修士論文の準備をし、資格課程行きながら、日本中を飛び回り、若い世代に向け、政治とお笑いのショーをしていたら、そりゃ睡眠時間が限りなくなくなって、引っ張りだこになりそうな選挙の時期は、眠るのが一時間にもなってきますよ。死にそうになるよ、たかまつさん!

 

私が尊敬したのは、社会科の教員免許を取得しながらも学校教員ではなく、お笑い芸人として政治教育に取り組むという姿。

 

具体的には、次のような活動をされているそうです。

 

 「笑える!政治教育ショー」のコンテンツを開発。
2016年5月、「『笑える!政治教育』を全国の高校で行いたい」
をテーマにクラウドファンディングを行い、157人から135万円の出資金を集めました。
その後、全国の小学校・中学校・高校・大学を駆け回り、半年間で3000人に出張授業を届けました。
 現場の先生はじめ、より多くの人に政治教育を届けたいと

『政治の絵本〜現役東大生のお笑い芸人が偏差値44の高校の投票率を84%にした授業〜』を執筆。

全ページにイラストとカラーを入れるためにクラウドファンディングを実施し、
95名から112万円の支援を受け、出版にいたりました。 

(若者と政治の架け橋になるために、大学院に通いたい。 - CAMPFIRE(キャンプファイヤー))

 

無事、出版された本がこちら。面白そうですね↓ 

そして、実際の「お漫談」の様子↓

東大生からみた「桃太郎」たかまつななネタ - YouTube

 

学費については、奨学金に応募しても、

お笑い芸人という特殊なお仕事ゆえ、
思うようにいきませんでした。

 

奨学金制度の厳しい壁にぶち当たりました。

 

ようやく取得した奨学金も年間で10万円。
慶應大学の院の年間の学費142万円のわずか14分の1でした。
とてもありがたかったですが、これでは厳しかったです。

(若者と政治の架け橋になるために、大学院に通いたい。 - CAMPFIRE(キャンプファイヤー))

とのこと。塾講師やスーパーのアルバイト、一般企業の会社員、農林水産業、役所の職員、学校教員…ではなく、お笑い芸人と言うと、珍しすぎて、審査に通りにくいんでしょうか?ところで、政治教育に特化してなくても、高学歴な芸人とし大活躍しているのは、ロダン(特に宇治原さんのほう)ほか、何組も知っております。が、政治に関することに絞って活動し、しかも大学院に通っている芸人は、たかまつ氏くらいじゃないでしょうか。

 

ちなみに、政治学の研究を修士課程で行い、修了後にジャーナリストになっている人がいます。媒体はお笑いとで文章で異なりますが、政治に関することを伝えるという意味では、同じ分野の仕事にする人だと捉えられます。たかまつ氏は、きちんと若者を対象に、社会に貢献する活動をしているといえるでしょう。

 

なお、たかまつ氏は両親の反対をおし切り、デビューしたそうで、親御さんに勘当されてしまったそうで、ご両親からの経済的な支援は一切、ないようです。奮起した彼女は、一週間で個人で会社「笑下村塾」を設立↓

www.shoukasonjuku.com

逆境に立ちながらも、己の信念を貫く逞しい院生に対し、ご支援したいと思いました。というか、先のご著書が欲しかったので、いちばん下の金額の絵本がリターンになっている3000円コースを選び、小銭でしていた貯金を箱からかき集め、お支払いしました。

 

彼女がお笑いを通じて、政治の教育を目指されている詳細な経緯は、ぜひ、上に貼ったリンク先のページをお読みください。

 

参考:たかまつなな - Wikipedia

 

2.必要な学費を含む資金とクラウドファンディング利用への批判

さて、たかまつ氏がお笑いショーを通じて政治の教育活動をするには、大学院の学費を含め、次のように今回のクラウドファンディングのページに挙がっていました。

慶應義塾大学院の費用をご支援いただきたく思います。
下記が半年の授業料です。

大学院学費
・在籍基本料 60,000 円
・前期授業料 675,000 円
         計 73万5千円

目標金額の使用内訳
慶應義塾大学院 前期学費 735,000円
・CAMPFIRE手数料ほか諸費 65,000円
              計80万円

(若者と政治の架け橋になるために、大学院に通いたい。 - CAMPFIRE(キャンプファイヤー))

