仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

シンポジウム「立て看・吉田寮問題から京大の学内管理強化を考える」とその周辺について思うこと

 <緊急シンポジウムが開催されるようです>

  • 1.はじめに  
  • 2.シンポジウム「立て看・吉田寮問題から京大の学内管理強化を考える」とその周辺について思うこと
    •   2-1.立て看板の問題について、何が起こっているのか再考する
    •  2-2.住むところが無くなる?吉田寮問題
  • 3.大学当局の「矛盾」について思うこと
  • 4.最後に 

1.はじめに  

学会や研究会、昨年の秋は同人誌即売会11月祭に行き、何やかんやでオールシーズン、京大の吉田キャンパスに出入りしていた、仲見満月です。自然と京大の先生方、院生さんたちと交流を持つ機会が多く、また、北白川、吉田神社百万遍や岡崎といった京大の周辺地域には市民向けの講座や、読書会が開かれ、またラテン語幾何学等を講義する民間の場所が点在しています。海外の学術的なことを学べる講座を設けているところは、ドイツ、イタリア、フランスの文化交流の会館や領事館も入っている建物が、ちらほらある模様。

 

京大があるから、その関係者や他の研究者が集まって来て、こういった学究の場所が周囲にもできたのか。それとは別に、もともと周辺地域に文化施設があって、それらと相まって、こういった地域になったのか。そのあたりを研究している院生さんに、ある研究会で聞いたのですが、いまいち、よく分かりませんでした。ただ、言えることは、京大が少なからず、こうした文化や学究の面を含めて、周辺の地域に影響を与えていることでしょう。

 

特に、その影響の程度を感じたのは、京大の執行部の人たち、 学内の自治や様々な活動を所轄しているらしき行政指導部といった、大学内の運営組織による「管理強化」に対して、危機感を持つ人たちが立ち上がって、緊急シンポジウムの開催が決定されたことでした。同時に、賛同署名も募集しているようです:

サイト「おもしろくも変人でもない京大

 

「「立て看・吉田寮問題から京大の学内管理強化を考える」緊急アピール呼びかけ人」の中には、各大学の教員をはじめ、大学の近くで喫茶店を営んでいると思われる方、近隣住民も、いらっしゃるようです。呼びかけ人の方々が指摘されているのは、主に次の2つです:

  1. 立て看板の問題
  2. 吉田寮問題

 

私が京大在籍者の方に聞いたり、Twitter上で流れてきたりした情報では、上の2つの問題について、断片的なものが多く、「京大で何か、大変なことが起こっているらしい」ということしか、分かりませんでした。そこで、今回は自分が間接的に接してきた京大について、シンポジウム「立て看・吉田寮問題から京大の学内管理強化を考える」とその周辺のことを、サイト「おもしろくも変人でもない京大」を通じて、見ていきたいと思います。

 

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大学教員の個人研究費50万円未満が60パーセント~「没落する地方国立大の何とも悲惨な台所事情 」(東洋経済オンライン)~

<本記事の内容>

  • 1.はじめに
  • 2.1年間50万円の研究費が地方国立大教員の現実~「没落する地方国立大の何とも悲惨な台所事情 」(東洋経済オンライン)を読む~
    •  2-1.地方国立大教員の研究資金事情
  •  2-2.国立大学の独立行政法人化による資金獲得競争と大学教員の多忙化~研究ができない!~
  • 3.最後に

1.はじめに

今月入ってから、主に2月の同人誌新刊と委託イベントの話題ばかりでした。そろそろ、本ブログの本来のテーマに沿ったニュースをお伝えしたいと思い、今回は、Twitterでキャッチした、地方国立大学の先生方の研究資金とその獲得の厳しさを次のオンライン記事を紹介して、お伝えしたいと思います:

toyokeizai.net

(個人研究費年50万円未満の教員が6割、西澤 佑介 : 東洋経済 記者、2018年02月05日)

 

このニュースは、昨日2月5日発売の『週刊東洋経済』2018年2月10日号の特集「大学が壊れる」の関連記事であり、その号では

資金不足で疲弊する国立大学や、18歳人口の減少でいよいよ淘汰の時期を迎えた私立大学の実情を特集している。

(没落する地方国立大の何とも悲惨な台所事情 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準)

そうです。約一週間後にバレンタインを控えた今日、特集のタイトルを見て、板チョコレート製の大学研究棟が破壊されていくイメージを抱きました。ゆえに、本記事のアイキャッチ画像は、ハンマーで板チョコを砕くデッサン人形の絵面を作り、チョイス致しました。砕くことでビターになっていく現実を思い浮かべながら、本記事をお読みください。

 

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#温泉 旅館で #論文 や原稿を書きたい夢、叶えます~温泉旅館の「卒論執筆パック」ほかの話題(ねとらぼ等)~

<ホテルプロデューサーの提案にざわめく人々の話>

  • 1.はじめに
  • 2.「大学最後の追い込みに、温泉旅館にこもり卒論を書く「卒論執筆パック」が登場 書き終わった人は「卒論お疲れパック」もあるよ!」(ねとらぼ)を読む
  • 3.更に色んな要望が飛び出したリプライ~「温泉旅館で缶詰になって卒論執筆…湯河原の温泉旅館で2泊3日の「卒論執筆パック」パイロット版を実施」(Togetterまとめ)
  • 4.最後に

1.はじめに

2月に入りました。事前連絡で予告されていたものの、私のところに先週末、査読論文のトンボ入り校正原稿が来ました。昨年の夏、心身ともに重圧をもたらした投稿論文ですが、その秋に審査を通過して査読者の方のコメントに沿って、修正。どういうわけか、昨年秋の頃、事務局のほうとやり取りがうまくいかず、イライラしてしまい、その節はひどく疲弊してしまいました。その次が、年明け1月末の一回目の校正確認です。色々と事務局の体制が変わっていた模様で、こちらの使っているシステムの不具合があって、昨年秋にはたくさんの方にご迷惑をおかけ致しまして、申し訳ございませんでした。

 

そんな感じで「論文関連の作業で、昨年は疲れたな~。スパ〇ールドや銭湯に行きたいものだ」と年明けに文学フリマの準備をしながら、Twitterを開いたところ、温泉旅館の「卒論執筆パック」なる話題がタイムラインに流れてきました。学部生、院生や研究者の多い私がフォローしている皆さまが、ザワザワ。ホテルプロデューサーこと龍崎翔子さんのご提案が、あまりにも、皆さんの夢を叶えるプランだったからかもしれません:

nlab.itmedia.co.jp

 

私もざわつきました。1月末はバタバタしており、この話題を追うことはできませんでしたが、気になっていたので、今になって調べていたところ、何とTogetterに龍崎さんとリクエスト者の方々のやり取りがまとめられていました:

togetter.com

Togetterまとめを読むと、博論執筆パックや原稿執筆パックが欲しい!という声のほか、「実験施設のないところで、論文は書けるのですかね?」といった実験系の研究者の方が発したと思われるツイートもありました。私自身、色々と温泉に浸かりたい気持ちでいたので、今回はこの温泉旅館で書きものをしたい学生や研究者ほか、各種の温泉パック提案側の龍崎さんとざわついた人たちとのやり取りを追ってみようと思います。

 

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