【2018.1.13_1520追記】高卒認定資格で大学進学しようか悩む俳優の方へ~「42歳が大学受験を考えてブチ当たった2つの問題。」(かあいがもん「お父さんの日記」)~
<俳優の方の進路の悩みに勝手に答えてみた>
1.はじめに
最近、センター試験が近いことを引き合いに、
古典は教養以上に「必須」なことも~「日本よ、この期に及んで「古文・漢文」が必要だというのか」(はてな匿名ダイアリー)のこと~| - 仲見満月の研究室
の記事ほか、大学入試に関するネタで書いてきました、執筆管理人の仲見満月です。
実は、昨年の夏ぐらいから、はてなブログで話題となっておりました、俳優の河相我聞さんの
に読者登録して、定期更新時には読むようにしておりました。特に、河相さんが「次男(15歳)が高校進学したくないと言い出したので、「高校ぐらいは」と、言おうにも、中卒で楽しく生きてる親では全く説得力が無い」という理由で、高卒認定試験の受験にチャレンジし、受験勉強や合格に関する記事については、注目しておりました。理由は、社会人や退職した方が学部生や院生として、大学・大学院に行くためには、どんな資格や書類等が必要なのか、入学したらどういう事が起こるのか、ということをテーマに、弊ブログで書いてきたからです。
(例えば、
- 専門卒社会人の著者による大学院修士課程の受験体験記~森井ユカ『突撃!オトナの大学院』~
- 【2017.7.14_1505_冒頭追記】指導教員による学生の放置および指導の放棄・拒否によるアカハラ
-
社会人院生受け入れをする大学院のアカハラ課題~「アカハラで大学と元教授に130万円の賠償命令 神戸地裁」(NHK NEWS WEB、リンク切れ確認済み)~ -)
河相さんのことは、サスペンスや刑事もののドラマ、クイズバラエティ(懐かしいところでは「マジカル頭脳パワー」あたり?)の番組を、10代から院生時代にテレビでお見かけしていたこともあって、個人的には割とドラマで演じる役柄とバラエティ番組での人物像の差に驚いたものでした。上記のはてなブログは、バラエティでのキャラクターが全開になって、面白く、また考えさせられる内容が多いと感じました。
(先の引用部分の「中卒で楽しく生きてる親では全く説得力が無い」という太字の部分で、読む私の笑いを誘う一方、きちんと高卒認定試験に備えて勉強され、合格なさった報告をされているところは、河相さんの筋の通ったところが見られます)
なお、そのようにユーモアに富んだブログ『お父さんの日記』は、宝島社から出版されております↓
現在、仲見家では「断捨離」キャンペーンが展開されており、なかなか、紙書籍を増やせない事情があります。でも、『お父さんの日記』は読みたいのです。早めに電子書籍版を(同じ価格でも買います)出して頂けるのを、心よりお待ちしております。
長い前置きはさておいて、今回、取り上げますのは、高卒認定の資格を得た河相さんの大学受験に関するお悩みのことです:
昨年には、お笑いタレントのロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、青山学院大学を受験されると発表され、今週末のセンター試験に備えられて追い上げ勉強なさっている様子をTwitter中心に、報告されておられました。田村淳さんは40代半ばで、42歳の河相さんと同年代になります。田村淳さんが青山学院大学を受験なさる理由は、出演されているテレビやネット番組を視聴していないため、不明です。しかし、Twitterの動画から、かなり勉強をされていることは窺えました。
40代からご年配の芸能人の方が大学受験に挑戦し、合格なさって通学を決意されるには、やはり思い切るまでに様々な葛藤や、一時的に仕事を休止なさって、みっちり学ばれ、卒論や卒業試験をパスして、芸能界に復帰する際には新たな仕事をもらえるのか、といった、悩みがあると思われます。田村淳さんはお仕事と学業を両立なさるのか、休業されるのか、それはわかりませんが、どちらにしても、受験するだけで大きな決断だといってよいでしょう。
