仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

【2017.2.17追記】文系(特に人文科学系)博士卒のアカデミックポスト就職の現実と求人情報掲載先の紹介

<今回の内容>

1.はしがき

裏ブログでは、就活で燃え尽きて「真っ黒」博士の姿を晒している、仲見満月です。

 

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選ばれず、真っ黒のすすをふき取り、白に近いグレーの姿で表の研究室に戻って来て、書こうとしているのは、文系(今回は人文科学系)の博士卒の研究職、つまりアカデミックポスト(アカポス)の現実と、その求人情報が掲載されている先をまとめです。

 

私のモットーは、下の記事で書いたとおり、リスクを知ったうえで前に進みましょう!

naka3-3dsuki.hatenablog.com

ということであり、それを覚悟の上で進んだ先で、よりヒドイ状況に陥ってしまったら、どうしよう?ということで、まずは、アカポスの就職現実と、「公に研究者の人材を募る」という公募の実際について、先人の記事を紹介したいと思います。

  

 

2.文系博士卒のアカポス就職の現実を知るための記事紹介

 2-1.文系アカポス就職の現実と公募のシステムについての記事まとめ

女子大の大学教員をされているというアニさんのbluelinesというブログより、研究で食べていくことを目指そうとする人にとって、非常に分かりやすく、それゆえにストレートにドスッと重い鉄球でも胸にぶつけられるような、痛切な現実を教えてくれる記事が次の2つのエントリー記事です。

 

Twitterで紹介したところ、現役の文系研究者のフォロワーさんたちから、特に1つ目のエントリー記事については、一言も付け加えることができないほど、至極当然の現実が書かれている、といったような言葉をかけれました。私もコメントを加えられないほど、現実そのままのことを書かれておられます。そのまま、リンク先へ飛び、コメント&はてブコメントも含めて、お読みください↓

bluelines.hatenablog.com

bluelines.hatenablog.com

 

 2-2.文系修士生にぜひ読んでほしい記事の紹介

bluelines.hatenablog.com

 このアニさんの予言どおり、修論が残念な結果になって、「もっと探究したい!論文を書きたい!」とに考えたとき、立ち止まって熟慮してほしいポイントがあります。

はてブのコメントにも入れましたが、「文系院生で、修論が満足いくものでなくても、就職が決まっていて、自分が心から経済的に自立したいと思えば、就職すべし」ということ。これは、私自身の学部卒・修士卒時の悔やみの気持ちもあったから。具体的には、光熱費から住居費、食費などを含めて経済的に全部、自分で稼いだお金で賄うい、その暮らしを一人で背負って立つ、という体験をしておけばよかったかな、という気持ちから来ています。

 

以前、紹介したように、社会人になってから院生になるという選択肢もあります。衰えていく体力・記憶力・五感に鞭うちながら大学院に戻って研究をするか。

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

内定を辞退して、あらゆるリスクを背負う覚悟をしつつ、年齢的に助成金申請のしやすい若手研究者としてチャレンジャーとなり、20代半ばから20代後半くらいで修士課程から博士課程に進学し、ストレートにアカポスを目指すか。

naka3-3dsuki.hatenablog.com

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

あるいは、就職後に民間で働きながら、在野で研究を続けるか。

naka3-3dsuki.hatenablog.com

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

文系修士院生の読者の皆さん、よーく考えてください。

 

 

3.求人情報掲載先

続きまして、特に人文化学系のアカポスの求人掲載がまとまって掲載されている場所を、まとめておきたいと思います。

 

 3-1.日本語・日本文学および東アジア語学・文学系の求人中心

笠間書院 kasamashoin ONLINE: 研究者のための公募情報 アーカイブ

「日本語・日本文学の研究書を中心に刊行する、笠間書院」のブログ内の求人の公募情報がまとめて掲載されているページです。中高の国語科の学校教員から、文書館や文学館の非常勤職員、そして大学の東アジアの語学・文学系の教員や研究員等のアカポスの求人が挙がっています。

 

 3-2.図書館職員・司書・アーキビストの求人中心

「日本図書館協会 図書館関係求人情報」

日本図書館協会の図書館関係の求人情報をまとめたページ。指定管理者制度に基づき、専門の人材派遣会社を通じて、契約職員や派遣職員が各種図書館へ送られるのが、図書館職員の登用制度の「主流」となって、久しいです。そういった非正規の図書館職員の求人から、中には特定の学術分野や特殊言語の資料を扱う専門職員、つまりアーキビスト等を募る求人が混じっていることがあります。

 

 3-3.博物館や美術館等の学芸員の求人中心

学芸員募集の掲示板 | 美術館・博物館・展覧会【インターネットミュージアム】

以前、考古学分野の求人の記事でも触れた、ネット上の博物館・美術館などの学芸員の求人情報を集めたページです。求人1件につき、ナンバリングされ、勤務地や募集企業や団体の名称が一つのアイコンにまとめて表示されおり、求職者には見やすい設計になっているところが、好印象。注意点として、中には日本各地のハローワークを介さないと、応募できない求人があります。

 

 3-4.番外編:JREC-IN Portal

JREC-IN Portal

文科省と関連の深い、国立研究開発法人の科学技術振興機構JST)が運営する、国の研究者向け求人サイト。分野や部門、職位、肩書は、理系・文系、芸術系、文理総合系などひっくるめて、集まっている感じです。国公立・私立の研究機関や高等教育機関(大学・短大・専門学校・高専)の求人がアップされていて、求職者は自分の求める条件に応じて、「フリーワード検索」窓の上のタブを押して、検索条件を指定し、求人を探すことができて、便利。

 

たまに、小中高の学校教員、塾や予備校、就職専門学校や語学学校の求人が挙がっています。これら教育関係の様々な求人も、検索条件によって指定して、検索できます。

 

あと、利用者として登録すると、履歴書や研究業績に関する書類をWeb上で作成できる機能(JST管理の研究者データベースresearchmapと連動し、このDBから書類作成が可能性)、気になる求人のストック機能など、便利です。ただし、大学の求人は採用側指定の独特な書式書類を求人表の下に添付したり、ダウンロード先のURLのリンクが貼ってあったりしますので、指定の書類がある場合は、この求人サイトで作った書類が使えず、ストレスになります…。

 

 

4.最後に

以上、ざっと文系博士卒の求職者向けに、アカポス就職に関するブログ記事、それから求人情報が集中しているページをまとめてみました。

 

今回、挙げた以外にも、役に立つ記事、求人情報がまとめられている場所がありましたら、教えて頂けると有り難いです。

 

 

5.高学歴者の労働ダンピングについて(2017.2.17追記)

ここで紹介した人文科学系のアカポスとか、研究職とか、高い能力や技術を持っていて、安く買いたたかれるという「高学歴者の労働ダンピング」というような指摘が、下のtogetterまとめで挙がっています↓

togetter.com

 

ここの求人には、好きなこと、研究してきたことで給与をもらいたい、という人文科学系の高学歴求職者にとっては、「待遇が悪くても、応募するぞ」という人が少なくないと考えられます。だって、他に応募できる求人が考えられないから。

 

気がついても、どうしようもなくて、私はアカポスに絶望しました。現在は、この「ここだけでは食っていけない」という待遇の悪い求人に、何百もの応募が到着している状態だと思います。そこの非正規から、より待遇のいいポストへの昇進を目指すのが、この10年くらいの間に、当たり前と化してきているから。

 

今回、ここで求人の挙がっているところを紹介しましたが、この労働ダンピングの件も、考えていかないといけません。

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