仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

歴史学の用語に関するアンケートのお礼と結果について~あと講談社学術文庫「興亡の世界史」の話~

6月21日から2日間、Twitterで実施いたしました、中国の歴代王朝による公式的な歴史書「二十五史」(数え方は諸説あり)の形式について、アンケート結果が出ました。「紀伝体」、「本紀」とは、東アジア史の歴史学の用語であり、一応、高校の漢文、世界史あたりに出てくる用語です。詳しくは、こちら:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

をお読みください。私は卒論を一応、歴史学の手法で書いた人間だったこともあって、これらの言葉について、一般的な認知度を把握していませんでした。

 

同人誌の今秋新刊の特集に、がちっとした歴史学の問題を扱う記事を入れようと考え、歴史学の用語として、認知度アンケートをとらせて頂きました。ご回答いただいた皆様、大変、助かりました。ありがとうございました。

 

結果は以下のようになっています:

 

認知度として見ると、

  • 「何それ?聞いたことない」:29%
  • 「学校で習った気がする」:13%

の2項目の合計で、「紀伝体」と「本紀」について、「どういうものか、詳しいことは分からないかも」という層の方が42%いると考えました。

 

一方、歴史書に関する何らかの形式を指している、という以上のことを知っている人は、

  • 「歴史書の形式だよね」:50%
  • 「日本の『大鏡』も関係あるよね」:8%(『大鏡』のことは上記リンク参照)

と言う結果で、合計ほぼ60%に達します。

 

学術研究のアカウントであり、東洋学クラスタに入る私ですが、そのフォロワーさん、および周囲の方々がお答え頂いたことを考えると、今回の用語が何かを知っていらっしゃる方がアンケートで6割を占めているのは、不思議ではないと思います。そのあたりを鑑みると、 「どういうものか、詳しいことは分からないかも」という層の4割の方に向けて、何らかの説明は秋の新刊に入れる必要はあるかもしれません。あっさりとした説明になりそうですが、「スキャンダラスな平安朝歴史物語~『大鏡』~ - 仲見満月の研究室」に入れた簡潔なものを、どこかに入れようと考えています。

 

色々と忙しいのに、性懲りもなく、梅雨から、秋の新刊を準備している私ですが、収録予定の記事を読み返して、新しい研究動向を追う必要が出てきています。心のなかで「ひえー」と声を上げながら、図書館の蔵書検索システムにタイトルを入力していたところ、気になっていた本のシリーズが、講談社学術文庫Kindleポイント還元キャンペーンに、入っているのを知りました。

 

その1冊がこちらです:

 

 

講談社創業100周年記念企画として刊行された「興亡の世界史」シリーズは、学部生から修士院生の頃、教育実習の世界史の資料に使ったり、自分が受ける授業の課題レポートに参考文献として挙げたり、大変、お世話になった全集でした。研究者の方々にも定評のある講談社学術文庫シリーズに、2016年から最新の研究を反映した増補版的「あとがき」が付され、刊行されていることを知り、取り上げました。しかも、電子書籍版が出ているあたり、学術書ではあるけれど、けっこう人気があることが窺えます。

 

他の方のはてばブログで知たこととして、6月22日より、AmazonではKindleで「【50%ポイント還元】講談社キャンペーン」を開催していることです。対象の本は、10000冊以上で、「興亡の世界史」シリーズの学術文庫版は出ているものは大抵、対象となっています。期限は6月28日の23時59分(日本時間)。この機会に、いかがでしょうか。

 

リンクに入れたのは、アレクサンドロス大王についての本です。漫画『ヒストリエ』、それから『Fate/Grand Order』をはじめ、様々なメディア作品に登場する人物で、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。時代は約100年ずれますが、秋の新刊で扱う予定の中国の秦の始皇帝のことを調べていて、ふと思い出した人物でした。アレクサンドロス大王を個人として見ると、始皇帝とは異なった意味で、また強烈な性格や言動をしていたんじゃないかと、私は考えています。

 

また、コリン・ファレル主演の映画で『アレキサンダー』が作られています。賛否両論のある作品ですが、上記の講談社学術文庫のタイトルと合わせて読むと、また世界史の授業で習った裏側が見えてきそうです。

 

 おしまい。

 

 

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