そういった事情があるので、河相さんが大学受験をするか、するなら何を学び、研究するのか。はたまた、どこの大学を受けて、学費はいくらかかるのか。子どもの学費でなく、自分の学費を自分にかけるのは、適切なのか。また、若い人たちとやっていけるのか、真面目に授業に出られるのか。様々な心配事をブログ記事に書かれ、最後には、
大学の学費の一部を仮想通貨にブチ込みながら勉強しつつ、もう来年までもう少し悩もうかと思います。
と言葉を結ばれていました。
成長期に河相さんの出演番組を見ていた私として、「それなら、拝読したブログ記事をもとに、河相さんが大学受験を考えてブチ当たった問題について、おせっかいだけど、考えてみよう」と、思って本記事を書くことに致しました。へなちょこながら、大学院で博士号を頂くまでの経験と、学部時代は入試広報課の学生スタッフとしてバイトしていた時の仕事を思い出しつつ、新たに調べたことも示し、勝手に河相さんのお悩みに回答をここで書かせて頂きます。高卒認定の資格を取得後、大学を受験するか、お悩みの河相さんと同年代や退職後の方にも、多少、参考になるかもしれません。
2.「42歳が大学受験を考えてブチ当たった2つの問題。」を考える
2-1.四年制の私大に通う諸々合計700万円の自己投資と「遊んでばかり」問題
もともと、高校に行かないと言っている次男さん説得のため、高卒認定試験を受け、その資格を得た、お父さん俳優の河相さん。ご本人によれば、
この高卒認定試験に合格すると高校卒業した人と同等以上の学力があると認定され、大学や短大、専門学校を受験をしたり、いくつかの国家試験を受ける事が出来たりする。
高校中退したりで中卒だった人が、この高卒認定試験に合格して大学に進学する事が出来るのたが、大学などに進学しなければ最終学歴は中卒となる。
つまりのところ、高卒認定試験は高卒の資格にはならない。
普通に考えたら、高校にキチンと行ってる人と高卒認定試験が同じ扱いだと、高校にキチンと通って卒業している人からすれば「ふざけんなゴォラぁ」と間違いなくなるだろうから当然と言えば当然ですな。
とのこと。つまり、学歴、河相さんは大学受験の資格を有しているものの、中卒ということには変わりません。その前に、高認資格取得の背景には、次男さんを思う父親としての親心が大きかったようです。具体的には、「父親として、自分が経験してこなかった世界を拒否する姿を見せたくなかった、という思いも少々」あったとのこと。
一応、河相さんご自身は、英語と量子力学に興味があり、「自分が何となく考えていた私立大学に4年で卒業」と想定して、「計算すると、学費や諸々で約700万円ぐらい」かかると 述べておられます。ちなみに、「よくよく考えると、とりわけ今の自分は学歴がどうしても欲しい訳ではなく、あったらどうなるのだろうぐらいの好奇心」で、大学受験のことは考えられていたそうです。
河相さんの正直な気持ちは、「42歳にもなって社会に出たり事業を起こしてみたりと色々と経験すると、自分に使う金額としては700万円とてもとても重く」、自分で捻出する前提として、「勉強するにしても今の自分に高い学費を払ってまで大学で勉強した方がいいのか、考えてしまう」ようです。つまり、子どもの教育費ではなく、自己投資として700万円を使うのに、河相さんは大きなためらいがあるようです。
あと、芸能人でなくとも、若い学生たちとの付き合いや、サークルのほうに時間を割いてしまう恐れを抱えていらしゃる模様。具体的には、
もし新歓コンパに誘われたら間違いなく喜んで参加するだろう。
42歳が自分の子供と同じぐらいの学生と楽しめるかは未知数だがおそらく、おそらく楽しめる。
「ウェーイwww!乾杯!ウェーイ!」
と、楽しめる。
(中略)
そしていつのまにか4年間、約35000時間という膨大な時間をウェーイな遊びで終えてしまう気がする。
ほぼほぼ間違い無いだろう。
(中略)
いや、息子達は悲しむかもしれないな「父さんが女子大生とコンパばっかりしてウェーイwwって言うようになった」と。
と「多分、学費以上に遊ぶお金がかかりそう」な問題を挙げておられます。
真面目に4年間、文系学部で授業を受けて勉強し、教職と学芸員の資格を取得した私としては、ここ20年で大学は受講生に厳しくなったころもあって、芸能人で40代の学生だろうと、ちゃんと勉強しろ!
