仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

学術ジャーナルと学術書の費用とその周辺に関する私のモヤモヤ

博論も書いた東洋学分野にも絡む学術ジャーナルの査読通過後の掲載料、その掲載論文をまとめた論文集など学術書の出版費用など、書ききれていなかったことを昨晩、ツイートしました。これまでの記事も入れ込みつつ、メモ的にまとめておこうと思います。

 

なお、自分以外の方のツイートは巻き込みたくないため、今回も以下のように引用スタイルをとりました。

 

@naka3_3dsuki 査読を通すには、学会に詳しい方にコンタクトをとって、名前を知っていただく必要が、特に人文社会学系はあります。時間お金と業績:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

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@naka3_3dsuki その方にコンタクトをとるにも、ご著書を拝読するとか、初期投資が必要な…。長ーいお付き合い京都銀行かい!っていうほどです。理系ジャーナルは、そのあたり、実力重視っぽいの(か)で、通りやすかったかな?でも、掲載料で泣きましたけどね(笑)

 

 

何にしたって、学会に出て発表を重ね、その道の方にご意見を聞くとか、基本的な研究活動は必須ということ。それには、お金も時間もかかるのは当然ですよね。何十人という人の前で発表したり、中高生相手に授業したり、10年近く経っても苦手な私は慣れませんでした。できるなら、発表報告側にはなりたくない!10人ちょっとくらいのほうが、喋りやすいのよ!とも、現実問題、言ってられません。

 

@naka3_3dsuki 理系ジャーナルのお話はこちら: 

 

ジャーナルとお金の関係、あれ、どうにかならんかなぁ。というのは、私なかで葛藤が非常にあります。文系でぶっとい本出す先輩を報告として、飲み会で聞いたときは、どこが出版資金を出すんだろう?と。共著だと、共著者全員で出すのかな?とか、資金源が気になりました。

 

「文系でぶっとい本出す」時の話とその周辺のことは、以下をご参照ください。

naka3-3dsuki.hatenablog.com

@naka3_3dsuki このあたり、変えていくには、研究成果を信頼してもらえるよう、執筆者の社会的な信用を担保しつつ、コンスタントに出版物を、どのように出していくかという戦略が必要です。

 

@naka3_3dsuki 同人誌ってね、このあたりの社会的な信用は、コンテンツという中身、執筆者や出版元などのネームバリューという信頼度に依存するところが大きい。

@naka3_3dsuki 院生時代に、そのあたりを突き詰めて考えてしまい、インパクトファクターのことも考慮し出して、疲弊しちゃったんです。表の「研究室」ブログにも、いろいろ書いているのは、そういうジャーナルや学術書への複雑な思いがあったからなんです。だからアカポスの亡霊に…。

 

ここから先は、既存の学術的信頼性のあるジャーナルに対して、「いやだ、いやだ」と言いつつも、ある程度はその掲載システムを受け入れ、論文投稿をしていかないと、現実的な厳しさとして、研究者として公に認められる業績を積めないよね。という話をしました*1

 

昨年、出席した数少ない学会の集まりで、このあたりのモヤモヤを先輩研究者の方に話したところ、

「博論を書いた後って消耗しきっていて大変だけど、また新しい場所を見つけて、自分たちのような新参者は定期的に発表で顔とテーマを知ってもらって、少しでも新規の投稿論文が査読を通りやすくするよう、努力していくしかないよ、仲見さん」

と至極真っ当なことを言われました。

 

そろそろ、私自身、覚悟を決めて、新しい一歩を踏み出したいところです。

*1:その厳しさは、在野研究者の先駆者の荒木優太氏が、文芸誌だけでなく、既存の学術ジャーナル(紀要含む)に査読論文をコンスタントに掲載されておられることからも分かります:荒木優太さんのプロフィール | パブー

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