仲見満月の研究室

元人文学系、現・文理総合学系の「真っ白」博士が大学院とその周辺問題を考える

レビュー

ポール・J・シルヴィア『できる研究者の論文生産術』をしっかり読む

<書評します> 1.はじめに 1-1.あの本のレビューを改めて 1-2.本書の目次と全体 2.ポール・J・シルヴィア『できる研究者の論文生産術』をしっかり読む 2-1.序盤(第1~3章)の内容 2-2.中盤(第4~6章)の内容 2-3.終盤(第7・…

『コピー本を自宅でつくる!』(雨森食堂)で学ぶ冊子自作法~論文集や研究報告書にも~

<研究活動に応用できる冊子自作法> 1.週末の近況 2.『コピー本を自宅でつくる!』(雨森食堂)の紹介 3.コピー本自作は研究活動の報告書や論文集にも役立つ 4.最後に 1.週末の近況 ここ最近、弊ブログ(ここ)や、仲見満月(なかみ・みづき)の「分室…

月にまつわる神話や信仰から宇宙科学まで話を世界中から集めた「大全」~ダイアナ・ブルートン『月世界大全』+藤井旭の本~

<今週のお題「読書の秋」> 1.はじめに 2.簡単なダイアナ・ブルートン『月世界大全』のレビュー 2-1.目次 2-2.本の内容と私の思い出 3.最後に 1.はじめに こんにちは、脚のリハビリの筋肉痛で、手だけ動かして執筆している仲見です。今週は…

【再読】物理系男子学部生が恋人に突然起こった事情に悩むも、決めた進路~島本理生『クローバー』~

<今回のレビュー内容> 1.はじめに 2.島本理生『クローバー』 2-1.私が買った経緯とストーリーについて その1.登場人物について その2.中盤以降のストーリー 2-2.仲見流『クローバー』の読み方 3.最後に 1.はじめに 昨年1月に筆者のlov…

【 #ツイキャス 講談録】『村田エフェンディ滞土録』とその周辺の話:好きな理由と更に近代史の視点から語る編

<今回の目次> 6.前回までの振り返り 7.私が『村田エフェンディ滞在土録』を気に入った理由 8.作中の著者が描いた「近代トルコ」と戦争 9.遺跡の出土遺物の保存問題とそのあたりの話 10.トルコの歴史の階層から見る本作の醍醐味 11.本作シリ…

【 #ツイキャス 講談録】『村田エフェンディ滞土録』とその周辺の話:作品の概説編

<今回の内容> 0.ツイキャスの録画ラジオを文字に書き起こし 1.はじめに 2.『村田エフェンディ滞土録』について 2-1.物語の概要 2-2.物語の魅力的な登場人物や時代背景 3.関連作品『家守奇譚』と『村田エフェンディ滞土録』の関係 4.山田…

【告知】note.muに「【書評】大学教員の冷汗と狂喜の日々に憧れて~漫画『あくびカレッジ』~」投稿

今まで、弊ブログの宣伝やツイキャスの朗読のお知らせをしていた「note.mu」について、「仲見満月の「分室」」として整備しようかな、と考えております。このブログの右サイドメニューの上から2番目、「資料庫(書庫)と分室」のところに、新たにリンクを作り…

短編小説集『 #間取りと妄想 』に描かれた大学教員と大学院生~ #大竹昭子 『間取りと妄想』( #亜紀書房)

<間取りを使った実験的短編集> 1.はじめに 2.「浴室と柿の木」 3.「巻貝」 4.まとめ 1.はじめに 本書は、建物や集合住宅の部屋が舞台となり、その間取りの描写を通じて展開される小説の短編集です。ツイキャスのほうで、頭の「船の舳先にいるよう…

「役に立つかもしれない」研究と九井諒子『竜の学校は山の上』のこと~ #ヒアリ と家畜だった「竜」の保護が社会問題である日本が舞台のSF漫画~

<これは「竜」を通じて「役に立つかもしれないもの」の研究を問う物語> 1.はじめに 2.『竜の学校は山の上』について 「竜の学校は空の上」作品内容 3.本作で考えた現実の現代日本でいう「竜」とは?~あと、ヒアリ問題等~ 4.最後に 1.はじめに こ…

