仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

【告知】「研究室通信」Vol.2の『なかみ博士の気になる人文・社会系ニュース』準備中

先日、秋の同人誌即売会のサークル参加と新刊のお知らせを致しました↓

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

『気になる科学ニュース』新刊を準備中、無料配布のことを考えていたところ、今年の冬に出したフリーペーパーの「研究室通信」Vol.1の存在を思い出しました: 

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

たしか、科研費や学振の特別研究員のことについて、もっと勉強したいといった内容をフリーペーパーの第1号では書いていたと思います。このあたりの研究資金のお話は、ざっくりではありますが、次の拙記事2件に書きました:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

そのほか、第2号で書こうと思っていたことは、だいたい、本ブログの記事で書いてしまっており、「研究室通信」Vol.2を出せない状態になっておりました。ネタをどうしようかと考えた時、昨年度&今年の上半期の日本史関係でホットだったのは、個人的に室町・戦国時代あたり。そのなかでも、忍者に関するあらゆる面からの研究ニュースについて、考えさせれられることがありました。

 

そういうことを考えているうちに、冬の文学フリマ京都の新刊のことを考えている途中で、以下のような画像を作ってしまいました↓

f:id:nakami_midsuki:20171007191830j:plain

 

「研究室通信」第1号の後継を同人誌として考え、現在、制作中の表紙と裏表紙です。論文の書き方のライフハック本の書評も書かずに、いろいろと、忍者の研究ニュースに関する記事の同人誌版を企画してしまいました…。

 

既読の読者の方には、申し訳ございませんが、『気になる科学ニュース』の生物学特集と合わせて、両方の同人誌をお買い上げの方向けに、無料配布とは別で、動物に関する特典を何かつけようと思います。

 

そういうわけで、メインテーマの記事更新を期待されていた方には、申し訳ございませんが、一応、「研究室通信」第2号に当たる同人誌なので、きちんと秋のCOMIC☆PARTY29には間に合うように、脱稿を目指して頑張ります。

月にまつわる神話や信仰から宇宙科学まで話を世界中から集めた「大全」~ダイアナ・ブルートン『月世界大全』+藤井旭の本~

今週のお題「読書の秋」>

1.はじめに

こんにちは、脚のリハビリの筋肉痛で、手だけ動かして執筆している仲見です。今週は、ノーベル賞の各部門の発表がされる週ということで、既に医学・生理学賞、物理学賞が発表されました。特に、直近の発表となった物理学賞については、アインシュタインが100根前に予言した重力波を観測した功績で、米国の大学の3人の先生方が、ご高齢ながら受賞なさいました。そのあたりの詳しいことは、「分室」の次の記事の「1-1.10月3日のノーベル物理学賞発表から」で触れていますので、ご参照下さい:

note.mu

 

そして、本日は10月4日で「中秋の名月」の日ということで、中国フリークな私は「月餅、大きなスーパーに売ってないかな?」と考えてしまいます。すみません、食いしん坊を通り越して、過食気味なので、まずは買っているリンゴを満月に見立てて、食べていこうと思います。

 

さて、今週のはてなブログのお題は、

 

今週のお題「読書の秋」

 

 です。「中秋の名月」の日に読書ということで、本日は、月にまつわる神話や信仰から宇宙科学まで話を世界中から集めた「大全」と呼ぶにふさわしい本の紹介です: 

 

月世界大全―太古の神話から現代の宇宙科学まで 

月世界大全 新装版 

上のほうが私が学生時代に読んで、人文科学系の授業でレポートを書き、参考文献に挙げた古いほうの版になります。けっこう、読み込んだ覚えのある本で、最初は図書館で借りた後、絶版になっていた期間があり、仕方なく古書サイトで飼いました。

 

下のほうが、2014年に出された新装版だそうで、こちらは手に取ったことがありません。5000円台とお値段が並の学術書になってしまいました。

 

上記のような事情によりまして、今回のレビューは、上の古い版の『月世界大全』をもとに、さらっとさせて頂きたいと思います。

 

 

2.簡単なダイアナ・ブルートン『月世界大全』のレビュー

 2-1.目次

目次は、古い版、新装版とも同じ内容になっております。

 

第1部 月の神秘(月に向かって
太古からの月物語
女神の月 ほか)
第2部 月を越えて(月の巨石
月の星座
月光が支配する生命 ほか)
第3部 月の科学(実際の月
月の起源
月の生命
月への旅)  

(Amazon | 月世界大全―太古の神話から現代の宇宙科学まで | ダイアナ ブルートン, Diana Brueton, 鏡 リュウジ 通販、目次)

