【報道】「防衛省が大学などに研究費提供する制度 応募が倍増」(NHKニュース)
本日29日、北朝鮮が中距離弾道ミサイル発射をした報道がありました。今日、ある意味、タイムリーといっていいのか、防衛相が大学などに研究費を提供する制度に関するニュースが入ってきました:
防衛省が大学などに研究費提供する制度 応募が倍増
8月29日 17時26分
防衛省は、2年前から始めた大学や研究機関などに研究費を提供する制度について、予算を増額して5年で最大20億円を提供する枠組みを今年度から新たに設けました。これに対し、昨年度の2倍以上の100件余りの応募があり、14件が採用されました。
防衛省は、民間の先進的な技術を装備品の研究開発に取り入れるため、大学や研究機関などに研究費を提供する制度を2年前から導入しました。
日本のリーダーは、人文社会系や自然科学のほうには資金を割かず、国の防衛に関する研究を行う大学や研究機関に資金を提供することは、私も知っておりました。「予算を増額して5年で最大20億円を提供する枠組みを今年度から新たに設け」、「昨年度の2倍以上の100件余りの応募があり、14件が採用され」たことは、はてなのコメントにあるように、不祥事で揺れる文科省の面目を潰していることになっていて、興味深いです。
この制度をめぐっては、科学者の間で軍事的な研究との関わり方が議論になり、日本の科学者を代表する国の特別の機関、「日本学術会議」は、ことし3月、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」などとする声明を出しました。
こうした中、防衛省は、「基礎研究のなかには複数の機関が参加して試験を繰り返す、規模の大きい研究でないと進まないものがある」として、予算を増額して、5年で最大20億円を提供する枠組みを今年度から新たに設けました。そして、30のテーマについて提案を募集したところ、昨年度の2倍以上にあたる104件の応募があり、14件が採用されたということです。
今年度の採択率は、13パーセント。テーマや分野によっては、ガクシンよりも採択率が高そうです。本制度をめぐっては、
科学者の間で軍事的な研究との関わり方が議論になり、日本の科学者を代表する国の特別の機関、「日本学術会議」は、ことし3月、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」などとする声明を出しました。
とのことです。そもそも、文科省が大学や研究機関に研究資金を潤沢に出せたり、あるいは民間企業や団体が助成金の採択数が高かったり、そういった分野に関係なく、研究にお金を出すことが日本にあったら、日本学術会議が声明を出す時期は遅れていたかもしらません。
こういうことをメインブログで書くべきではありませんが、実際に北朝鮮をはじめ、隣国の軍事的な行動が起こっている昨今としては、今回の制度に限らず、例えば、先日の記事で取り上げた、三重大が力を入れている忍者・忍術学の研究:
naka3-3dsuki.hatenablog.com
こちらのほうも、本腰を入れてしまえば、十分、軍事利用は可能なものもあるのではないでしょうか。私は苦々しく、感じております。
ニュースの続きを見てみましょう。
応募のうち、大学からのものは昨年度とほぼ同じ22件だったということです。
世界史を教えていた私としては、現在の日本を取り巻く世界情勢について、研究者の関わり方についても、真摯に向き合っていきたいと感じました。
書店で見かけた本としては、次のものが気になっています↓
短いですが、本記事はここでおしまいです。