仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

【告知】「真っ白」博士の進路相談室、始めます

<「真っ白」博士の進路相談室について>

  • 「真っ白」博士の進路相談室の開設経緯
  • 「真っ白」博士の進路相談室の申し込み・相談の流れ
    •  1.まずは「進路相談したいんですけど…」っていう連絡ください
    •  2.仲見より、ご相談についてお受けするか、どうか、お返事をお送りします
    •  3.「お受けしますメール」到着後に決済を済ませて、何を送ったかご申告下さい
    •  4.「お恵みのお礼メール」到着後、「詳細なご相談メール」を送ってください
    •  5.「詳細なご相談メール」の到着後、内容に関して一度、確認をさせて頂きます
    •  6.「大丈夫ですメール」到着後、調査した仲見より「回答メール」を送信します
  • 回答者・仲見満月ってどんな人?

「真っ白」博士の進路相談室の開設経緯

皆さま、いつも読んで下さいまして、ありがとうございます。

 

この「研究室」ブログを開設して、そろそろ、9ヶ月目に入り、Twitterのほうではジワジワ、有名ブロガーの皆さまに比べるとまだまだ少ないですが、フォロワーして下さる方が400人台になりました。ありがとうございます!ゆっくりとした歩みのなか、少しずつですが、ここのブログでの活動が広がっていっているようです。

 

SNS関係では、Twitterで開放しているDM、こちらで設置しているメールフォームから、たま~に、大学院への進学や、大学院を出た後の就職など、進路に関する相談を頂くようになりました。頂きました相談につきまして、DMやメールのやり取りを通じて、私がこちらで紹介してきた各分野の研究者を紹介する記事や書籍、自分の文理総合系大学院時代の経験とその周辺のことを中心に、できる範囲でお答えをさせて頂いております。

 

正直に申し上げますと、当方、現在は殆ど定期収入のない経済状態にありまして、ご相談いただいた方々には、お答えさせて頂く代わりに、「恵んで下さい」リストより、何か、送ってください!と乞食を申しておりました。

 

これまでの進路相談の件数から、果たして、どれほどの需要があるかは分かりません。しかし、先月のアンケートにて、以下のような結果が出ました(再掲)。

投票数が1位の「院卒後の就職や進路」36%、最下位ではありますが大学院の「受験全般(院の選び方や受験対策など)」5%の結果となっており、合わせて4割ほどを占めました。アンケートを受け、「院卒後の就職や進路」については、ラジオゼミ第一回のテーマで喋りましたが、ツイキャス配信後、より細かな分野ごとの情報にニーズがあることがお問い合わせで見えてきました。

 

以上のような経緯がありまして、この度、大学院の受験全般に関すること、それから院卒後の就職についての細かなことにつきまして、進路相談のコーナー開設をすることに致しました。ほぼ無収入状態のため、お答えをさせて頂く代わりに、「恵んで下さい」リストより、一品より、恵んでください。

 

先におことわりしておきますが、ご相談には、研究業界的・社会的に孤立や抹殺の危険がない範囲で、お答えさせて頂きます。その旨、よろしくお願い申し上げます。

 

 

そういうわけで「真っ白」博士の進路相談室、始めるよ!

 

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研究活動における院生の指導教員との付き合い方を考える~「ウィンDくんのぶっちゃけ大学トーク」から~(リンク切れ確認済み、'18.12.14、11時台に追記)

  • 1.はじめに
  • 2.先生の言うことは、半信半疑くらいがちょうどいい?~「ウィンDくんのぶっちゃけ大学トーク」から(’18.3.17_2025:リンク切れ確認)~
    •  2-1.「すべて」といっても、具体的にどのように疑えばいいのか?
    •  2-2.発言者自身とその発言は切り離して、疑うのがポイント
    •  2-3.ちょうどいいのは「半信半疑」くらい?
  • 3.まとめ(’18.3.17_2025更新)
  • 4.関連記事:文系博士課程のガイド本の紹介、指導教員の選び方など('18.12.14、11時台に追記)

