仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

甘い茶と無糖茶の謎 in アジア~2018年の酷暑と海外で見た果実茶、果物の食べ方で考える~

<皆さんは果物、お好きですか?>

1.はしがき

今週のお題「#平成最後の夏」 ということで、何について書こうかと考えまして自分の研究してきたテーマと関係のある、アジアの生活文化や習慣の話をしようと思います。

 

私の周りで、中国や台湾に行った人は「ペットボトル入りのお茶に、甘いのと無糖のものが置いてあって、驚いた!」という人が昔から一定数、いました。今年は世界的な酷暑で、暑い地域の夏の過ごし方が注目され、日本にも一部、紹介されていたようで、私が伝え聞くに、どうも甘い茶と無糖茶の問題とも無関係ではないように感じました。

 

本日は、私が今まで近隣諸国を中心に、この夏、紹介された習慣に加え、海外に行った時、接した飲食文化から「どうして、アジアに甘い茶と無糖茶が存在するのか?」という謎に、ゆる~く迫る回です。多分に私がアジアに行って実際に見聞きしたもの、ネット上で目にしたものから、書いた記事です。「思いつきエッセイ」くらいのノリでお読みいただけたら、と思います。

 

f:id:nakami_midsuki:20180827122451p:plain

(画像:柴犬すいか好きイラスト/無料イラストなら「イラストAC」作者:kaka

 

 

2.甘い茶と無糖茶の謎 in アジア~2018年の酷暑と海外で見た果実茶、果物の食べ方で考える~

中華圏で甘い茶と無糖茶があるというのは、私は周りの東アジアをフィールドにしたり、中国や台湾の大学に勤務したりしている日本出身の方にお話を聞いていました。私自身は長い間、無糖茶しか見たことがなく、「甘い茶を飲むのは、古い時代の習慣なのかな?」という認識でした。ところが、約2年前に上海に行った時、コンビニで買ったサン●リー烏龍茶に"低糖"の表示を発見!同じ店舗で、ラベルが青い"無糖"表示の烏龍茶もあり、まとめて買ったのを記憶しています。たぶん、私の行っていた中華圏が、たまたま、無糖茶しか置いていないお店だらけだったんでしょう。

f:id:nakami_midsuki:20180827125932j:plain

 

さて、別の方面では、ヨーロッパでは茶にジャムを入れて飲む習慣があるとも伝え聞き、「甘い茶がないのは、日本くらいでは?」という指摘をした人もいたようです。

 

飲み物としての茶って何だ?と考えた時、私の勝手な認識では、植物の葉や実などを炒って(あるいは乾燥させて)、粉末状、あるいはそのままを、沸騰した湯に入れ、出てきたエキスを水に溶かし、それでできた飲料としての液体を「茶」と呼びます。このイメージでは、茶葉、麦茶、韓国でポピュラーなトウモロコシ茶、中国の"茉莉花茶"なんかも入ってくると勝手に考えていますが、いかがでしょうか。

 

そういった全体的に「甘くない茶」ばかりにしか接していた、ある日のこと。2010年代初めに出かけたマレーシアに出かけた私は、首都のクアラルンプールのチャイナタウンで、果物入りの甘い飲み物に出会います。ジュースなのかと思い、「おんぶにだっこ」状態で私を案内をしてくれいてた現地の友人に尋ねたところ、「お茶だよ」と答えをもらいました。

 

この時、私は初めて果実を丸ごと入れるタイプの茶というものに、初めて触れ、カルチャーショックでした。日本で売っているジュースとの違いは、水に浸かった果物をプラスチック容器に容れ、フタをし、ストローを差して出した飲み物です。果実をミキサーにかけてすりつぶし、その液体を飲むというより、果実とそのエキスを煮出して冷やし、氷を加えて飲むイメージ。こういうタイプの飲み物について、本記事では便宜上、「果実茶」と呼ぶことにします。味については、果物によりますが、味は甘いシロップを飲んでいるように感じました。この果実茶、お昼ご飯と一緒に飲んだように思います。

 

他にも、クアラルンプールでは道行くスタンドで果物を買っては齧りつつ歩く人を見たり、ショップングモールでは果物入りのかき氷を食べたりしました。マレーシアに行った後、研究の関係で私は台湾に行きました。その時の話は、「【'18.3.5_2040追記:告知】pixivの台湾東部地震の「台湾加油・義援金拠出企画」に参加作品を投稿 - 仲見満月の研究室」にあり、飲み物の話は

www.pixiv.net

に入れました。pixivの記事で初回したタピオカミルクティーをはじめ、日本で最近よく話題になるのが、台湾のマンゴーかき氷です。マレーシアもですが、台湾も、日本より赤道に近い熱帯地域は、果実茶やかき氷で果物を摂取する文化があるように思いました。ちなみに、果実茶の入った容器や、かき氷を食べている様子を見ると、サイズが大きかったです。長時間かけて飲み、食べるか、数人で分けて食べていた気がします。

