仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

ニュース「奨学金返還月額3分の1に 期間延長で負担軽減 」(共同通信 47NEWSなど)

日本学生支援機構に、月々、奨学金返済をひていた方々で、年収325万円未満の人には、少しの朗報になるかもしれません。学部卒で就職した人のほか、博士卒の非常講師のかけ持ちをしている方、任期付きのポスドクをはじめ非正規の方には、少しでも軽くはなるんじゃないでしょうか。

this.kiji.is

 

f:id:nakami_midsuki:20170217143225j:image

 

上記リンクの記事によれば、「日本学生支援機構から借りた奨学金を返すのが難しい人」に対して、「文部科学省が返還月額を最長15年間にわたり3分の1にして、返還期間を延ばす制度を設ける方針を固めた」とのこと。「年収325万円以下の人が対象で4月から受け付けを始める予定」で、「期間延長で負担軽減」となるようにしたそうです。

(325万円の25万円の根拠は、様々な税金や年金の天引きを考慮した数字なんでしょうか?すみません、よく分かりません)

 

文科省によると、無利子、有利子に関係なく利用でき」、日本学生支援機構で第一・二種ともに受けられていた修士卒の先輩方には、積極的に利用して頂きたい制度です。

(以上、「」内は奨学金返還月額3分の1に 期間延長で負担軽減 - 共同通信 47NEWSより引用)

 

 文科省の動きとしては、

「「学費はアルバイトで賄え」 67歳「奨学金批判」に大ブーイング」(J-CASTニュースより)について~約50年間の授業料と物価数値から考える~ - 仲見満月の研究室

 でも少し触れましたように、今年1月31日に日本学生支援機構法改正案が閣議決定され、同機構の奨学金に「給付型奨学金」を加えるというものでした。既に来年度の予算案に基金の創設も盛り込まれた「給付型奨学金」は、申請した際の審査基準は「貸与型」よりも厳しいものの、返済は不要ということ。2018年度の本格的な施行を前に、4月から一部の下宿生を対象に先行実施されるとのこと(以上、全文表示 | 「学費はアルバイトで賄え」 67歳「奨学金批判」に大ブーイング : J-CASTニュースを参考にしました)

 

今回の「期間延長で負担軽減制度」は、先の「奨学金返還月額3分の1に 期間延長で負担軽減 - 共同通信 47NEWS」によると、4月から一部で先行開始される「給付型奨学金」、それと同時に始まる「卒業後の所得に応じて返還月額が変わる「所得連動返還型奨学金」」に対し、既に奨学金を借りている人たちが恩恵を受けられるような制度を文科省が設けようとしていたことから、設置されたようです。

 

 更に、今回の「期間延長で負担軽減制度」については、東京新聞の次の記事が詳しく書いています。

www.tokyo-np.co.jp

上記の東京新聞の記事によれば、

現在、無利子で月額5万4千円を4年間借りると、月額1万4400円を15年間で返している。新制度を使うと15年間は月額4800円を返し、16年目から月額1万4400円に戻って残額を返還する。年収300万円以下の場合、通算で10年間、返還自体が猶予される制度との併用もできる。

東京新聞:奨学金返還を月額3分の1に 期間延長で負担軽減 文部省方針:社会(TOKYO Web)より引用、一部の漢数字を算用数字に仲見が変更)

とのこと。時間はかかるけれど、だいぶ負担感はなくなりそうではあります。

 

合わせて、無利子タイプの返済型奨学金に限っては、

また文科省は、無利子奨学金に限り、17年度進学者から連帯保証人の代わりに保証機関を利用する際の保証料率を約15%引き下げることを決定。貸与月額5万4000円の場合、現在は月額2269円の保証料が1928円になる。


返還を巡っては、減額制度の拡充や所得連動型の導入による期間長期化に伴い、連帯保証人が高齢化して保証できなくなる懸念が出ている。このため、保証機関を利用する人が増えることが予想され、引き下げを検討していた。

東京新聞:奨学金返還を月額3分の1に 期間延長で負担軽減 文部省方針:社会(TOKYO Web)より引用、一部の漢数字を算用数字に仲見が変更)

という事情が背景にあったようです。

 

これ、実際に私の院生時代に話して下さった先生にあった例です。任期付き助教の磯垣先生(仮名)がいらして、日本学生支援機構の返済型奨学金を借り、博士課程の在籍年数3年を超えて博士号取得し、博士課程を修了したためか、連帯保証人が必要だったとのこと。連帯保証人として大叔母さんに頼んで、D4になる前、書類に判子をついてもらいましたが、D5の冬に大叔母さんが亡くなりました。磯垣先生は、その秋にD5で博士学位論文の審査が終わり、学位取得とポスドクの就職が決まっていたので、自分で返済していくことになりました。が、任期付きのアカデミックポストばかりで年収が300万円もない時代が長く、独身でご両親の扶養に入っていたこともあり、現在も引き続き、月額数万円ずつ、返済されているようです。

 

磯垣先生のような研究者の方々は、総額でいくらいぐらい返済に必要な額を背負っておられるのか、わかりません。学部の同期で、就職した友人は卒業式前夜の鍋会で、見せてくれた日本学生支援機構からの通知で、私が見た返済額は300万円前後だったように思います。無利子か、有利子かで返済額も変動するでしょうが、政治学研究者で非常勤講師(かつ作家)の栗原康氏は、博士課程満期取得退学で「大学の奨学金で635万円の借金をせおっている」(2014~2015年)ようです。 

 

仮に、ここでは学部卒で300万円、大学院の博士課程まで行って635万円を目安とします。大卒で月収20万円で年収240万円で日本学生支援機構に返済中の人には、月々の返済額が数万(借りた人の状況によるのでこの表現)から1万円台になるというのは、負担がぐっと軽くなると見ていいのではないでしょうか。

 

 

なお、先週末に見た「NHKスペシャル | 見えない“貧困”~未来を奪われる子どもたち~」では、返済型の奨学金を借りても、合格した大学に入学金が支払えないと通えないことを高校の先生から聞いた親子がいて、返済型であっても今後は進学できなくなる世代が当たり前になってくるんじゃないかと思いました。 

 

自分の父親日本学生支援機構の返済に大変だったと聞き、「絶対、返済型には手を出すな!」と散々聞いていた私としては、もっと、給付型奨学金で返済のないタイプのものが増えることを願ってやみません。 

 

 

 

 

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