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仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

通訳さん、お仕事ですよ①~イタリア語通訳者・田丸公美子の場合~

下の記事で紹介した元ロシア語通訳者・エッセイストほかの故・米原万里。彼女の本にたびたび登場してくる"シモネッタ"。誰かといえば、イタリア語通訳・翻訳家の田丸公美子のこと。

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

この"シモネッタ"が書いていたエッセイについて、読書記録がありましたので、公開致します。

 

(以下、2010年3月25日の記録)

米原万里田丸公美子。この2人は東京外国語大学出身。つるむようになったのは、仕事先で顔を合わせるようになってからの模様。

 

"エカッテリーナ"こと米原万里の本を紹介したので、今回は親友のほうを紹介します。本の内容は、著者のニックネーム通りです↓

 

田丸公美子『シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ』(文春文庫)文藝春秋社、2008年

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 タイトルどおり、前半は仕事で出会った恋愛譚ほか、イタリア人相手に鍛えたナンパ・シモネタかわし術が続く!!女性を見たら声をかけないことが失礼、そんなイタリア人の恋愛観、駆け引き、読むだけで気分が晴れてきます。

 

シモネタのほうは、イタリアを代表する食品パスタ(某人気擬人化漫画の主人公の好物)の形に表れていて、ここは笑うしかない!イタリア人のユーモア、万歳!!です。

 

 

後半は著者の半生、そして現在の変化してゆく通訳業界への思い。

 

いかにして、シモネッタは通訳を志すようになったのか。きっかけは、著者の出身地ならではの体験。大学時代は、初デートの銀座で飲んだコーヒーの高さに泣き、その後、観光ガイドのアルバイトを開始。親からの仕送りなしで学び、卒業後はガイド業で知り合ったイタリア人の縁も使い、フリーの通訳仕事をこなす日々。

 

スタイルよし、頭よし、センスよし、というシモネッタ。彼女の力強い生きざまを魅力たっぷりに書ききっています。

 

私個人としては、イタリア人の人生観、美学、見習いたい!

 

・イイ女は、あくびするほど男を退屈させない。

・縁ある人を慈しみ、オーナーは友人を店の列に並ばせない。

・朝、夫は妻の眠るベッドにコーヒーを持ってゆく。

・男は決して女を邪険に扱ってはならない。

 

などなど、人生を楽しむためのヒントに溢れています。

 

 

(以下、2016年9月28日の追記)

どういう経緯で、私がこの本を手にしたのか、今となっては覚えていません。本書のほか、Amazonをはじめ、オンライン書店で著者の名前を検索すると、著書が複数、出てきます。米原万里の作品数よりは少ないと思われますが、それでも、10冊近く出てくるので、田丸氏をエッセイストと呼んでも差支えはなさそうです。

 

むかーしの話ですが、私は高校生の時、通っていた中国語教室で、中国語の学習雑誌『中国語ジャーナル』(アルク)を借りていました。大学生になってから、第一次外国語が必修の中国語(指定)を授業でとることとなり、せっかく高校の習い事で中国語をやっていたから、高校の中国語コースや帰国子女向けの中国語中級クラスを受講すると、当たり前ですが、周りはレベルが高すぎた!語彙を増やさないといけないため、この雑誌を講読するようになりました。その本誌とセットで送られてきたのが、出版社アルクの語学情報誌『マガジンアルク』。今は、web版もあるようです。

www.alc.co.jp

 

その中で、連載されていたリレーエッセイ「通訳ソーウツ日記」に、田丸氏も寄稿していて、パラパラと気軽に楽しんでいました(下はweb版マガジンアルク内のページ)

www.alc.co.jp

田丸氏のエッセイを読んでいると、ヨーロッパ人の中でのイタリア人の立ち位置、北イタリアと南イタリアのイタリア語の通じないほどの違い(イタリアは中世・近世と都市国家や領主によって半島内に多数の政権が存在していたことに因む)の文化面での話が、面白いです。そのほか、若手通訳者との葛藤、イタリア語の講座で起こった事件など、言葉を仕事にしている職業人の目を通じて、プロフェッショナルな通訳という仕事を知ることができます。

 

田丸氏のエッセイは、ユーモアに富んでいて読みやすいし、爆笑するような場面もあります。知識欲を満たすもよし、笑うのが目的で目を通すもよし。ただし、電車やバスでの読書はおすすめしません。なにせ、著者はシモネッタですから。

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