1.はじめに

研究関係の集まりに行ってきました。そろそろ、ブログ更新を再開致します。その第一回目は、院生が投稿論文を書いたり、学会発表をしたりする上で、指導教員の先生方とどのように付き合ったらよいのか?というテーマです。

 

先週、投稿した次の拙記事は、研究室の教授との付き合い方を変えてうまくいった話。教授を共同研究者に引きずり込む。 - かやのみ日記帳をもとに、卒論・修論という具体的なゴールのある研究課題を仕上げるため、指導教員の先生と学生がどのように付き合ったらよいのか?ということを考えました。

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

上記の記事「3.卒業研究でかやのみ日記帳の筆者が学んだこと」では、ご紹介した、かやのみさんが、「一度、自滅しかけた卒業研究について、原因を冷静に分析し、きちんと指導教員に自分の(勝手な)暴走を謝罪し、テーマを相談して決めるところから仕切り直し」、「プロジェクト管理のようにスケジュールを組み、頻繁な報告・相談によって」、その先生と信頼関係を築き、「指導教員を「共同研究者」に仕立てあげることができた」ことを指摘しました。

 

この課程の報告・連絡・相談について、かやのみさんは、教授の言ったことをメモしたり、録音したりして、拾っていくことが重要だというようなことを書かれていました。確かに、先生の言うことは、私が研究を進める上でも、ヒントになる有り難い言葉が多かったです。ただし、

ときどき、先生の言っていることに一貫性がなくなり、矛盾だらけになってくることがあります。

卒業論文・修士論文における学生の指導教員との付き合い方を考える~「かやのみ日記帳」のエントリ記事から~ - 仲見満月の研究室より)

 ということが実際、あります。かやのみさんが言うように、「ホウレンソウ」の頻度を上げることで、先生の言うことに一貫性が増すこともあります。が、一度に大勢の学生の研究を見ないといけない先生だって、特に50~60代になっていれば、一日に自分がしたことでさえ、あっさり、忘れていってしまうものです。そういうわけで、先生のいうことに矛盾が出てくる箇所があっても、仕方ありません。そういうわけで、前回の拙記事では、次のような文章を書きました。

指導教員の言ったことは、録音でもメモ書きでもとっておき、再生したり読み返したりするなかで、取捨選択していってください。時に、師匠の言動を半信半疑くらいに扱うことも、研究を進めていく上で求められます。詳しくは、後日、院生の研究活動における指導教員との付き合い方の記事で書く予定ですが、ひとまず、今回は先生の言うことを、すべて取り入れなくてもよい、くらいに覚えておいてください。

卒業論文・修士論文における学生の指導教員との付き合い方を考える~「かやのみ日記帳」のエントリ記事から~ - 仲見満月の研究室より)

 

半信半疑くらいに扱い、取捨選択していきましょう!ということだけ、書きました。特に、自分が今後、将来に研究者として歩んでいくための博士論文を書く研究活動では、一人立ちの予行演習的な意味合いがあるのです。つまり、博士課程の院生は、忠犬ハチ公のように、指導教員の指示に従わなくても、いいんです。

 

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では、どのようなスタンスで先生の言うことを聞けばようのでしょうか?

 

上記の引用箇所にある「後日」の記事として、本記事ではその理由、および博士院生の指導教員との付き合い方を、はてなブログの旧「ウィンDくんのぶっちゃけ大学トーク」にかつてあった記事から考えていきたいと思います。

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卒業論文・修士論文における学生の指導教員との付き合い方を考える~「かやのみ日記帳」のエントリ記事から~('18.12.19、22時台に更新)

<本記事の概要>

  • 1.はじめに
  • 2.軌道修正しつつ指導教員を「共同研究者」にしよう!~「かやのみ日記帳」から~
    •  2-1.「自滅」した原因を分析し、卒業ゴールに到達するため軌道修正する 
    •   2-2.指導教員を捕まえ、その「時間は有効に、そして全力で奪い合うもの」
  • 3.卒業研究で「かやのみ日記帳」の筆者が学んだこと('18.12.19、22時台に更新)
  • 4.卒業論文修士論文と関係の深い記事('18.12.14、10時台に追加)

