仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

文系女子から見た理系男子の生態@京都~瀧羽麻子『左京区七夕通東入ル』~

Top画像を京都の祇園祭に変えたところで、思い出した小説がありました。その作品は、京大出身作家としては珍しい(特に2000年代以降の有名どころは男性ばかり)、女性の書き手による小説となっています。
 
研究に没頭し、大学院へと進学していく理系の男子学部生の生態情報を、女子大生視点で見られるという意味でも面白い作品であるし、季節的にもぴったり!ということで、取り上げました。
(*以上、2016年7月15日の追記)
 
 

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京都の大学も4年目。理系というより、数系男子の龍彦に出会った文学部の女子大生・花ちゃん。龍彦のキャラの濃い友人たちの理系男子、花ちゃんの親友のアリサたちも登場。穏やかで賑やかな、青春恋愛長編。

読んだ印象では、著者が大学生向け読書雑誌のインタビューで答えているように、繁華街のクラブに通っているような、おしゃれで憧れの「女子大生」として花ちゃんを描いているので、私はあまり、主人公たち女子には共感できませんでした、正直なところ。

ただし、面白かったところは、いくつかありました。

 

お話のクライマックスは、クリスマス前、龍彦が数学に精を出して倒れるところ。回復後、花ちゃんが龍彦を訪ねるシーンで、主人公は報われる。2人の会話から、出会ったころは数式に夢中だった龍彦は寝食を忘れるほど、本書の冒頭で数にのめり込んでいたという。彼は、時が経つにつれ、部屋に訪ねてくる花ちゃんの存在が気になり、やがて意識するまでになったという。そんな彼に恋した主人公は、その変化を素直に喜ぶ。数学に夢中でも、自分が訪ねていたことに気づくようになっただけでも嬉しかったと。

花ちゃんには悪いが、私は思わず、笑ってしまった。私の周囲には恋愛そっちのけで、男女関係なく、龍彦みたいに研究に没というしている人たちが沢山います。だから、そんな彼らにアタックし、恋を実らせるのは大変なだけに、花ちゃんの健気さに「よかったね~」と思いつつ、もし、自分の同性の友人であれば「さぁ、どうなる?」と興味津津、様子を追っていたでしょう。

 

ちなみに、続編の主人公は龍彦の親友、工業化学科の院生、山根君である↓

 

 
 
(読了:2012年4月中旬)
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