【2017.7.2_1625追記】#修士論文 提出直前の睡眠状態と「災い転じて福と成す」経験談+読みやすい論文の書き方ガイド本の紹介

<モヤモヤした経験を供養させて下さい> 1.はじめに~近況報告と読みやすい文論文の書き方ガイド本の紹介(2017.7.2_1625追記)~ 2.修士論文提出直前の睡眠状態と「災い転じて福と成す」を経験した話 3.教訓とまとめ 1.はじめに~近況報告と読みや…

続・大学院は「隠れ発達障害者の沼」だった 発達障害と研究者の不思議な関係~その先へ行くための対策と本紹介~

<今回の内容> 1.はじめに 2.「大学院は「隠れ発達障害者の沼」だった」のまとめ一部を再掲とその課題をどうしていくか? 3.発達障害傾向を抱えた院生や研究者の課題をどうしていくか? 4.まとめ 1.はじめに 昨夜、投稿論文のリライト作業でドキ…

映画『プラダを着た悪魔』~法科大学院を選ばずにジャーナリストを目指したが故にファッション界に入った先に手にしたものとは?~

<本記事の内容> 1.刑事司法、ジャーナリズムは米国の「就職に最も役立たない修士号ワースト10」に入っている?! 2.映画『プラダを着た悪魔』に見る法科大学院の道を選ばなかった主人公の奮闘 2-1.作品の内容 2-2.主人公の『ランウェイ』編集…

映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』メットガラ準備編 ~学術と芸術と商業と~

<メットガラ準備編の内容> 4.前回の人物編および2015年メットガラ「鏡の中の中国」について 5. 2015年のメットガラ「鏡の中の中国」での戦い~メットガラ準備編~ 5-1.美術館の地下に追いやられた服飾部門の戦い 5-2.衣裳の扱いとミュージアム…

映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』人物編 ~学術と芸術と商業と~

<人物編の内容> 1.はじめに 2.「メットガラ」とは何か?および2015年の企画「鏡の中の中国」 3.2015年のメットガラ「鏡の中の中国」での挑戦~人物篇~ 3-1.アンドリュー・ボルトン 3-2.アナ・ウィンター 3-3.ウォン・カーウァイ(王家…

【2017.5.13_0210追記】高等教育に対する利益の見方についての一考察~財政制度等審議会と『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』から~

<今回の内容> 1.はじめに 2.『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の社会主義国家に見える高等教育とそれに対する利益の見方の違い(2017.5.11_2336追記) 3.まとめ 4.参考記事:「アフリカから学ぶべき日本の教育無償化のダメな議論」(note.mu、2017.…

【2017.5.6_2130追記】映画『夜は短し歩けよ乙女』見てきました~森見登美彦と「京都学生もの」ほか~

<今回の目次> 1.はじめに 2.映画版『夜は短し歩けよ乙女』全体の内容と感想コメント 2-1.春パート:夜の結婚パーティーと木屋町 2-2.夏パート:下鴨納涼古本まつり 2-3.秋パート:学園祭 2-4.冬パート:流行風邪をひいた人々の病床 3…

成立過程が歴代王朝の正史・明清の国家的編纂事業に似た「中国版Wikipedia」"Chinese Encyclopedia"計画(engadget日本版より)

<長い中国の歴史と"Chinese Encyclopedia"計画の繋がりについて> 1.はじめに 2.「中国政府、中国版Wikipedia構築のため2万人を雇用へ。」について 2-1.ニュース記事の内容 2-2."Chinese Encyclopedia"計画と歴正史の成立過程および明清の国家…

2000年代後半以降の二度の中国訪問時の体験談と職業研究者を目指す人に向けた留学・就労メモ+補足で本紹介

<今回の目次> 1.5月の祝日と東アジアの国々 2.「タダでも中国には行きません 深刻な学生の中国離れ 一方通行の学生交流、このままでは情報格差が広がるばかり」(JBpressより) 2-1.ニュース記事の内容 2-2.2000年代後半以降の二度の中国訪問から…

どんな人が文系だけどSEになれるのか?~『文系女子だけど新卒でSEやってます』をもとに高校数学が欠点な人間が考える~

ここ最近、Ciniiの動向、アカハラや図書館の司書職、学芸員に関する発言といったニュース、社会関を追っていました。いくつかレビュー記事時も含んでいますが、久しぶりに、文系院生(今回は主に修士卒)の進路について、考えるきっかけになりそうなコミック…

