ドロシー・コウ『纏足の靴―小さな足の文化史』
「当時」の女性たちの纏足靴でする暮らしに寄り添う形で書かれた著作。
読む前より、思った以上に中国(主に漢民族)の女性たちは、野良仕事や家事に応じて纏足靴を作り、時にはカスタマイズを行い、日々の生活を送っていたことが伺えます。
それから、纏足靴は女性たちにとって、絆の象徴となっていたことが分かる。一度、娘は他家に嫁いでしまうと、そう簡単に実家に帰ったり、会えても年に数回の特別な日しか集えない。そんな彼女たちにとって、纏足靴とは母親、そして姉妹と切実に交流を続けるため、贈り合っていたらしい。
今までの書物より、痛烈な纏足批判がないので、読み易いかもしれません。
著者であるドロシー・コウについて、簡単に触れておくと、中国大陸にルーツを持ち、香港で1957年に生まれる。高校卒業後に渡米、スタンフォード大学で東アジア史のPh.D.を取得(テーマは、明末清初の女性家庭教師について)。現在、コロンビア大学の教授。専攻は、中国および東アジアの女性文化とのこと。
私はいつか機会があれば、会ってお話を聞いてみたい!!そんな存在となっているところ…。
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