 

さて、今年の夏は、日本だけでなく世界的な酷暑となりました。熱中症対策をしつつ、この暑さの中を生きる知恵について、台湾の会社員の人の一日を紹介したツイートを見かけました。それによると、午前中は車内でデスクワークを行い、外回りをする時は15時を過ぎてからすることになっている、と。ポイントは、果物を一日に一個は食べることで、人によっては、切り分けたものを一日に何回も食べているようでした。そのツイートを見て私が考えたのは、果物を食べることで、どうも水分と栄養を摂取し、熱中症予防ができているの可能性です。マレーシアでも果物を食べたり、果実茶を飲む習慣があったりしのも、水分と糖分などの栄養を果物で取り込むことで、熱中症対策をしていたのではないかと思いました。

 

日本に話を戻すと、これもTwitterの話ですが、熱中症にかからない田舎暮らしのある高齢者女性の生活は、 暑い日中は、家の奥の涼しいところで、梅シロップを少しずつ飲みながら、仕事や家事をして過ごすというものを聞きました。梅シロップは、角砂糖と青梅の実(洗ってアク抜きしたもの)を瓶に入れて、冷暗所に置き、できた液体を飲み物にするものですが、シロップにエキスが含まれているなら、果実茶と同じく、果物から栄養を取るものではあります。

 

果実茶や梅シロップと近い感じで、果物から栄養を取れる飲み物としては、韓国でよく飲まれている柚子茶がそれに当たるでしょう。知り合いの朝鮮近代史の先生は、柚子茶は、柚子のジャムをお湯に溶かして飲むものだから、茶とはいえないと考えていらっしゃるようです。柚子をジャムにし、それをお湯に溶かして飲むプロセスが、果実茶(や梅シロップ)と同じく、果物のエキスを人間が取りやすくした過程だと考えれば、広い意味では、柚子茶も果実茶の一種なのではなかろうか、と今回、私は考えました。でね、韓国では夏場にアイスの柚子茶を出すカフェもあるようで、私も行ったことがあります。

 

果実茶にしろ、梅シロップにしろ、柚子茶にしろ、歴史的な詳しい成立経緯は置いてくとして、現代においては暑い時期、アジアのあちこちで飲まれることがあることが考えられます。暑い地域では、夏に体調不良を起こさない栄養摂取の手段として、果物を食べることに加えて、果実茶を飲むこともしているんじゃないかと、私は推測しました。日本の梅シロップ、韓国の最近のアイス柚子茶も、似たような飲まれ方をしているように思います。

 

こういったことから、栄養不足を補う役割がその地域の甘い茶にあったのでは?ということを思いつきました。その名残で、中国や台湾では甘い茶と、そうではない無糖茶が売られているのではないでしょうか。あるいは、酷暑に耐える他にも、甘い茶を必要とする何かが一時的にでもあって、茶の味にバリエーションが出ているとか。

 

ちなみに、モンゴルのほうで飲まれる茶には、当地で不足しがちな野菜で得られる栄養を補っていることを指摘する話を聞いたことがあります。また、茶は医学的な効用を期待される側面があり、そういった経緯を含めて、茶の作り方や味に多様性が出たのかもしれません。

 

 

3.最後に

以上、茶に関する私個人のエッセイでした。 茶をめぐっては、その作られ方や引用方法、作法から税金や貿易との関わりから経済の歴史、漢方などの医学的な効用まで、話の切り口は広範囲におよび、しかもそれぞれが非常に奥の深いものになっています。そして、茶の提供された場所は、情報交換が行われ、そこから様々な職業や商業的なサービスが生まれたとされています。

 

今回、中国における茶の薬としての側面を掘り下げられませんでしたが、そのあたりについて、喫茶の歴史を中心にまとめられた本が出ていました。気になる方は、読まれて見てください。

 

おしまい。

 

 

ブロトピ:アクセスアップのお手伝い!ブロサーあんてなにあなたも入会してみないか!

ブロトピ:ブログ更新のお知らせはこちらで!

ブロトピ:今日の学問・教育情報

ブロトピ:ブログ更新しました

ブロトピ:読書に関するこんな記事

 

 

↓いいね!だったら、ポチッとお願いします。

にほんブログ村 大学生日記ブログ 博士課程大学院生へ
にほんブログ村