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』は「ブラック」な研究業界にも言える

<今回の内容> 1.はじめに 2.本書の内容と「ブラック」な研究業界のこと 2-1.「第3章 がんばらない勇気」 2-2.「第4章 自分の人生を生きるために」 2-3.「第5章 世界は広いんです」 2-4.「最終章 自分を犠牲にしてがんばりすぎちゃう人…

永田礼路「「論文ハウマッチ」+論文とお金の少し真面目な話」+『螺旋じかけの海』の紹介~理系学術ジャーナル論文掲載の裏事情~

<本記事の目次> 1.はじめに 2.永田礼路「論文ハウマッチ」+論文とお金の少し真面目な話」 3.永田礼路『螺旋じかけの海』1巻のレビュー 1.はじめに 日課でTwitterのタイムラインを眺めていた昨日、ネイチャーとかセルとか、含む理系の学術ジャー…

専門卒社会人の著者による大学院修士課程の受験体験記~森井ユキ『突撃!オトナの大学院』~

<今回の目次> 1.はじめに~私の10代と周囲の社会人たちの経歴~ 2.著者の森井ユカについて~なぜ大学院に行こうとしたのか?~ 2-1.森井ユカの仕事 2-2.専門学校卒で大学院進学を目指す決断~大卒でなくとも院は受験可能!~ 2-3.著者の研究…

【目次】世界史を教えていた私の近現代史を知るための推薦図書まとめ

naka3-3dsuki.hatenablog.com naka3-3dsuki.hatenablog.com naka3-3dsuki.hatenablog.com

こんな百人一首漫画が欲しかった!~杉田圭『超訳百人一首 うた恋い。』シリーズ~

昨年末に整理していた記録の一つで、百人一首の背景物語とも言うべき作品のレビューが出てきましたので、こちらに公開致します。まだまだ暦の上では正月期間ですし、百人一首カルタをされるところも、あるかと思いますので、季節的にはちょうどいいかなと。 …

就職するか、大学院進学か、迷ったら読む本 ~中沢孝夫『就活のまえに 良い仕事、良い職場とは?』~

<今回の内容> 1.はじめに~実は院生の頃に就活してました~ 2.中沢孝夫『就活のまえに 良い仕事、良い職場とは?』の紹介 2-1.本書の内容など 2-2.感想 3.本書を振り返ってみて 1.はじめに~実は院生の頃に就活してました~ 昨年末のストレ…

大学の在野で研究する者たちへの指南書  ~荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために』:後編~

↓の前編の続きになります。 naka3-3dsuki.hatenablog.com 著者・荒木優太氏の章のキーワードをピックアップしつつ、この本の中の在野研究者の生を、具体的に見ていきたいと思います。 更に、「在野研究者の心得」を著者自ら実践している例もあるようなので、…

大学の在野で研究する者たちへの指南書  ~荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために』:前編~

段ボールの簡易コタツの上にPC載せるのが恒例になってきている、毎度おなじみ、ブログ管理人です。本日は、本ブログのあちらこちらにお名前を出させていただいていた、荒木優太氏の下のご著書をやっと読み終えたので、そのレビューを致します。 これからの…

世界史を教えていた私が選ぶイスラームと中東地域の近現代史を知るための3冊

naka3-3dsuki.hatenablog.com 上のリンク記事の補足として、イスラーム諸地域の近現代史を知るのに、高校生向けの授業で使った本を三冊、紹介します。 ①山井教雄『まんが パレスチナ問題』 ②梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』 ③カレン・グレイ・ルエル,デ…

現代史を知るための「擬人化」世界史漫画~ゆげ塾『ゆげ塾の中国とアラブがわかる世界史』:アラブ編~

本書のレビューをお送りしています。 ゆげ塾『ゆげ塾の中国とアラブがわかる世界史』飛鳥新社、2015 前回は、本書前半の中国編でした。中国史の概説ではなく、中国の今の外交や内政の特徴を、歴史に求めて解説した筋立てでした↓ naka3-3dsuki.hatenablog.com…

現代史を知るための「擬人化」世界史漫画~ゆげ塾『ゆげ塾の中国とアラブがわかる世界史』:中国編~

先週は、大学院のアカハラ問題、院生兼非常勤講師の子どもの保育所入所問題など、研究者のハードな部分を取り上げてきました。ここで、一息、自分の研究領域に関する漫画のレビューをしようと思います。 <今回の内容> 1.世界史の仕事と参考書漫画 2.『ゆげ…

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