 

 2-2.本の内容と私の思い出

これだけ、著者はよく神話や信仰から宇宙開発に関わるまでの月の話を集めて、読者に空きさせることのない筆致で書いたものだ、素晴らしい!と民俗学か何かで「女神の月」あたりを読んで、授業のビデオで見た、今日のイギリス南西部で行われている「女神運動」での満月に日の瞑想を紹介した文献*1などを探して、本書と合わせて読み、レポートに纏めました。

 

俄然、著者の経歴に興味がわいたものの、それらしき箇所はありませんでした。訳者の鏡リュウジさんが書いた「訳者あとがき」を読んでも、訳者自体が著者のダイアナ・ブルートン氏のことを存じ上げていないことが書いてあったものの、これだけの月にまつわるエピソードを集めてきて、本を一冊書き上げてしまった、博識な人に違いない、というようなことが、「訳者あとがき」に書かれていたことを、私は記憶の片隅に置いておりました。

 

肝心の内容については、私の関心の強い「第1部 月の神秘(月に向かって 太古からの月物語 女神の月 ほか)」あたりは、古代ギリシア時代から、東洋の月のイメージや神話、太平洋や大西洋の島々に伝わるエピソードを列挙しています。単なるエピソードの羅列では、読者が飽きてしまうものですが、そこは筆者の腕のみせどころ。きちんと、特定の地域の神話から民話へ話を移していく際、中心となるシンボルを月と結びつけた時、ある地域ではどう見るか、東洋ではどう見るか、といった形で話が自然に展開するように書かれていました。

 

後半の月と宇宙科学の話については、古い版のほうが1996年ということで、昔の月へ行くための科学はどんなものだったか、どうイメージされて月へ行こうとしていたのか、といった歴史の話として読むといいかもしれません。

 

もし、人文科学系の課題レポートで参考文献に、本書を使おうとされる方がいらっしゃるなら、一応、本書の各神話や民話などの注釈や参考文献があれば、チェックされることをおすすめします。特に、新装版について、一部、日本語訳されて追加された参考文献も登場しているかもしれませんので。

 

 

3.最後に

「読書の秋」ということで、もうひとつ、思い出したことがあったので、書いておきたいと思います。私が人文科学的なものに関心を持つきっかけに、おそらく、小学校時代に図書室の「チロの星空カレンダ―」シリーズの大型本を手に取ったことがあったと思います

 

天体写真家の藤井旭さんが、飼われていたチロをマスコットキャラクターに据えた、星座や天体の解説をマンスリーで1冊ずつ刊行したシリーズです。今は、ほとんどが絶版にあっているようですが、藤井旭さんは一般向けの天体観測の入門のシリーズを10年ほど前から出していらっしゃるようでした。今年のノーベル物理学賞との関連テーマで、チロが表紙に出ている本はこちら:

 

宇宙のしくみがやさしくわかる本 (藤井旭天体観測入門)

posted with ヨメレバ

 

それから、もう一冊。藤井旭さんがチロと出会い、天体写真家として活動し、やがて仲間たちと設立した白河天体観測所にチロを天文台長にして過ごした日々、チロを看取ったことまでをつづった手記があります:

 

星になったチロ―犬の天文台長 (ポプラポケット文庫)

以上、ちょっと学術的な『月世界大全』から、天文学の入門書シリーズを出されている藤井旭さんの本まで、多めに取り上げさせて頂きました。夜空を眺めながら、本に紹介されていたことを思い浮かべるのも、 読書の秋の醍醐味かもしれません。

 

おしまい。

【’17.10.6_1717-冊子価格など追記:お知らせ】’17年の秋と来年の年明けの同人イベントに出展します!

先日、【Top】 - 仲見満月の研究室のほうにまとめていましたが、改めて、本記事で告知致します。

 

<生物学の特集コラム雑誌を出します!>

1.同人イベント出展について

 

<’17年の秋>

COMIC☆PARTY29 in 恋都祭:`17.11.5(日)、奈良女子大学のキャンパス内

 奈良女子大学漫画研究会が主催される、学園祭「恋都祭」内の同人イベントです。

 フォロワーさんが申し込みをなさっていて、私はスペースは居候する形で、売り子としてお手伝いをしながら、自分の本を頒布する形になると思います。スペース配置については、またサークルリストの発表を待って、追ってご報告致します。

 