2017年度の前期学費等の納入期限は、来月28日とのこと。現時点では、先に目標期限としていた前期分の80万円は、既に冒頭のツイートのとおり、達成されたとのこと。現在は支援期限の4月26日水曜日まで、後期の学費のご支援をお願いしております、ということでした。前期の納入は回避したものの、後期の学費目途が立たず、このままでは東大か慶應のどちらかの大学院を休学せざるを得ないようです。

 

ここで、「ん?2つの大学院に通っているの?なぜ、1つしないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。正直なところ、私も思いましたが、

私は本気です。

 

大学の取得単位も、通常の1.5倍取得、

 

「無理だ」と言われた教員免許も3教科取得しました。

 

さらに、お笑いの活動も本気です。
大学2年生の時、日本テレビのワラチャン!で優勝しました。
月に20回ライブに出て、大会の前は人前で60回ネタをやりました。

 

この教育力とお笑い力をもった私だからこそ、

実現できます。

(若者と政治の架け橋になるために、大学院に通いたい。 - CAMPFIRE(キャンプファイヤー))

という実績を見て、「これだけの成績を出すには、若い世代への政治の教育方法について研究するには、2つの大学院に通う必要があるんですよね。たかまつさんが2つの院に通う必要があるなら、応援しますよ」と納得して、支援しました。

 

 他にも、彼女のクラウドファンディングで学費支援を募るという行動には、

 ・他人の金で大学院に行くのか?

 ・計画性がないんじゃないのか?

 ・政治を学ぶには大学院でなくてもいいのでは?

といった疑問や批判がツイートを通じて、毎日、本人に届いているそうです。このことに関しては、次のたかまつ氏のオフィシャルブログのページをご覧ください。

ameblo.jp


 

こうした批判を受け、彼女は心が折れそうになったそうです。けれども、次のように考えて、踏ん張ろうとしています。

今回、私がクラウドファンディングをしたのは、
今後同じような悩みを持っている方に
「お金で進路を諦めないでほしい」からです。

もちろん、私自身が
「大学院をやめたくないです!
助けてください!」
と心の奥底から叫んでおります。

ですが、私のプロジェクトを達成することによって、
クラウドファンディングで、
自分の夢を叶える道だってあることを伝えられると思ったんです。

想いが波及して、奨学金に頼らずとも、
進路選択できる人が増えることを祈っております。

(大学院を辞めたくないです!助けて下さい!|たかまつななオフィシャルブログ「お笑いジャーナリストへの道」Powered by Ameba)

実家がたとえ経済的に余裕があっても、毒親だったり、支援が受けられても私のように後に関係が「拗れたり」(私が一方的に思っているだけだと思いますが)、たかまつ氏のように勘当されたり、面倒なことはあります。院生が自活しても、在学中に急な傷病で働けなくなり、経済的に困窮することはあり得ます。そういうことがあって、研究を通じて社会に貢献したいと考えていたのに、諦めざるを得なかった人を身近に私は見てきました。

 

だから、私はチャレンジャーのたかまつ氏の活動を応援しようと思ったのです。

 

 

3.最後に

今回のたかまつ氏の戦いを通じて、私は経済的に不安を抱えながら踏ん張り、研究を続けようとしている院生や研究者の方々に、続・研究者の子育てと保育園の児童入所問題~センリ「認可保育園に入れずに三鷹市を訴えた大学院生に思うこと。」より~ - 仲見満月の研究室でも引用させて頂いた、はてなブロガーのセンリさんの文章を再度、引用させて頂きます。

・・・それは違うだろうと言いたい。院生なんて殆ど奨学金という名の借金を背負っているしね。じゃあ大学院なんて進まないで、就職したら良かったじゃないと非難する声が聞こえてくる。そしたら満点貰えるわよ、と。それも違うよね。人それぞれ夢や目標があって、自由に人生設計していける。その目標が社会の大半の人達とは違うという理由で、弾かれるなんてさ。

(認可保育園に入れずに三鷹市を訴えた大学院生に思うこと。 - センリのみち)

 

ところで、たかまつ氏が用意している支援コースには、私が選んだ3000円でご著書の絵本と台本がリターンのコースほか、金額が上のご本人のお笑いネタDVDのリターンコース、ご本人(と会社スタッフ)と食事が都内でできるリターンコース等、「お笑いジャーナリスト」を目指す彼女ならではの選択肢が用意されております。選択肢を見るだけでも、「頑張っているなぁ」と感じました。

 

どうか、たかまつなな氏へのご支援をよろしくお願い致します。

 

以上、本日ご出演のタイムショックを見ながら、執筆させて頂きました。

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