1.はじめに

公聴会や口頭試問が終わり、そろそろ、大学・大学院で合否結果が出そろった頃でしょうか?卒論や修論、そして博論の指導に深くかかわり、審査に強い影響力を持つゼミや研究室の指導教員について、今まで本ブログでは、

 ・自分のやりたい研究をしている先生の探し方

 ・アカハラと関連して人間的に黄色から赤信号の研究者と出会っても回避する方法

等について、主に下の諸記事で書いてきました。

大学院に行きたいと思ったら見極めるべきこと~指導教員の選び方について:主に文系向け~ - 仲見満月の研究室

【2017.2.16更新:目次】アカデミック・ハラスメント(アカハラ)に関する記事まとめ(外部記事含む) - 仲見満月の研究室

 

出会ったり、避けたりして、自分の研究や人間性と合いそうな先生が指導教員になって下さった。院生だと入学してから以降、自分が研究を進める上でどのように指導教員と付き合い、コミュニケーションをとって発表や報告で指摘をもらい、時に捕まえて論文にアドバイスをもらったらいいのか?というお話をしていませんでした。

 

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この話題、実は指導教員の先生方一人ひとりの方針、性格や立場、スケジュールの過密具合等によって、私の周囲の先生は異なっていたようです。

例えば、多忙なボス先生は、けっこう態度が露骨で、退屈なゼミ発表を聞くとその場であくびのようなアクションをされることもありました(あくまで、ボス先生は耐えてられます)。ただし、学部生や院生が論文の草稿を持って来たら、赤ペンを取り出し、その場で読んで添削をされ、きっちりとガッツに応えるタイプのようでした。

私の恩師は、普段は放任主義で、とにかく、雑務から逃げまくる先生でした。必死に追いかけ、つかまえて論文内容を相談すると、ポツポツとコメントされるので、こちらはメモ帳にペンで記録を残す必要がありました。ボス先生ほどで添削はされませんでした(基本的に、院生同士での読み合いと添削を推奨)。が、論文の下書きを見せると、段落の入れ替え、用語の解釈には細かなアドバイスを下さいました。

 

ボス先生も 恩師も、積極的に追いかけて、捕まえる学生には指導をしているようでした。逆に言うと、そういった積極性のある人に「この人たち、すごい優秀だ!」と気力が削がれ、アドバイスやヘルプを求められなくなってしまった学生には、振り返ってみると、付き合いにくい先生だったと思います。実は、私もこのように気力が修士課程で削がれてしまい、クソな内容の修論を出してしまったのです。

 

モチベーションがダダ下がると、研究が停滞しかねません。具体的には、実験結果や知識が蓄積していても、因果関係を考え、背景や原因と筋道をつけ、論文の骨子を作るための閃きが「下りて」きてくれません。下手すると、材料ばっかりが集まっても、調理方法が分からなくて、「ご飯はまだ?」と客人に催促され、ますますパニックになってしまい、調理方法を調べる等の解決法にたどり着けない、料理の作り手のようなものです。悪循環に陥っていくと、地獄です。

 

その地獄に陥らないため、学生の研究に(適切な程度に介入して)指導するのが、指導教員だと私は思います。しかし、昨今の日本で大学教員は雑務や会議に忙殺され、自身の研究だけでなく、学生の指導にも時間を割きにくい現実があると考えられます。辛いですね、学生としては…。

 

そこで、今回は次のエントリ記事をとおして、学部生・修士院生が卒業・修了に必須の卒論と修論を進める上で、どのように指導教員と付き合えばよいのか?審査がより厳しい博士論文のことは横に置いておくとして、本記事では、ひとまずゴールの決まっている卒論と修論を提出するためのコツを話題にしました。それでは、はてなブログ「かやのみ日記帳」の記事をもとに、少し、考えてみようと思います。 

 

 

2.軌道修正しつつ指導教員を「共同研究者」にしよう!~「かやのみ日記帳」から~

まず、かやのみさんの「難易度の高いテーマを選び」、一度、砕け散ってしまった!というところから再スタートすることになった次の卒業研究のお話から始めます。

kayanomi.hatenablog.com

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