<’18年の年明け冬>

第二回文学フリマ 京都:`18.1.21(日)、京都勧業会館みやこめっせ

 先日の敬老の日に開かれた、文学フリマの大阪に続き、来年の冬は京都で開催されることになりました。主に、文芸作品を書かれる文字書きの方々が中心の同人イベントです。

 文学フリマのほうは、サークル名「仲見研」(なかみけん)で出展申し込みをし、今のところ、出展できる見込みです。

 

 

2.頒布する同人誌

①の新刊として、note.mu内の『仲見満月(なかみ・みづき)の「分室」』で、やってるweb雑誌『なかみ博士の気になる科学ニュース No.1』から、今年度前半の生物学ニュースを寄り抜き4本+αで収録した同人誌版、秋の増刊号を準備しています。

 

表紙と裏表紙は、こんな感じです。頒布予定数は①の秋の新刊は、

本文フルカラー48ページ(カバー含む)、1冊500円で13部の予定です↓13部です

 

 

 

表紙画像は、こちらです↓

f:id:nakami_midsuki:20171002145047j:plain

 

 

本文の一部をpixivで公開しています。ちらっと、試し読みができますが、印刷完成版には挿絵や写真を入れる予定で、雰囲気がぐっと変わるかもしれません↓

 

 

同人誌版のほとんどは、note.mu内の「分室」、それから弊ブログで読めます。「読み出し無料」の記事でも、300円をお支払い頂くと、続きを読むことができます。が、今回、自分で紙媒体を久しぶりに出すに至りまして、色んな経緯や思い出がありました。同人誌版の「まえがき」と「あとがき」に、「分室」にも本ブログにも書きにくい、そのあたりの事情を長々と書いております。その事情が気になる方は、会場まで直接、来て頂いてご購入して頂けたら、読むことができるので、ぜひ、お越しくださいませ。

 

 

 3.無料配布や年明けの新刊について

なお、①のイベントでは、新刊が生物学の本ということで、アニマルイラストのポストカードの無料配布を考えています。何の動物かは、当日のお楽しみ!

 

それから、年明け②の文フリの新刊については、余裕があれば、『なかみ博士の気になる科学ニュース』2018.冬の増刊号を出そうかな、と。特集についても、考え中です。

 

まずは、約一か月後、①のイベント会場で、皆さまのお越しをお待ちしております。

 

 

4.余談:将来、イベントで情報・評論系の同人誌本を出したい方へ

私の場合、あちこちで書いていますが、院生時代から創作系ジャンルのサークルに入って、同人活動していたことがあり、ある程度、仲間に聞いたり、印刷所サイトをネットで検索したりして、本を作り始めました。

 

今回は久しぶりに本を出す、しかもジャンルが創作系の漫画ではなく、コミティアコミケでは「情報・評論」ジャンルに入るものだと思われます。文フリやコミティアで買った情報・評論系のサークルさんの作品を拝読してみて、基本的には、漫画や小説の同人誌と制作プロセスは変わらないようだということが分かりました。

 

そうは言っても、字書きのほうの同人誌を出すのは初めてであり、久しぶりにイベント出展をするにあたり、次の本を買って準備しております↓

 

小説同人誌をつくろう!

:文芸書でなくとも、文章の多い同人誌を作る人にとっては、字組みレイアウトの考え方、表紙の重要性やおすすめの印刷所、文字書き屋に合ったジャンルのイベント、出展当日までの宣伝の仕方、イベント会に持ち込んで一般参加者を惹きつける方法、書店委託まで丁寧に順を追って解説されています。

 

目指せ☆壁サー! 素人でもわかる!同人サークルのはじめかた (メディアファクトリーのコミックエッセイ ピクシブエッセイ)

: フォロワーさんの何人かにすすめられました。

3人の女性が人気同人サークルが配置されることの多い、壁際のサークル、通称「壁サー」を目指して、同人誌を準備。イベント当日、その後の流れを紹介しながら、同人サークルの始め方を初心者向けに解説したコミックです。主に、二次創作の同人誌を出したい人向けのストーリーになっております。が、漫画原稿用紙の使い方やSNSを使った宣伝術の描き方は、評論・情報系の私にも非常に参考になると思いました。

この記事を書いてる時点で、「同人活動のスケジュール」のところで、本のサンプルや画像はイベントの1~2習慣前となっていて、自分は早すぎたな~と反省しました。2冊目を出すことになったら、気を付けたいと思います。

 

とりあえず、この2冊を読みながら、無理をしない程度に、準備したいと考えました。

 

おしまい。

↓いいね!だったら、ポチッとお願いします。

にほんブログ村 大学生日記ブログ 博士課程大学院生へ
にほんブログ村