仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

【お知らせ】 #マシュマロを投げ合おう でリクエスト、質問や感想のお便りを募集開始

改めてのお知らせになりますが、匿名で質問やリクエストといったメッセージを送れるサービス「マシュマロを投げ合おう」に登録いたしました:

marshmallow-qa.com

仲見満月にマシュマロを投げる | マシュマロ

 

前に使っていたpeingの質問箱につきましては、使い勝手などの理由によりメッセージの受け取りを致しません。これから匿名のお便りは「マシュマロを投げ合おう」のみで受け取り、お返事させて頂くことに致します。

 

もし、弊ブログ群の内容に関する質問や感想、および取り上げてほしいテーマや問題があって、匿名をご希望の方は、上の「マシュマロを投げ合おう」のリンク先のフォームにご記入いただき、メッセージをお送りください。前回の「【peingの質問箱 から】「どこでもドア」が欲しかった院生時代の話~シンポジウムや学会が同日に重なる問題~ ('19.1.31、2時台の更新) - 仲見満月の研究室」のように、できる範囲で取り上げ、Twitterやブログで回答をいたします。

 

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【peingの質問箱 から】「どこでもドア」が欲しかった院生時代の話~シンポジウムや学会が同日に重なる問題~ ('19.1.31、2時台の更新)

ただいま、更新が疎らになっておりますが、何とか、執筆管理人は生存しております。現在、3月に京都である同人イベント「蒼月祭34」に向け、新刊の準備で資料読みや、書き下ろし記事を執筆途中です。新刊については追ってお知らせする予定で、しばらくお待ちください。

 

さて、今回はpeingの質問箱サービスで頂いた次の質問を取り上げて、院生時代の頃の集まりの予定が重なってしまった時のことを掘り下げたいと思います: 

 

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【メモ】日本と中国における人間の姫君と狐の異類交流譚~`19年 #センター試験 #古文 出題の「玉水物語」、および「封三娘」の情報まとめ~(2020.6.23、13時台にリンク切れ確認)

<日中にある異類交流譚>

  • 1.はじめに
  • 2.人間の姫君と狐の異類交流譚~`19年センター試験の #古文 出題の「玉水物語」と中国の「封三娘」の話~
    •  2-1.「玉水物語」について~読める場所とその内容~
    •  2-2.「封三娘」について~論考を使ったあらすじ解説~
  • 3.最後に

1.はじめに

この週末、2019年のセンター試験を受験された皆様、大変お疲れ様でした。毎年、センター試験の出題内容について、各教科で話題になることがあります。たとえば、昨年の社会科地理Bのことは「【ニュース】「センター試験地理「ムーミン」出題が話題 不正解受験生嘆き 公式ツイッター「反省」」(スポニチAnnex) - なかみ・みづきの灰だらけ資料庫(書庫)」で掘り下げて触れました。

 

今年は何が話題かと調べていたら、英語のリスニング問題では、野菜に翼が生えたようなキャラクターが登場し、早くも「センター試験の英語リスニング第1問のイラストがユニーク過ぎて話題に 「いきなり笑わせに来るな」 - ねとらぼ」で色付きのイラストが挙がっていました。また、「なぜ作った センター試験の謎キャラ、速攻で3D化される「先を越されないようスピード優先で仕上げた」 - ねとらぼ」といったとが報じられ、私は爆笑の渦におります。

 

さて、今年は私の周りでもうひとつ、国語の古文に出題内容が色んな意味で話題になっていました。それは、『御伽草子』に収録されたエピソードの「玉水物語」。どういった内容だったか、産経新聞のオンラインニュースによると、

国語の古文では、室町時代成立の御伽草子「玉水物語」から出題され、受験生の間で話題になった。美しい姫君に恋をした狐が男性ではなく少女に変身し、姫君の側で仕えるという異色の物語。

倫理で「家族」テーマの出題も センター試験 - 産経ニュース、019.1.19 21:54付)

といった、いわゆる異類恋愛・婚姻譚の一種だと窺えます。ちなみに、難易度は「各予備校は「解きやすい」(河合塾)「やや易」(ベネッセ・駿台)などと分析」されています。詳しい問題内容は、以下の朝日新聞デジタルのページで公開されており、本記事と合わせてご覧ください。

www.asahi.com

(「国語 第3問 - 2019年度大学入試センター試験:朝日新聞デジタル」、古文)

 

今回、「玉水物語」のストーリーを調べたところ、似たような話が中国の古典文学作品にもあった覚えがありました。その話とは、清代の怪奇譚集『聊斎志異』に収録の「封三娘」です。両者は、人間の姫君に恋する、または仲良くなりたいと思った狐が人間の娘に化け、傍に仕える、もしくは交友関係を結ぶといった近さをもちます。なお、便宜的に本記事では、こういった物語のジャンルを便宜的に「異類交流譚」と呼ばせてください。ちなみに、両者に関する論考には、文学分野で比較研究があります↓

 ●CiNii 論文 - 安藤 みな子「 御伽草子『玉水物語』考--『聊斎志異』封三娘との比較」『愛知大学国文学』、第44号、2004.12(※学術リポジトリ等による無料公開ではない)

 

「玉水物語」と「封三娘」のことを調べ、ツイートしたところ、Twitterで複数の方にご反応を頂きました。ここ数年、中高の国語科目の古文の要・不要が議論されており、そういったなかで、漢文も含めた古典分野の面白さを伝えようとしていた私には、ちょっと嬉しい出来事でした。せっかくですので、調べた情報を本記事にメモ的にまとめておきます。

 

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(画像:化け狐イラスト - No: 856775/無料イラストなら「イラストAC」

 

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(画像:十二単姿の女性イラスト - No: 1304743/無料イラストなら「イラストAC」

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