仲見満月の研究室

元人文系のなかみ博士が研究業界の問題を考えたり、本や映画のレビューをしたりするブログ

非常時への備えに関する記事紹介とそのまとめ~主に院生や研究者に向けたもの~

1.はじめに

昨日16日に公開したニュース紹介:

【ニュース】「博士課程の学生が帰省中にISILの戦闘に...研究室の先生に「論文が終わらない!」ってメッセージを送ったら...傭兵を派遣...」(Togetterほか) 」の記事。本日、参考にしたTogetterまとめのはてなブックマークのページを開き、改めてコメントを読んでいました。すると、「修士論文の研究調査で訪れたイスラエルで、ガザ地区から出られなくなった時、(日本の)外務省に連絡してイスラエルにはたらきかけてもらった。けど、外務省曰く『ダメでした。自分で出てください』となった」というコメントを発見。

 

コメント主の方はその「非常時」から脱出できたと見られます。留学生が帰国時、あるいは日本から海外に留学やサバティカル等の滞在時、現地で大きな事故や事件、災害に遭遇することは、珍しいことではありません。以前、「文系大学院の博士課程に進もうと思うなら読むべき本~岡崎匡史『文系大学院生サバイバル』:その1~ 」と同上「その2」で紹介した本の著者・岡崎さんは大学在学中、インドネシアのバリ、そしてアメリカに滞在した際、それぞれテロ事件に遭遇、あるいはその影響で帰国が難しくなったことがあったといいます。また、天気予報やニュースでは異常気象が続いていることが言われて久しい昨今、いつ何時、大きな災害に巻き込まれ、大切な人たちと連絡が取れにくくなることがあるか、分かりません。

 

そういうわけで、今回は院生や研究者の方に向けて、非常時の備えに関する弊ブログの記事を改めて紹介し、まとめておこうと思います。 なかには、研究室での日常生活に関するもので、いざという時に役立ちそうな記事も組み入れました。

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2.非常時に院生や研究者が備えに関する記事とその紹介まとめ

 2-1.日本の大学・大学院、その他の研究所等の人がどこかに長期滞在する時

日本で生まれ育った人、留学生、勤務中の人など関係なく、日本国内の大学・大学院や研究機関に所属している方が、所属先を離れて、日本国内外のある場所にある程度の長期間、滞在するとしましょう。その目的や背景は、研究や仕事のパブリック、帰省や冠婚葬祭といったプライベートの事由であるなしに拘わらず、行き先や滞在先を書類に書くことが求められることがあります。

 

荷づくりやエアチケットの取得等の準備で忙しい中、その書類のひとつ「渡航届」には、研究室の指導教員の承認サインや印鑑、あるいは所属部署の同僚や上長の緊急連絡先を書いてもらう箇所があるでしょう。非常に面倒に感じる「渡航届」の提出には目的があります。それは

なぜか?万が一、行き先で災害、事件、事故などに巻き込まれた場合、(中略)行き先の届け出をしておくと、のちのち、安否の確認をとりやすいということが考えられます。

 

(中略)万が一の時を考え、もし、所属先に行き先を届け出る書類を提出する制度があれば、出しておきましょう。いつ、何時、思いがけない災害や事故、事件などに巻き込まれるか分かりませんし、もしもの時、自分が連絡できない状況でも、家族や所属先の人たちが安否を確認するために重要な情報となります。

長期渡航と「行き先を公文書に残す」こと~非常時の安否確認のために~ - 仲見満月の研究室

といった背景があるからです。そのあたりの具体的な話は、以下の記事において、私の周りであったことを説明しました:

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

もし、留学や就職で海外の研究機関に長期間の滞在をすることになったら、 どういったことに注意すればよいのか?異文化圏へ行く場合、「郷に入っては郷に従え」といわれるけれど、どうやって現地の同僚や上長と仲良くなればよいのか?(自分は文化人類学民俗学、心理学や社会学が専門じゃないんだけど...)そういった不安のある方には、「バッタ博士」こと前野ウルド浩太郎さんの著書: 

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

 

  

 