と申し上げたいです。あと、最近の学部生は私の通っていた頃よりも、真面目に授業を受け、課題をこなす人が全体的に多いそうですので、遊んでばかりいる年上の学生の相手にしてくれないかもしれませんよ。
それから、専攻が何であれ、真面目に授業に出席し、課題をパスした後、ゼミに所属して、学究しつつ、執権に卒業に必要な学位論文の執筆や、試験の準備をするために勉強しないと、大学教員の先生の怒りを誘発する恐れがあります…。きちんと学生を指導したいのに、教わる側が先生の熱意に応えてくれなかったり、何かしら反応がなかったりすれば、最悪、不真面目な学生以外のゼミ生にもハラスメントの「禍」が及ぶ可能性は否定できません*1。
加えて、河相さんの興味のある量子力学の研究室は、難しい数式を解いたり、応用分野とかかわりがあれば実験したりすると聞いたことがあるので、授業と勉強だけで手一杯な学生生活になるのではないでしょうか。飲み会やサークルに顔を出せても、一ヶ月に一回とか、ゼミの打ち上げや忘年会と言った節目の会ぐらいになるイメージです。
(なお、はてなブックマークのなかにあるように、物理学を学べる学部は、学費が文学部や法学部等の文系学部の倍になる大学が多いです)
キャラクターと職業柄、遊んでしまいがちなのであれば、ご自身が悩んでおられるように、四年制の私大の学部本科生になるのは、見送った方がよいかもしれません。
2-2.「大学に入る為にどれぐらいの時間を費やす」のか?と世界大学ランキングにおける日本の大学の低さの問題(2018.1.13_1520追記)
私の言葉で書くよりも、ご本人の言葉のほうが分かりやすいので、河相さんの悩みの内容を転載させて頂きます。
もう一の問題は、一体自分は大学に入る為にどれぐらいの時間を費やすのだろうという事です。
いえね、2018年の大学の世界ランキング見てたら日本の最高峰の大学の東京大学で46位だったんですよ。
どんな基準でランキング決めてるのか分かりませんが、日本の一番が世界では46位だって事に衝撃を受けたわけです。
そして、有名な私立大学でも世界では100位にもなれないと。
じゃぁ、自分の今の学力で何となく行ける大学は世界では何位になるんだろうと考えたら、もう完全なる圏外な訳です。
自分の世界を広げる為に大学に入っても、もうグローバルにもなれなのではないかという。
いやいや、日本で上位の大学にも入れる頭も無いのに大学世界ランキングとか言ってんじゃねぇよ、って話なんですけどね。
アハッ。
それでも何となく行こうと考えてる大学に行くとしても、高卒認定試験の勉強とは比べ物にならないぐらいの勉強量が必要になりますから、42歳が大学に入る為に費やす時間はどれぐらいか考えると、これもまた結構な、いや、それなりの大学だと相当膨大な時間になるのでは無いか思うのです。
まず、日本のトップ大学の東大が世界の大学ランキングで46位ということに、河相さんが衝撃を受けられた件について、説明させて頂きます。はてなブックマークのコメントにも書きましたが、
大学の順位は、研究レベルや外国人教員の数などの条件で決まるので、大学そのものの学生の学力と単純に相関関係があるとは言えないかと。
いうことがあります。 ある東洋史の先生のご指摘では、日本の大学では、あらゆる分野の大学教員を日本人だけで構成できるため、外国人教員を採用する余地がなかった可能性があったそうです。それが世界の大学ランキングにおける日本の大学の低さの原因というのは、様々な世界大学ランキングを出している団体の条件に「外国人教員が占める割合」が入っていることがあったので、仕方ないといえば仕方ないのかもしれません。しかし、この原因は視点を変えると、あらゆる分野の学問を日本語で学生に教授できる可能性を示すことでもあります。
研究レベルの低下については、日本の大学は研究費の大きな部分を、政府や文科省から獲得しているという事情があります。つまり、官庁や内閣の方針で、研究費を減らされる傾向のある昨今において、大学は研究ほか、教育に割ける費用が減りに減り、夏場に地方の国立大学では大学図書館のクーラーをかけられないところもあると、聞いたことがあります。
そのほか、世界大学ランキングは大学院も含めた、大学全体の総合的な力をもとにしたランキングにおける位置づけを示しているにすぎず、学部レベルでは世界の有名大学でも、日本の私立の中堅大学に通う学生の学力や教育内容のところがある、といった見方がTwitterにはありました。
そのくらい、以上の説が信憑性のあるものかは分かりません。しかし、総括すると、案外、学部レベルでは河相さんが言うほど、日本の大学のレベルは決して低くないと私は思いました。いかがでしょうか。