を熟読されると、実践的なヒントがたくさん載っていると思います。ポイントは、インターネットでブログを書くと、日本や故郷の人たちに安否を知らせられるところでしょうか。そうそう、非英語圏に行かれるご予定の方は、著者のようにノリとガッツでコミュ二ケーションを乗り切る自信がなければ、最低限の英語に加えて現地の共通語を習熟されていくと助かりそうなことも重要ですね。

もし、本書がどんな内容か知りたい方は、 次の拙記事をご覧ください↓

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

前野さんほど野外調査が中心でなく、どちらかというと人文・社会系で室内での研究活動が中心となり、都市部の研究機関に行かれる方は、先述の岡崎さんの本『 文系 大学院生サバイバル』 (ディスカヴァー携書) の留学部分が頼りになるでしょう。その内容については、

をお読みください。

 

 2-2.主に災害への備えに関すること

(学位)論文は命より重い」の程度はともかく、研究室で論文を書いている途中で、災害に遭ったという方、けっこう、いらっしゃるかもしれません。身近なところでは、私が年度末だからとラボの本を整理し、学内の資源ごみ収集所から帰って来たところ、研究棟の非常ベルがジリリリ...と鳴りました。院生部屋に戻ると、投稿論文を書いていた先輩が冷汗をかかれていたご様子。書棚から複数の本が落ちており、「さっき、地震があったみたい」と仰いました。停電にはならず、PCがついたままでしたが、外付けのHDDでその日に書いた論文原稿のデータのバックアップが終わったところ、ちょうど、揺れが来たそう。フリーメールにも原稿のコピーはあったものの、ネットが使えなくなればダウンロードできなくなり、私だったら「地震で続きが書けなくなったら、どうしよう」と落ち着かなかったと思います。

 

災害への備えとして、まず論文原稿のバックアップについては、「高尾隆「卒論提出前に大事なこと」まとめ~修論と博論にも重要です~ 」の真ん中あたりで触れています。そこでは、PCやオンライン上に加えて、非常時に停電でファイルが開けなくなることを考慮して、「紙媒体で原稿があれば、避難先で筆記用具があれば、電子機器がなくても、書き続けられます」という理由で、紙に印刷出力することをプッシュしました。

 

次に、研究室での日常生活の延長で考える、災害への備えについて。院生や職業研究者の方なら、実験や論文の執筆の関係で、研究室に泊まって作業することもあって、食料品や寝具、化粧品や衣料品を持ち込んでいる方もいらっしゃるでしょう。時として、持ち込んだ物品は、避難生活でも大いに活用できることがあるはず。ここでは、災害時のヒントにもなる「ラボ暮らし」関係の記事をまとめておきます。

 

<食べること関係> 

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

<着ること・衛生・身だしなみ関係> 

naka3-3dsuki.hatenablog.com 

naka3-3dsuki.hatenablog.com 

 

<眠ること関係>

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

そのほか、 地震に備えて研究室の棚や物品の置き方のことは、「生存報告と地震のこと - 仲見満月の研究室」で簡単に触れました。いざという時のため、研究室や部局を超えて、セーフティネットを作っておくという活動についても、次の拙記事を関連するものとして、挙げておきますね: 

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

 

3.最後に

以上、非常時への備えに関する記事の紹介とまとめをお送りしました。振り返ると、いざという時に動いて難を避けるとなると、健康な状態に心身は必要だな、ということに気づきます。

 

論文を書くのに忙しかったり、嫌なことが続いて自暴自棄になったりした私は、「健康に気をつけてください」と正面から言いがたいです。言えば言ったでその言葉はブーメランとなって自分につき刺さるもので、しっかりとは言えません。ですが、助けを呼ぶには、声を出す気力と体力はあったほうがよいでしょうし、出がけ先で非常時に乗っていた電車やバス等が動けなくなれば、自力で移動して帰る必要が出てきます。そうした時には、健康なほうが自分の生命は繋ぎやすくなるのは、否定する気持ちにはなりません。自分が足を悪くしてい今は、なおさらそう感じます。

 

ここで紹介し、まとめた記事で非常時に備えつつ、いざという時に助かるための健康な心身についてもご一考いただければと思います↓

naka3-3dsuki.hatenablog.com

 

おしまい。 

 

 

 

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