(以下、2018.1.13_1520追記)==========================
欧米の大学の出す世界大学ランキングとは異なった、上海交通大学のこちら:
によると、
世界1,200以上の大学のうち、指標に基づいて500大学をランキングした結果、ハーバード大学が発表以来15年連続で1位の座を獲得し、次いでスタンフォード大学が2011年から7年連続で2位となりました。3位には昨年4位のケンブリッジ大学、4位には昨年5位のマサチューセッツ工科大学が上昇し、5位には昨年3位のカリフォルニア大学バークレー校と順位に入れ替わりがありました。トップ10の大学は米国8大学、英国2大学で昨年と同じ顔ぶれとなっています。
日本の大学では、東京大学が昨年の20位から24位にランクダウンしたものの、アジア太平洋地域でのトップを維持しており、京都大学は昨年の32位から35位に、名古屋大学は昨年72位から84位に、大阪大学は昨年96位から101-150位に、いずれもランクダウンしました。一方、中国の大学では、昨年58位の清華大学が48位に上昇し、昨年71位の北京大学は同じ71位となりました。
「世界大学学術ランキング」は、研究機関としての大学の貢献度を評価するランキングで、2003年6月に発表を開始して以来、毎年発表されています。ARWUの評価基準は、ノーベル賞やフィールズ賞を受賞した卒業生の換算数、同2つの賞を受賞した教員の数、高被引用科学者数、「ネーチャー(Nature)」と「サイエンス(Science)」に発表された論文数、「SCIE」と「SSCI」に収録された論文数、教師の平均表現(部門のパフォーマンス)の6つの指標に基づいています。
という結果と基準から、算出されております。英語圏の発表する世界大学ランキングは、研究機関としての基準と英語で書かれた論文の被引用件数が前面に出ているため、上海交通大のランキングほど、日本の大学は上位には来れませんし、シンガポールの 南洋大学や香港の大学が東大より上位に入ることもあります。英語圏にしても、上海交通大にしても、世界大学ランキングで東大は、46位と24位(2017年)…。どちらにしても、低いと言わざるを得ない、という人はいるかもしれませんね。
=======================================
その上で、大学に合格する勉強に費やす時間と、それを自己投資として捉えるならば、確かに河相さんがコストパフォーマンスを心配されるんのも、不思議ではありません。そりゃ、つまるところ、
現時点での頭の中にある結論としては
42歳が何となく大学に行くのはマズそうだ。
と判断され、考えることを保留されるのも分かりますよ。
じゃあ、何のために世の社会人は大学に通っているのか?
2-3.社会人が大学や大学院に行く理由~「若返る」こと、および「趣味」~
河相さんと同じく、ドラマを中心に活躍されている脚本家、小説家、エッセイスト、好角家の内館牧子さんによると、仕事という日常を離れたところにある学問に没頭することで、社会人は「若返る」んだそうです。特に、人文・社会学系の分野を学究すると、『源氏物語』を現代日本語や英語に訳して輪読したり、経済学者の唱えた説とその時代背景を探究したり、授業を受けることで遥かな時空を超えて、過去に受講生の意識が向かうんでしょう。私の経験としては、非日常の世界に浸ると脳が活性化されるのか、研究室の人たちは、見た目が若いか、または年齢不詳な人がいたように思います。
なお、内館さんは、正確には、東北大学大学院の文学研究科の宗教学の研究室に通われ、宗教儀礼としての相撲と土俵における女人禁制をテーマに修士論文を書かれました。次の本はその修論を加筆・修正したものです:
彼女が修論を書いたきっかけは、女性初の日本相撲協会の横綱審議委員をされた内館さんが遭遇し、2003年に起きた「大相撲の大阪場所で太田房江元大阪府知事が府知事杯を力士に手渡したいと希望したが、日本相撲協会が女性である太田知事が女人禁制の土俵に上がることを認めなかった」という一連の騒動でした。「ちゃんと、大相撲の歴史的・宗教的な背景から、土俵が女人禁制であることを説明したい」と考えた内館さんは、いろんな大学院の入学案内を取り寄せて、自分の探究したい角度から研究ができそうな東北大学の文学研究科の宗教学の研究室を探し当て、準備をして院試にのぞみ、合格後は休業して仙台に移住し、3年かけて修士課程を修了しました。詳しい話は、次のエッセイに書かれています:
この本で内館さんは、社会人が大学や大学院に行くのは「趣味」と仰っておられます。しかし、その後の文筆業で出された作品を拝読した限りでは、内館さんが大学院で修士論文を書くために読んだ文献や、それを読むための翻訳や調べものの経験は、確実に仕事に生きていると言ってよいと、私は考えました。脚本家である内館さんは、研究者と創作者の違いをこの本のなかで説明され、実際に理解したことにより、研究で培ったものを仕事に昇華していったのではないでしょうか。
翻って、河相さんの場合、大学に行くことを自己投資とするならば、俳優業において、演じられる役柄が広がったり、バラエティ番組や演劇の世界だけでなく、報道番組やニュース、ドキュメンタリーのお仕事に繋がる可能性があると考えられます。そのために、700万円をかけて、「ウェーイwww」と遊ばず、真面目に授業に出て勉強をされることは、少なくとも、河相さんの損にはならないと私は考えています。
3.まとめ~大学受験する前に、お試しで大学の授業を体験しては?~
以上、俳優の河相我聞さんが抱える「42歳が大学受験を考えてブチ当たった2つの問題。」について、回答をさせて頂きました。思いますに、一番のネックになっているのは、河相さんが計算した700万円を自己投資として4年制の私立大学に払い、英語や量子力学を専攻する、ということです。
4年間、勉強し続けるということ、そして大学受験の勉強に費やす時間が障害となっているなら、まずは大学の市民講座や公開講座を調べて、自分の興味のあるものを聴講しに行かれては、どうでしょうか。聞きに行った講座で気に入ったものがあれば、講座の講師の方に質問したり、所属大学を調べてその大学の入学案内を取り寄せてみる、といった具合に受験大学を探してみるのも一つの手でしょう。
または、はてなブックマークの方々が何人か仰っているように、放送大学をはじめとする通信制大学に入学するという方法があります。私も入学して、科目指定のテキストを読んで課題レポートを書いて提出したり、科目試験を受験したりして、単位を取得していました。基本的に、教材で自学自習を行い、指定された課題レポートを出し、科目試験を受験して、合格すれば単位を取得できるシステムです。そして、所定の単位を取得する、あるいは学位論文を書いて合格すれば、卒業することができます。科目によっては、スクリーングといって、事前に告知された会場に行って講義や実習を受講することで、科目単位を認定される例があります。スクーリング後、学生同士で食事をしたり、サークル活動をしたり、といったこともあるので、通学制の大学に比べて、河相さんが心配する「飲んで遊ぶ」機会は少ないでしょう(あくまで、イメージです)。
放送大学や、私の入学していた私立の通信制大学は、学力を測定する意味での入学試験はないところが多いようです。あっても、願書に志望理由書や履歴書を添えて提出した後、面接が課される大学もあると聞いたことがあります。通信制大学は入学のハードルが低い代わりに、自分のペースで科目履修を進め、単位を取得しなければ、卒業までの時間が延びるデメリットはあります。また、日本大学の通信教育部のように、スクーリングが特定の曜日の夜間にキャンパスで行われ、通学する形態の大学や、通信制の学生から通学生に手続きを踏んで切り替えられる大学もあると聞いたことがありました。
三つ目の方法は、科目等履修生になって、取りたい授業だけ履修登録して出て、単位を修得する方法です。知人は、働きながら資格取得のために指定の講義を受講し、所定の授業単位を取得後、単位取得の証明書を大学に発行してもらって、免許の発行申請をしていました。河相さんのケースでは、例えば、大学の授業に出て講義を聴講したり、試験を受験したりと、大学生活になれるまでの「お試し期間」として、通うこともできると思います。大学のシステムによっては、所定の科目単位数を修得することにより、大学評価・学位授与機構で、学士の学位を取得することができます。例えば、こちらの機関があります:
なお、大学や制度によっては、高卒認定の資格で入学するには、審査や特別な手続きが必要なところもあるので、よく調べられるとよいでしょう。
通信制大学や科目等履修生のシステムについては、実際に制度を利用された方の体験談が、修士・博士の学位取得までの通過点として、次の本に少し、書いてあります:
長くなりましたが、河相さんの悩みをほぐすのに、少しでもお役に立てば幸いです。
おしまい。
ブロトピ:アクセスアップのお手伝い!ブロサーあんてなにあなたも入会してみないか!